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【雅子BLOG】『めぐり逢わせのお弁当』!!!

8月に突入したと思ったら、早くも立秋を迎えました。とはいえ秋は暦の上だけなので、まだまだ夏真っ盛り。というわけで、残暑お見舞い申し上げます!

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リテーシュ・バトラ監督
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8月に突入したと思ったら、早くも立秋を迎えました。とはいえ秋は暦の上だけなので、まだまだ夏真っ盛り。というわけで、残暑お見舞い申し上げます!

さて、連日、猛烈な暑さが続きますが、今夏に観たい素敵な映画をご紹介します。先日、ちょうど来日していたリテーシュ・バトラ監督をインタビューすることができたので、合わせてどうぞ! 素敵な作品は『めぐり逢わせのお弁当』! 8月9日(土)シネスイッチ銀座ほか、全国ロードショーです。

<STORY>
インド・ムンバイ。お昼時になるとダッバーワーラーたちがオフィス街にお弁当を配って歩く姿が見られる。主婦のイラは冷め切った夫の愛情を取り戻すためにお弁当作りに腕を振るう毎日だ。ある日、空になったお弁当箱にイラは喜ぶけれど、夫の態度は変わらない。ましてや翌日もキレイに空になっている…。不審に思ったイラはお弁当箱に手紙を忍ばせることにした。実は誤配送で、お弁当はサージャンという男性に届けられていた――。

2013年のカンヌ国際映画祭でお披露目され、批評家週間観客賞受賞した本作。あらゆる意味でインド映画の常識を覆し、ヨーロッパで大ヒットを記録しました。いよいよ待望の日本上陸です。ここ数年はハデハデのボリウッドだけじゃない上質のインド映画がじわじわと人気で、またひとつ素敵なインド映画が誕生しました。俳優たちの繊細な演技に穏やかな演出、そして、この映画のもうひとつの見所はイラの作るお弁当(カレー)と、そのお弁当を運ぶ配達人・ダッバーワーラーの存在ではないでしょうか。ハーバード大学の分析によると、誤配送は600万個にひとつ、というまさに奇跡のようなシステム。そして、その奇跡から生まれたささやかな物語。詩的で情緒的な心温まる映画です。監督はムンバイ出身でニューヨークにも拠点を置くリテーシュ・バトラ監督。堂々の長編デビュー作です。


<ここからは監督インタビューです>

雅子(以下M):日本は初めてですか?

バトラ監督(以下B):初来日ですが、とても楽しんでいます。どこに行っても食べものと住んでいる人々に興味があります。素晴らしい国だと思います。

M:この映画を作ることになった経緯を教えてください。

B:元々は、劇中にも出てくるお弁当を運ぶダッバーワーラーのドキュメンタリーを撮ろうと、カメラもメモも持たず、数週間彼らと行動を共に過ごしました。友情を育み、彼らは様々な話を聞かせてくれました。それは何てことのない、どの家庭の誰それの奥さんがどうのこうの、というような小さな物語で、僕はすっかり魅了されてしまいました。そこで、これはドキュメンタリーではなくフィクションにしたら面白いんじゃないかと思い、脚本を書き始めたのがスタートです。2007年のことです。

M:お弁当を運ぶダッバーワーラーについて教えてください。一見するとメチャクチャに運んでいるようにさえ見えるし、ましてや誤配送は600万個に1つだということも不思議でなりません。

B:それは大都市の奇跡のひとつなんです(笑)。劇中では、そのシステムについて詳しい説明をするか迷ったけれど、説明をすることで映画の魔法が損なわれてしまうのを避けたかったので、映画では敢えて説明はしていません。誤配送は果たして間違いだったのか、奇跡だったのかということにしてあまり触れずに…。システムについては、簡単に言うと、6桁の複雑なコードによって完璧に管理されています。ボンベイ近郊のあるコミュニティーによって都市とともに進化したもので、歴史のあるものです。もっとも、僕も不思議に思うけれど、その矜持に興味を持ちました。ただ正確に送り届けるだけではなく、誰のお弁当を何処に運ぶかという彼らの誇りです。何か特別な世界観があると思いました。そこに強く魅かれたのです。

M:インドにおけるお弁当文化というのはあるのでしょうか?

B:実は僕自身が全般的にこうである、というような物の見方をしないタイプなんです。見る人によって、触れる人によって想像を膨らませて欲しいと願います。特に映画などの文学的なものに関しては、やはり人物たちからくるものだと思っています。なので、今回のダッバーワーラーやお弁当云々についてもそれがどうのというのではなく、2人の主人公のキャラクターを中心に、お弁当箱はあくまでも2人を繋げてくれる役割をしている。2人はそれぞれの檻に捕われている(イラは結婚、サージャンは過去)ことがある中で、日常的なお弁当箱という存在によって心を開いて、一歩外に出ることができた、そういう物語なんです。

M:その魅力的な主人公たちのキャスティングについて教えてください。

B:脚本を書き終えた段階でイルファーン・カーンにお願いしたいと思っていました。サージャンという役は、寡黙で言葉は少ないけれど多くのことを観客に感じさせなくてはならない。そういう意味でも彼しか考えられなかった。言わば当て書きです。彼が引き受けてくれなかったら脚本を書き換えなければならないくらい。そして、サージャンの後輩にあたるシャイク役については、ナワーズッディーン・シッディーキーで、彼は今までコメディをやったことがなかったけれども、直感的にイケるんじゃないかと思いお願いしました。ふたりともファースト・チョイスです。イラ役については、約4か月かけて同じような年齢の女優を探し、ニムラト・カウルという女優に出逢いました。たまたま彼女が出演しているというお芝居を観に行き、とても繊細な演技をしていたので、彼女は舞台というよりはスクリーンに向いているんじゃないかと思ったのです。彼らにお願いできて本当にラッキーでした。この3人でなければまた全然違うものになっていたと思います。

M:SNSが盛んな今の世の中で、誰もが懐かしく思うであろう手紙のやり取り。空のお弁当箱の中に手紙を潜めるというアイディアはどこから来たのでしょう。

B:サージャンとイラという2人の主人公が古き良き時代のノスタルジアを感じさせるキャラクターを持っていること。今風のメールや電話ではなく、手紙という奥ゆかしい感じがとても似合う雰囲気があったからです。

M:この物語はラブストーリーですか?

B:もちろんです。

M:『めぐり逢わせのお弁当』という邦題についてどう思いますか?(原題は『ダッバー』、英題『ランチボックス』)

B:ステキな邦題だと思います。ポーランドでは『スマックボックス』なんてのがついたくらいですから(笑)。それに比べたら…というか、ストーリーに合ったとてもステキだなと思います。
《text:Masako》

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