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【雅子ブログ】岩波ホールで『八月の鯨』

バレンタインも終わり、まだまだ本当に寒いけれど、陽がずいぶんと明るくなって、確実に春に近づいている2月半ば。フリーランスの人が頭を抱える最大事業、いよいよ確定申告の季節がやってきました。

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『八月の鯨』 -(C) 1988 Alive Films,Inc.and Orion Pictures Corporation.All Right Reserved.
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バレンタインも終わり、まだまだ本当に寒いけれど、陽がずいぶんと明るくなって、確実に春に近づいている2月半ば。フリーランスの人が頭を抱える最大事業、いよいよ確定申告の季節がやってきました。受付は今日からスタート(~3月15日まで)。が、まだナンニモやっておりません…。私は領収書を仕分けし(青色なので、種目別、月別に分ける)、計算し、数字を出すところまでを自分で行い、最後の〆は税理士さんにお任せしています。というわけで、これが終わらないと事実上の春はやって来ないのです。

先週は、『偽りなき者』『ある海辺の詩人-小さなヴェニスで-』をマスコミ試写で、公開中の『ゼロ・ダーク・サーティ』を劇場で観ました。特に『偽りなき者』は早くも今年のベスト10に入れたいくらいの作品で、深く深く心に残りました。レビューはまた追って。そして『ゼロ・ダーク・サーティ』も最初から最後まで緊張感を持って鑑賞。

金曜日は映画界に訃報が…。ミニシアターの先駆けとなる岩波ホールの総支配人にして、多数の名作を日本に紹介してきた高野悦子さんが9日(土)に逝去されたという哀しい報せ。エキプ・ド・シネマ運動の主宰者でもあります。高野さんの上映選定基準は「ストーリーがよくても、暴力、戦争を肯定する作品は上映しない。芸術的に優れていることが第一だが、これに自分の最後の作品になっても恥ずかしくないか、誇りに思えるか」だそう。映画は基より、何にでも、特に何かを創り出す人ならば誰にでも言えることなんじゃないでしょうか。映画のために仕事をするというより、何のために映画の仕事をしているのかという価値をも考えさせられます。心からご冥福を申し上げます。

ミニシアターがどんどん無くなってしまう今、岩波ホールは数少ない大切な劇場でした。ネットでチケットが事前予約できなくても、少し前に行って、映画を観るということがどんなに素敵なことか。鑑賞後は余韻と共に千鳥ヶ淵あたりまで歩いて、お茶をしたりして。


本当に数多くの上質の映画を岩波ホールで観てきました。岩波で観る映画に間違いはない、というくらいに。今年は創立45周年だそう。その記念上映として、異例の大ヒットを記録したが16日(土)から上映中。公開当時の字幕のまま、ニュープリントのフィルム上映です。

日本公開は1988年11月。もちろんリアルタイムで観ました。連日満員で、社会的にも大きな反響がありました。昨年暮れに特別試写があったので行ってきました。実に24年ぶりの鑑賞です。20代で観るのと、40代のいま観るのとでは感じ方が変わったでしょうか…? いやいや、当時観た印象は変わらず、季節の移ろいのような人生の悲哀に、繊細な美術のひとつひとつに、風景に、海の輝きに、俳優たちの存在そのものに、改めて静かな感動を覚えました。リンゼイ・アンダーソン監督、リリアン・ギッシュ、ベティ・デイヴィスのふたりの偉大なる女優の共演、ヴィンセント・ブライス、アン・サザーン、ハリー・ケリー・ジュニア。5人の名優で完成した映画史に残る名作です。ぜひともこの機会にスクリーンで。
《text:Masako》

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