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カンヌ常連のロシア新鋭監督が“女の業”描く…今冬2作連続公開

本年度の第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、最新作『Leviathan』(原題/日本未公開)が「最優秀脚本賞」を受賞し、本年度アカデミー賞…

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『エレナの惑い』『ヴェラの祈り』
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本年度の第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、最新作『Leviathan』(原題/日本未公開)が「最優秀脚本賞」を受賞し、本年度アカデミー賞外国映画部門のロシア代表にも選出されたアンドレイ・ズビャギンツェフ監督。かつて長編デビュー作『父、帰る』がヴェネチア国際映画祭「金獅子賞(グランプリ)」を獲得した新鋭監督の未公開作品が、この冬2本同時に日本上陸。いずれも、“女の業”をテーマにしていることが分かった。

『父、帰る』で鮮烈なデビューを飾ったズビャギンツェフ監督は、1964年生まれ。その後も、2作目『ヴェラの祈り』(’07)、3作目『エレナの惑い』(’11)と発表する作品が立て続けにカンヌに出品され、『ヴェラの祈り』では主演のコンスタンチン・ラヴロネンコに「最優秀男優賞」をもたらし、「ある視点」部門に出品された『エレナの惑い』は「審査員特別賞」を受賞。本年度の「最優秀脚本賞」を受賞した『Leviathan』を含め、3作連続でカンヌで賞を獲得するという栄誉に輝いている。

『エレナの惑い』では、男という存在を“経済”にだぶらせ、金に蹂躙されたひとりの妻であり、母である女性の“業”をサスペンスフルに描き出していく。本作により、モスクワ国際映画祭でズビャギンツェフは「最優秀監督賞」を受賞、さらにロシアのアカデミー賞といわれるNIKA賞では「主演女優賞」「助演女優賞」をW受賞した。

現代のモスクワ。初老の資産家と再婚したエレナは、生活感のない高級マンションで、一見穏やかな生活を送っている。だがその陰で、彼女は働く気のない息子家族の生活費を工面していた。だが、そんな日常が、夫の急病により一変。「明日、遺言を作成する」という彼の言葉を聞き、彼女がとった行動とは…。

一方、『ヴェラの祈り』は、妻であり、母である以前に“女である”という熱い感情が、やがて夫のみならず、家族そのものを飲み込む奔流となり、悲劇をもたらしていく物語。深い海より暗い孤独の底を見てしまった女性の、戻れない道を描いた現代の「黙示録」だ。

「赤ちゃんができたの。でもあなたの子ではない」。ひと夏を過ごすため、亡き父が遺した田舎の家を訪れた家族の空気は、妻・ヴェラのそのひと言で暗転。夫の嫉妬と怒りは、幼い子どもたちを巻き込みながら、予想外の悲劇を引き起こす…。



2003年の『父、帰る』以来、11年ぶりに実現したズビャギンツェフ監督作品の劇場公開に、配給元の女性宣伝担当者は、「もしエレナやヴェラと同じような境遇になったとき、愛する人に対して、私なら一体どんな行動を取るのだろう。人はみんな自分勝手で、知らないうちに罪を犯しているのかもしれない。女性として息苦しさを感じていたり、大切な人との関係に迷いを感じているとき、観てほしい。愛や人生について深く考えさせられる、怖くて、強くて、美しい作品たちです」とコメントする。

女性にとっての諦めと、そして諦められない“何か”を問う、この2作。世界が注目するロシアの新鋭が迫った“女の業”を見つめてみて。

『エレナの惑い』『ヴィラの祈り』は12月20日(土)よりユーロスペースほか全国にて連続公開。
《シネマカフェ編集部》

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