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【MOVIEブログ】29日/ロッテルダム

29日、火曜日。曇り、雨、時折強風。妙に暖かい。こんな生暖かい気候は、この時期のロッテルダムでちょっと過去に記憶がないな。

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29日、火曜日。曇り、雨、時折強風。妙に暖かい。こんな生暖かい気候は、この時期のロッテルダムでちょっと過去に記憶がないな。

どうも調子が狂うなあ、とぼやきながら9時半からの上映へ出かけ、フィリピン映画の業務試写。これがどうにもイマイチで、申し訳ないけど深く落ちてしまい、諦めて途中で退場。

気分を切り替えて、今回のロッテルダムで唯一映画以外に予定していた、展覧会へ行くことにする。出発前に日本で「芸術新潮」を読んでいたら、ロッテルダムのボイマンス美術館が「ファン・エイク展」を開催中だとの記事が目に入り、これは行かねばと思っていたのでした。

が、楽しみに行ってみると、実際は「ファン・エイクとその時代」的な趣旨の展覧会で、肝心のファン・エイクの作品は数点のみ。んー、ちょっと肩すかし。もともと作品数が多くないのかな? それでも、素晴らしい受胎告知画が見られたので、よしとしよう。

続いて、映画祭に戻り、13時15分からコンペ部門でメキシコの作品。徹底してミニマルで、自然回帰的な、近年のラテンアメリカ系の映画作家が好んで取り組みがちなタイプのアート作品。大抵は僕も気に入ることが多いのだけれど、今回はあまり驚きもなく、珍しく退屈してしまった。

やはり出張中は、良い日と、そうでもない日が交互してやってくるみたいですね。続けて15時半から見たコンペの作品も、既視感が拭えず、これまた疲れてしまう。今日はダメじゃ。

17時から、初めて会うポルトガルのプロデューサーとのミーティングに臨んでみると、とてもいい人だったので、ちょっと気分も回復。

18時半から上映に戻り、またコンペ部門で『They’ll come back』(写真)というブラジル映画。12歳の少女の成長物語であり、彼女の目を通じて現在のブラジル社会が抱える問題を緩やかに指摘していく作品。ヒロインの表情がとても良く、非常に丁寧に作られた好感の持てる仕上がりで、うん、これはなかなかいい!

でも、隣に座ったばあさまが、すべてのシーンで「おや」とか「あらまあ」とか「困ったわねえ」とか(分からないけど多分そんなこと)をいちいち独り言でリアクションするので、集中力を半分くらい持って行かれてしまったけれど…。

ただ、そういうことがイヤなら、業務試写に行けばいいので、文句は言えない。一般上映では監督も登壇するし、できることなら僕は一般のお客さんを対象にした上映で観たい。業界パスを持っている人は、なるべく業務試写で見るように誘導されているので、敢えて一般上映で見ている僕は、ばあさまのリアクションも楽しまなければいけないのだ!

22時15分から本日5本目となる中国映画を観て、また少し落ち込み、もう今日はさっさと終わりにして寝るべし! とブログも短めにして、切り上げようとしたら、ホテルの部屋からネットに繋がらなくなってしまい、しばし格闘して、んー、ダメだ。

それにしても、本当に早いもので、ロッテルダムもフルで過ごす一日は、明日が最後。何だか、今年は気候もおかしいけど、体感時間も何かおかしい。まだまだこれから、という感じなのに。ともかく、今日はどうにも冴えない日だったけれど、明日は後悔しないようにガシガシ観よう。
《text:Yoshihiko Yatabe》

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