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松雪泰子インタビュー 仕事も作品も子育ても、想いを込めて

「アンパンマンは、子供だけでなく大人も自然と笑顔にしてくれる作品。見るたびに、自分にとって大事なものは何か…を気づかせてくれるんです。今回、声優としてアンパンマンに参加できて、本当に嬉しくて。貴重な経験をさせてもらいました」と語るのは、女優の松雪泰子。妖艶な役からぶっ飛んだ役までさまざまな役を演じる彼女が、国民的アニメーションのアンパンマンから学んだものとは何だったのか。また、働く女性として、一児の母として、同性の憧れとして輝き続ける秘訣にも迫った!

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『それいけ!アンパンマン すくえ!ココリンと奇跡の星』松雪泰子 photo:Toru Hiraiwa
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「アンパンマンは、子供だけでなく大人も自然と笑顔にしてくれる作品。見るたびに、自分にとって大事なものは何か…を気づかせてくれるんです。今回、声優としてアンパンマンに参加できて、本当に嬉しくて。貴重な経験をさせてもらいました」と語るのは、女優の松雪泰子。妖艶な役からぶっ飛んだ役までさまざまな役を演じる彼女が、国民的アニメーションのアンパンマンから学んだものとは何だったのか。また、働く女性として、一児の母として、同性の憧れとして輝き続ける秘訣にも迫った!

無邪気な少年・ココリンにキュン

過去の劇場版シリーズでは黒木瞳、ともさかりえ、中谷美紀など名だたる女優たちがアンパンマンのゲスト声優として登場している。最新作『それいけ!アンパンマン すくえ!ココリンと奇跡の星』で松雪さんが演じるのは、宇宙のヘンテ星からやってきた少年ココリン。俳優と声優、まったく異なるものだからこそチャレンジングな現場となったとふり返る。

「ほんとに全然違いましたね。画にあわせてセリフを言うこと、タイミングをあわせること、難しかったです。特に大変だったのは、リアクションをセリフで表現すること。普段リアクションを声に出すことはあまりないので、最初は苦労していました」。

幼い男の子のキャラクターという、実写ではなかなか演じる機会がない役柄というのも声優の醍醐味だ。ココリンを演じるにあたっては「元気に、無邪気に、楽しく」を意識し、「みんなに褒められたくて得意気になっていろいろなことに挑戦する姿とか、何に対しても新鮮な反応を持っていることとか、本当にかわいいんですよ!」。すっかりココリンに心うばわれたようで、語るまなざしが何とも優しい。

かわいらしいキャラクターももちろん魅力的だが、毎回、人間の本質に迫ったテーマを掲げているアニメーションであることも、アンパンマンが愛されつづけている理由のひとつ。今回のテーマは、食べること。ストーリーを楽しみながら“食”について深く考えさせられたと語る。
「これだけ豊かな環境で暮らしていると、便利なことが当たり前になっていますよね。でも、マヒしてはいけないと思うんです。食べ物に関して言えば、大地があって、光(太陽)があって、水があって、人の手が加わって、やがて恵み(食物)となるわけですから。食物がどうやってできるのかを知ることで、環境や食べ物に感謝の気持ちを持てると思うんです。今回のアンパンマンのストーリーは食がテーマ、豊かなアンパンマンワールドとは真逆の環境の星が登場します。食べ物はカプセルに入ったエネルギー食だったり…。そんな星で育った男の子ココリンが地球にやってきて、虫に触れ、光に触れ、風に触れて自然を体験していくんですよ」。大人になるにつれ、忘れてしまいがちな大切なことを思い出させてくれる「本当に素晴らしい作品」と何度も繰り返す。

子育てを通して、自分自身と向き合う

ココリンがアンパンマンたちと出会って成長するように、多くの作品でさまざまな人間を演じてきたからこそ成長できたと松雪さん。ひとりの女性として、女優として、母として、どんなふうに年を重ねると彼女のような女性になれるのか。そのヒントは「手放すこと」にあった。

「年を重ねるごとに自由になっている気がするんですよね。それは、自分の中にある“いらないもの”を手放しているから。特別なきっかけがあったわけではないんですが、ある人物を表現するためには、その人物の感情の変化を観察します。その作業のなかで、ふと自分自身を制限しているものは何だろう…と目を向けるようになったんです。自分自身で無意識のうちに何かを制限しているのなら、それに目を背けず向き合おうと。この10年はそうやって生きてきました。だけど、向き合うことは本当は嫌なんですよ」。クスッと自分自身を笑い、私はこんな人間なんですよ…と心の扉を開いた。

「こういう仕事をしていると、そんなふうに見えないかもしれないけれど、私は臆病で、人見知りで、人と関わることが苦手なタイプだと思っているんです。怖がりな自分に蓋をして頑張るのではなく、自分の一部として抱きしめてあげるというか。自分を自分で認めてあげると、解放されて楽になれる。子供の頃のちょっとした出来事がトラウマになっていたとしたら、そのトラウマがいまの自分にどう影響しているのか探るとか…ですね。あと、私が自分と向き合ってこられたのは、子供が産まれたことも大きい。子供は鏡のような存在、子育てをしていると自分と向き合わずにはいられないんです」。

言葉の1つひとつに説得力があるのは、松雪さん自身が自ら経験してきたことだから。そして、最後に語ってくれたのは、映画のキーワードのひとつ「想いを込める」ことの大切さ。
「とても大事なことですよね。仕事でも子育てでも何にでも言えること。たとえば食事を作るときに、本当においしいものを作ろう! と思って作ったものと、ただ単に作ったものとでは全然ちがうと思う。想いを込めると食材も(おいしくなろうって)応えてくれるというか、食材が喜んでいる気がするんですよね(笑)」。

《photo:Toru Hiraiwa / text:Rie Shintani》

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