※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

本郷奏多インタビュー ダークなイメージは「“実はいい人”って思われるからプラス」!?

「ルールの外で生きる人間を演じることが多いけど、僕自身はごく平凡で、物事のルールに沿って生きていくタイプの人間なんですよ」。本郷奏多はボヤくようにそう語る。

最新ニュース インタビュー
注目記事
「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ」本郷奏多/Photo:Naoki Kurozu
  • 「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」 -(C) 2013「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」製作委員会
  • 「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」 -(C) 2013「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」製作委員会
「ルールの外で生きる人間を演じることが多いけど、僕自身はごく平凡で、物事のルールに沿って生きていくタイプの人間なんですよ」――本郷奏多はボヤくようにそう語る。『GOTH』『GANTZ』シリーズでスクリーンに映る彼の歪んだ笑みを見たときは、これが10代の俳優の表情かと戦慄さえ覚えたが、目の前ではにかむように控えめな笑みを浮かべる彼を見ると、実は生きることに不器用なタイプなのかもしれないと思えてくる。まもなく放送が始まる深夜ドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」で連続TVドラマの初単独主演を務める本郷さん。22歳の素顔に迫る!

原作は、中高生の間で突出した人気を誇る作家・山田悠介のデビュー作にして代表作。増えすぎた「佐藤」姓の人口を減らすために新たに就任した王が、全国の「佐藤」を対象とした命懸けの“鬼ごっこ”を行なうことを宣言。本郷さんは、この問答無用の処刑ゲームに投げ込まれ、鬼たちの捕獲対象となってしまう主人公・佐藤翼を演じている。

本郷さんと同世代の若年層から絶大な支持を集める原作、しかもすでに実写映画としてシリーズ化までされている作品で、新たに主演を張ることにプレッシャーはなかったのか? そんなこちらの問いに「それは全く感じなかったですね」と言い切る。
「お話をいただくまで原作を読んだことはなかったんですが、もちろん作品は知っていたし、人気小説だからこそ面白い作品になりそうだと思いました。俳優をやっている人間の中で、こうした状況をネガティブに考えるタイプって実はほとんどいないんじゃないかと思いますよ」。

何とも頼もしい言葉だが、先述の『GOTH』『GANTZ』『NANA2』、『テニスの王子様』などこれまでにも多くの熱狂的なファンを抱える小説や漫画の実写作品で重要な役どころを演じてきた彼にとっては、作品に参加する上でもはやごく当たり前の前提として受け止められるのかもしれない。

今回、脚本と合わせて原作に目を通してみて、連続ドラマという形で改めて映像化することの面白さを見出したとも語る。
「原作では翼と父親のエピソードがあり、そこで物語が一つ完結していて、次に親友の洋とのエピソード、妹とのエピソードと独立した形で描かれているんです。ドラマ版ではそれぞれの登場人物が絡み合い、物語が進むにつれて複雑に交錯して、物語がより深く強固になっていく。そこは連続ドラマならではの面白さと感じてもらえると思います」。

当然のことながら、各話で壮絶な鬼ごっこが繰り広げられており、本郷さんも走って走って走りまくる! ドラマは30分×12話だが、実際に使用されなかったカットも含めるととんでもない距離を全力で駆けたことになる。
「そこはかなりキツかったです(苦笑)。相当走りましたよ。カメラが回っている限り、休むわけにはいかないですから。台本では2~3行の描写でも、現場に行ってみないとどれくらいのカット数で撮るのかが分からない。また監督は監督で、一発でいい画が撮れても『せっかくだから、逆の方向からも走っとこうか?』とか言い出すし! 何が『せっかく』なんだ!? って思いつつ、顔が映ってないところではすごくブサイクな顔でハーハー言いながら走っていました。ランの魅力? いや、正直…僕には分かりませんね。っていうか、しばらくはもう走りませんよ!」。

冒頭にもあるように、これまで規格外の人物を演じることが多かったが、今回演じた翼は、逆に理不尽なルールによって命の危険にさらされる青年。内面的には「ムチャクチャな環境で育ち、ムチャクチャなことに巻き込まれているけど、真っ直ぐでポジティブな男」であり、「これまで演じてきた役の中で、翼はよっぽど素の僕に近いですよ」と強調する。だがイメージとは恐ろしいもの。本郷さん自身、周囲から『GOTH』の樹や『GANTZ』の西のような“ダークサイド”を抱えた人物として見られてしまうことが多いという。
「まあそう見られるということは、演技として成功していると言えるので嬉しくもあります。逆にそういうイメージを持たれているからこそ、ちょっと普通に喋ると“実はいい人”って思われるからプラスかも(笑)」。

冗談はさておき、日常ではあり得ない人物になれること、特にそこで本気で他人とぶつかることができるのが俳優という仕事の魅力だという。
「日常の中で、そこまで本気で他人とぶつかり合うことってなかなかないですよね。特に非日常的な役のときほどそういう機会が多い。本気でガツンと他人にぶつかっていく瞬間にすがすがしささえ感じるんです」。

2002年に「リターナー」で役者デビュー。その後、14歳で『HINOKIO』で映画初主演。「最初は自分の意思とは言えないところで始めたんですが、やればやるほどに犠牲にしなくちゃいけないものも大きくなるし、先に進むほど日常には戻りにくくなっていく。気が付いたら戻る道がなくなっていた感じ(笑)」とおどけるが、すでに一生の仕事とする覚悟は決まっている。
「高校に入るとき、上京したことで一つ方向性が決まったというのはありましたね。ましてこの春で大学を卒業したから、もう“学生”という逃げ道もなくなってしまった。そういう意味で仕事への向き合う気持ちがより強固になって来たなと思います」。

名実ともに社会人として歩み始めたが、仕事面だけでなくプライベート、特に結婚に関してもかなり若い頃から自分なりの理想を持っているとか。
「僕がまだ若くて一緒に遊べるうちに、子どものいる素敵な家庭を持ちたいなという思いはあります。まあこういう仕事なので、若いうちはなかなか難しいのかな…(笑)。年上の女性? 周囲に大人の友人は多いですし、趣味もオッサンじみたものから小学生しかやらないようなことまでいろいろ持っているので、年齢は全く気にしないです!」。

ちなみに、このインタビューが行われたのは日本アカデミー賞の授賞式の数日後。10代の頃から共演経験があり、公私で仲の良い神木隆之介が主演を務めた『桐島、部活やめるってよ』が「作品賞」を獲得したが、劇場で観たという同作について「言葉にはできない良さを感じられた久々の作品でした」と語る。同世代のライバルたちの演技に刺激を受ける部分もあったのでは?
「それ以上に純粋に嬉しかったです。良いものを見せてもらってありがとうって気持ちになりました」。

そう語る彼の顔には何とも柔らかい笑みが浮かんでいた。

ドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」
テレ玉、チバテレ、tvkにて、毎週火曜深夜1:00 4月9日(火)より放送スタート
(C)2013「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」製作委員会

stylist:Daisuke Kawachi/hair & make:Asako Satori(Nestation)
[衣装協力]WILD PARTY/WORLD WORKERS/GGD]
《photo / text:Naoki Kurozu》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top