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【インタビュー】水川あさみ 変化・成長・恐怖…全てを受け止め「恥をかき続けたい」

「いままでやったことのない役柄で、撮っているときは大変だったけど、やってよかったなと思うし、鍛えられたなと感じます」。

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水川あさみ『バイロケーション』/Photo:Naoki Kurozu
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  • 『バイロケーション』 -(C) 2014「バイロケーション」製作委員会
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「いままでやったことのない役柄で、撮っているときは大変だったけど、やってよかったなと思うし、鍛えられたなと感じます」。

公開から半年ほどを経て、水川あさみは改めて映画『バイロケーション』について、充実した表情でそうふり返った。“異色の”という枕詞付きで説明される一筋縄ではいかない一人二役への挑戦に加え、衝撃の結末、そして「表」と「裏」というエンディングの異なる2バージョンでの公開など、課せられた様々なハードルが彼女を女優としてまた一段、違うステージへと押し上げた。DVD&ブルーレイのリリースを前に、思い入れと共に本作の魅力、見るべきポイントをたっぷりと語ってもらった。

“バイロケーション(=バイロケ)”とは、自分と全く同じ容姿を持つもう一人の自分の存在、および、そうした怪奇現象を指す言葉。映画は、本当の自分を殺しに来ると言われるバイロケの存在に追い詰められていく主人公たちの恐怖体験が描かれると共に、隠された衝撃の真実が最後の最後に明かされる。

「異例の一人二役」というのは、バイロケが本人から生まれた“ほぼ”同一の人物であるという点。見た目も性格もほとんどオリジナルと同じ、自分であって自分でない2人を、それでもあくまでも別人として演じなくてはいけなかった。

「そうなんです。全く違うタイプの二役なら演じ分けることができるし、テンションや性格が違えばまだ分けやすいんですが、これは別人と言っても本人ですからね(苦笑)。そもそも、映画の中だけのことでなく、観ているお客さんを騙さないといけない部分もあったので、そこは難しかったです」。

そう、本作は主人公がバイロケの恐怖と戦うという単純なホラー映画ではない。観る者をあっと驚かせる仕掛けが最後に用意されており、“騙される”面白さがあると共に、もしも自分だったら? 人生で大切なことは何か? といったことを考えさせる作品でもある。

「人間の心理を色濃く描いていて、ホラーという位置づけではあるんですが、サスペンス寄りで、心霊的な怖さとは違う怖さがありますよね。『バイロケは、人間が相反する感情で精神的に引き裂かれた時に発生する』という条件があるんですが、人生において、ないものねだりというか『こうしたいけどできない…』という瞬間は誰しもある。他人を妬んだり、ひがんだり、できることなら他人には隠しておきたい感情が、もうひとりの自分として出てくる。そうした部分は面白くもあり、怖いなと思います」。

ちなみに、水川さん自身、これまでに「相反する感情で精神で気に引き裂かれて」バイロケを生み出してしまった可能性は?

「しょっちゅうですね(笑)。あちこちで生まれてると思います! あれこれ考えて眠れなくて『いま、バイロケが発生してるんじゃ…?』と思う時もあるし、疲れて大変なときは特に…。むしろ、そういう時にもう一人の自分が出てきてくれたら仕事を手分けしてできるじゃん! とポジティブに考えたり…(笑)」。

そもそも、女優という仕事自体、自分自身でありつつも物語の中に“別人”を生み出さなくてはならないものである。

「演じながら自分で『こんな感情になるんだ!?』と驚く時もあるし、すごく客観視しながら冷静に演じるときと両方ありますね。この作品は、役柄に没頭してしまうと(二役の)どっちがどっちか分からなくなってしまい、ダメだと思ったので、計算というわけじゃないですが、いつも以上に頭で考えながら演じていましたね」。

昨年、節目と言える30歳を迎えた。本作のようなホラーからコメディ、役柄でも切れ者の美人からダメな男にハマる残念な女子まで幅広く演じてきたが、自分の中に確かな変化を感じているという。

「30歳というのが特別なわけではないけど、年齢によって役の幅が広がる部分もあるし、逆に自分にはできない役というのもできてくる。それはすごく面白いなと思います。若いときはがむしゃらで、何でも楽しかったのが、年齢を重ねることで、役柄の重要性も増してきて、実は一概に楽しめなくなる部分もあるんだなとも感じてます。いつのまにか褒められることの方が多くなって、逆にそれがふと怖くなったり…。だから、共演は久々に舞台(『激動-GEKIDO-』主演)に挑戦してみたりもしたんです。もっと自分を打ちのめすような役をやりたいし、いろんな舞台にも出たい。恥をかくことを忘れずに、お芝居を続けていけたらと思ってます」。

「バイロケがいたら曜日ごとに仕事を分けるのに…(笑)」などという嘆きとは裏腹に、決して自分自身を甘やかそうとはしない。どんな30代を歩むことになるのか楽しみに見守りたい。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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