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『ゲゲゲの女房』吹石一恵×宮藤官九郎 妖怪が見える?見えない? 本当の恐怖は…

「ゲゲゲの女房」といえば今年の朝のお茶の間の定番として、流行語大賞ににノミネートされるほどの盛り上がりを見せたが、TV版に負けぬ独特の味わいと風情を持ち、そして何より主役の2人のやり取りが安心感とホッコリとした温かさをもたらしてくれるのがまもなく公開を迎える映画版の『ゲゲゲの女房』。右も左も分からぬままに漫画家・水木しげるのもとに嫁ぎ、戸惑いを感じつつも夫を支える妻・布江を演じるのは吹石一恵。そして、どこか頼りなさげながらも言葉で表現できない“愛”と“温もり”を感じさせるしげるに宮藤官九郎が扮している。2人は初共演。どのように“夫婦”となっていったのか? 話を聞いた。

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『ゲゲゲの女房』 吹石一恵&宮藤官九郎
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「ゲゲゲの女房」といえば今年の朝のお茶の間の定番として、流行語大賞ににノミネートされるほどの盛り上がりを見せたが、TV版に負けぬ独特の味わいと風情を持ち、そして何より主役の2人のやり取りが安心感とホッコリとした温かさをもたらしてくれるのがまもなく公開を迎える映画版の『ゲゲゲの女房』。右も左も分からぬままに漫画家・水木しげるのもとに嫁ぎ、戸惑いを感じつつも夫を支える妻・布江を演じるのは吹石一恵。そして、どこか頼りなさげながらも言葉で表現できない“愛”と“温もり”を感じさせるしげるに宮藤官九郎が扮している。2人は初共演。どのように“夫婦”となっていったのか? 話を聞いた。

——共演前の互いの印象、共演が決まってのお気持ちなど聞かせてください。

宮藤:いやぁ、すごく楽しみでした。

吹石:ええっ!?

宮藤:『ええっ!?』って何ですか(笑)?

吹石:そんなこと初めて聞いた…。私は、宮藤さんはずっと会ってみたい方でした。というか私、ずっと前に「グループ魂」(※宮藤さんが「大人計画」の仲間たちと組んでいるバンド)のライヴに行ったこともあるんですよ。

宮藤:ええっ!?

吹石:TVで見たりして「近寄ってみたいな」と思う人っているじゃないですか。良い匂いがしそうな(笑)。そんな方でした。

——では実際に顔を合わせ、共演してみての感想は?

宮藤:もっとおとなしいタイプの人かと思ったら…

吹石:ああ、よく言われる!

宮藤:(笑)。きっと親しみやすくない人だろうと思ってたら、すごく親しみやすかったです、すごく! 監督が結構、難しいこと要求するんですよ。すごく抽象的だったり、心理的な部分だったり。それを全部ちゃんと聞いて、応えようとしてて…すごいな、と思いましたね。

吹石:リハーサルも含めて、二千回くらいやったんじゃないかって思えるくらいやったんですが、宮藤さんはそれを毎回ちゃんと受け止めてくれる。私の撮影が延びたときも、現場でじっと黙って待っててくれるんです。

宮藤:手を差し伸べるでもなく(苦笑)。

吹石:いえいえ、逆に中途半端なフォローなんかをされない方が。その待っててくださる感じ、佇まいに励まされました。

——お話を伺ってると、鈴木(卓爾)監督はかなり厳しい演出を?

吹石:監督、普段はドMっぽいのに、撮影になると変わるんですよ。

宮藤:(カメラを)回し始めるとね。容赦ない、粘る。

吹石:さっき会ったときも「(弱々しく)ああ、吹石さ〜ん」て感じで、そういうときはこっちも「このひと嫌いじゃ!」って強くビシッと言える感じなんですけど、現場に入ると“監督”という人になるんですよ。

宮藤:自分が監督のときに、まずそこまで言わないだろうっていう高いレベルのことを言うんです。

吹石:何がなんだか分からなくなりかけるときもありましたよ。

宮藤:で、よく分かんなくなった頃に「OK」って…

吹石:そうそう(笑)。こっちが困るOKもありましたね。その困ってる感じは布枝さんの気持ちとリンクしてたかも。

宮藤:でも、完成した作品観て、監督がやりたかったこと、観たかったものはこういうものだったんだって思った。

——劇中、随所に妖怪のようなモノノケのような(?)、不思議な存在がいるともなしに姿を見せていますが、お2人はそういった存在は信じますか?

吹石:いるいる! 全部いる! 幽霊とかUFOとか妖怪とか。うちは全肯定です。うちの母がそういうの大好きで、目に見えないものを否定するような親ではなかったので。ちっちゃい頃から水木さんの本とか読んでました。だから今回、この作品の世界に入って、“ぬらりひょん”とか“あずき洗い”とか“本物”を見ることができて嬉しかったです。水木先生にもお会いできたし。こないだ、実家に帰ったらボロボロになった水木さんの本が出てきて「あぁ、私の幼少期の一部を水木さんが作ってくれたんだ」って感じました。

宮藤:僕は、冷めているのかもしれないし、本当にそういうものがいるのかいないのかは分からないんだけど、妖怪がいるって言い出した人間がある意味で恐怖ですね。河童がいる、天狗がいるって言い出した人…何でそんなことを言い出したのか? そこに興味がありますね。

——宮藤さん自身、脚本などで物語を“作る”側ですが…。

宮藤:演じながら、水木しげるって人はやっぱすごいって思いましたね。人間から目玉がボトって落ちて、そこから手足が生えて歩き出すっていう発想がね。そう思いながら演じつつ、布枝さんに「妖怪見えるんですか?」って聞かれて「ああ、見える見える」って答えるシーンがあるけど、「おれ(=水木さん)、もしかしたら見えてないんじゃないか?」って思いもよぎって…。最後に火の玉が出て来るところも、実は水木さんだけ見えてない、という感じで受け取られるのも悪くないかな、とも思いましたね。「やばい、おれだけ見えてない。え? 本当にいるの?」って。ちなみに僕も、子供には「いる」って言ってます。「お化けが来るから早く寝ましょう」って(笑)。
《シネマカフェ編集部》

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