ジア・コッポラインタビュー　撮影中の新作はジェームズ・フランコの小説が原作？

昨年、エル・ファニングがゴスロリ・ファッションで出演いていることでも話題となったフランシス・F・コッポラ監督作『Virginia／ヴァージニア』。その独特の色彩美で…

最新ニュースインタビュー

2013.2.14 Thu 22:01

注目記事

昨年、エル・ファニングがゴスロリ・ファッションで出演していることでも話題となったフランシス・F・コッポラ監督作『Virginia／ヴァージニア』。その独特の色彩美で、観る者を美しく怪しい世界を引き込む本作のメイキング映像の監督を彼の孫娘が務めていたことをご存じだろうか？　その名もジア・コッポラ。巨匠フランシス・F・コッポラの孫にして、『マリー・アントワネット』や『SOMEWHERE』など独自のセンスで多くの映画ファンをもつソフィア・コッポラ監督の姪だ。現在26歳、新進気鋭の女性監督であるジアに、今回のフランシスの撮影現場で感じたこと、さらにジェームズ・フランコの短編小説を映画化した彼女の最新作についても語ってもらった。

まずは、まもなく日本でもリリースされる『Virginia／ヴァージニア』のDVDに収められているというジアが監督を務めたメイキング映像について聞いてみた。

映画史に名を刻む名監督フランシス・F・コッポラを、「おじいちゃん」と呼ぶジア。今回のメイキング映像を監督したきっかけも、フランシスがただ“家族”だったというのが大きかったようだ。
「おじいちゃんは、私がカレッジを卒業したときに『Virginia／ヴァージニア』に取り掛かったの。当時私は自分が何をしたいのかよく分からなかったから、おじいちゃんの撮影についていって、観察をして作品にすることにしたわけ。それに、単純に家族の近くにいるのはとても良いと思ったわ」。

しかし、そんな彼女の気まぐれ（？）で撮り始めたメイキング映像は、日本を始め世界中の映画サイトやファッション系のサイトにまで広がりを見せ、一躍話題となった。今回の経験は「私の人生で最も教育的な経験」と、“先輩”フランシスからの監督ぶりに大きな感銘を受けたという。
「（撮影現場は）映画学校そのものだったわ！　いつも彼はインスピレーションに富んだことを言うの！　それに素晴らしい職業倫理を持っていて、本当に彼のそばにいることが重要だったと思えたわ」。

ここまでフランシスやソフィアを引き合いに出しながら、ジアがいかに秘めたる才能を持って生まれたのかをご紹介してきたが、実は彼女、ただの“コッポラ家の秘蔵っ子”というわけではない。すでに作品をいくつも発表し、昨年にはモデルの水原希子を起用してセレクトショップ「ユナイテッドアローズ」のために120秒の長編CMを監督している。

そんな彼女が現在、新作映画を撮影中とのうわさが海外のメディアを通して、日本でも密かな注目を集めている。「いつも違ったものを作りたいと思っているの」と語るジアだが、最後に、そのうわさの新作はどんな作品になるのか聞いてみた。
「ちょうどジェームズ・フランコの短編小説を映画化した『Palo Alto』（原題）を監督したところなの。映画はティーン・エイジャーの話だけど、ファッションが時代遅れにならないように、衣装はできるだけシンプルで行き過ぎていないものにしようとしたわ。撮影していて思ったのは、本当にジェームズは才能にあふれていて、彼のやること全てを尊敬しているわ！」。

彼女が今後どんな作品を生み出していくのか、生まれたばかりの映画監督の底知れない才能に今後さらなる注目が集まることだろう。

《シネマカフェ編集部》