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宮藤官九郎×ヤン・イクチュンが“思春期”トーク!「欲望とファンタジー」に明け暮れた日々

中学生男子の誰もが通る(?)思春期ならではの夢と願望、そして特大の妄想劇を独自のリズムとスピードで奏でる、宮藤官九郎監督の新作『中学生円山』。その中で、“元韓流スター”として登場するのが…

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宮藤官九郎監督&ヤン・イクチュン/『中学生円山』
宮藤官九郎監督&ヤン・イクチュン/『中学生円山』
  • 宮藤官九郎監督&ヤン・イクチュン/『中学生円山』
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  • ヤン・イクチュン/『中学生円山』
  • 宮藤官九郎監督&ヤン・イクチュン/『中学生円山』
  • 『中学生円山』 -(C) 『中学生円山』製作委員会
  • 宮藤官九郎監督/『中学生円山』-(C) 『中学生円山』製作委員会
  • 宮藤官九郎監督/『中学生円山』
中学生男子の誰もが通る(?)思春期ならではの夢と願望、そして特大の妄想劇を独自のリズムとスピードで奏でる、宮藤官九郎監督の新作『中学生円山』。その中で、“元韓流スター”として登場するのが、宮藤監督同様、自らも監督・脚本、俳優とマルチに活動を続ける韓国のヤン・イクチュンだ。

2人の対談は、しゃべり倒し! 高らかに笑って場を盛り上げるイクチュンと、「うん、うん」と穏やかに話を聞く宮藤監督の独特の空間に。

「女性には、『男ってバカね』って観てもらえたらいい(笑)」と語る宮藤監督だが、その真意がこのインタビューで多いに明かされる…?

――イクチュンが演じるのは、韓国でのバッシングに疲れて俳優を辞めた元韓流スターの電気工パク・ヒョンホン。劇中では主人公・円山少年の母(坂井真紀)が夢中になる韓流ドラマ「愛、そしてチャンジャ」に出演し、いままでにない新たな魅力を炸裂している。彼をキャスティングした理由とは?

宮藤監督:みなさんそうだと思うんですけど、僕は(ヤンさんの)『息もできない』が大好きで、あの印象が強烈だったんです。映画館の前でポスターを見たときに「なんだこの人。本物のチンピラか?」と思って。ドキュメンタリーじゃないかと最初思ってたんですけど、映画を観たらそうじゃなかった。しかも監督も自分でやってる。これは凄い! と思って。その印象でいたので、今回はそのギャップで僕自身がやられちゃってる感じです。素晴らしいですよ。

イクチュン:作品を決めるとき、僕は監督と出会ったときの印象を大切にしているんです、人相を含めた印象をね(笑)。宮藤監督はすごく「温かい」印象でした。温かく受け入れてくれる感じで。初日がいきなり韓流スターのシーンだったんですけど、 これまでそういった役柄を演じたこともなく、(劇中劇のドラマ)「愛、そしてチャンジャ」に描かれている人物にも風刺が込められていたのでとても面白く演じることができましたし、映画の中の韓流ドラマという設定がいざやってみるととても面白かったです。

宮藤監督:「愛、そして~」は登場人物が夢中になってるドラマだから少し過剰にしてるんだけど、韓流ドラマに対して「悪気はないですよ」っていうのをどういう風に伝えようかすごい考えましたね。僕は韓国ドラマを日本の奥様たちが好んで見るのは、それに変わるものが日本にないからだという、ちょっと負い目もあるんですよね。僕らにはやっぱり、ああいうパワーのあるのは作れないですから。

――主人公はちょっとエッチな目的を達成するために「自主トレ」に励み、妄想を繰り広げる中学生なわけですが、おふたりの中学生時代は自主トレや妄想ってしていたのでしょうか?

イクチュン:中1、中2の頃というのは性的なものを受け入れ始める初期なわけで、実体験が伴わないですよね。女性に対する知識も性的な知識もないわけで。とにかく女性との関係もセックスに対してもファンタジーばかりが膨らんでいて、まあ、僕はほとんどマスターベーションに明け暮れる日々を送っていました。ハッハッハッツ(爆笑)!

宮藤監督:ちょっと、どうしちゃったんですか(笑)?

でも、僕も一緒です。一緒、一緒(笑)。

イクチュン:基本的に男という生き物にとって、性的なことを認知した瞬間から、セックスに対する妄想はずっと続いていくものだと思うんですよね。それは30代、40代、50代に関わらず、男という種族の持つ本能であり、オスの本能だと思うんです。だから、宮藤監督や私だけでなく、60代だろうが性に対する欲望やファンタジーというのは衰えるようなことはないと思います。

僕は父親のポルノビデオを発見して友達何人かと見ながら、“同伴マスターベージョン”をした記憶がありますよ(笑)…実はもっと強烈な話がたくさんあるんですけど、今回は一番程度の弱いものをお話しました(爆笑)。

宮藤監督:僕も円山みたいに“届くか、届かない”とかってことをやったり、父親の部屋から変な写真が出てきたりとか雑誌を見たりとかして「アッ!」と思ったりはしたけど…僕には「みんなで」っていう発想はなかったです(笑)。

自分一人で「僕だけがこんなことしてるんじゃないか」、「周りはどうなんだろう?」って思ったり。ある程度の年齢になって聞いたら、みんな同じことしてると知って「なんだ、みんなそうだったのか」と思った(笑)。だから、円山と一緒でしたね。

イクチュン:日本は性的なものに対して、社会的にオープンな環境がありますよね。メディアでも取り上げられますし、性描写も描かれていますし。逆に表に出ている 分、笑い飛ばせる面もあると思うんですけど、韓国は特に当時(イクチュンの少年時代)は性的なことが抑圧され、遮断されてましたからね。こうして笑ってられない、この場の雰囲気が変わってしまうほどですよ(笑)。

宮藤監督:ヤンさんの話を聞いて思ったんですけど、自分も中学生のときとか結構深夜にエッチな番組とか見て、ちょっとずつ発散してたような気がするんですけど、今ってそういう番組が日本でもなくなっちゃいましたよね。それが逆に心配というか…。日本はオープンだと仰ってもらったけど、だんだんそうじゃなくなっちゃったっていうのは思いますね。

――思春期の思い出を赤裸々に告白していただきましたが(笑)、少年の妄想と団地を舞台にしているのにも繋がりがあると思うのですが。最後に“女性”に向けての見どころもお願いします。

宮藤監督:僕は田舎で育ったんで、団地に対して大きな建物の中にいっぱい家族が住んでるっていうのが楽しそうだな、という憧れがあったんですね。その中で、僕はプライバシーが限りなく少ない所で育っている中学生が、妄想の世界に逃げ込む話にしたかったんですよ。

同じ団地に住んで、同じ学校に行っていても、エレベーターで初めて一緒になって「同じ団地にいたんだ!」って知る感じとかは、あながちなくはないというか。隣とか上とか住んでるのが誰なのか分からない、人間関係が濃いのか薄いのか分からない感じを描きたかった。そこで生きる円山の思春期ならではの青春の姿を見てもらいたいですね。女性には「男ってバカだな」って思ってもらってもいい(笑)。女性にも青春の“あの時”を思い出してもらえたらいいなと思います。
《text:Tomomi Kimura》

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