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【MOVIEブログ】東京国際映画祭 Day7

29日、水曜日。晴れだ、またまた快晴!本当に今年は天気が素晴らしくて、最高。

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『草原の実験』上映後Q&A
『草原の実験』上映後Q&A
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29日、水曜日。晴れだ、またまた快晴!本当に今年は天気が素晴らしくて、最高。

昨日のブログが手抜きだったことにとても不満で、どうしてそんなに不満なのだろうかと思ったら、自分にとってもつまらないからだということに気付いた。後で読み返すのが楽しみで書いているフシもあるのと、その場で書いておかないと永遠に忘れてしまうというもったいなさもあって、どんなに遅くなっても書くぞ、と決意を新たにした次第。でも、それももうあと3日。え?もうあと3日で終わりなのか?

今朝は9時起きで、10時に事務局へ。3時間半寝られたので、まずまずだ。僕は大体3時間は寝られているからいいけれど、ゲスト周りのケアを行っているチームは連日の睡眠時間が1~2時間だ。まして僕はこうやってブログで眠いとか弱音を吐いているけれど、彼らは愚痴もこぼさず黙々と使命感と責任感と映画愛だけで過酷な状況を乗り越えている。もうちょっとだ!がんばろう!

ということで、天気がいいとテンションもあがる!午前中は2時間ほどパソコン作業。

12時から、コンペ『来るべき日々』の2回目のQ&A司会。最初に質問の手が上がらなかったのだけど、某有名TVアナウンサーの方が見事な質問を3つ連発して実に効果的。それにしても、司会のプロ中のプロの方の前で司会をすることの、何と恥知らずなことよ!

グーピル監督の話は聞き飽きるということがないのだけど、今日は「メタコミュニケーション」の話が面白い。「…イズム」の時代から「…アブル」の時代へ。これは映画を見ていないと分からないのだけれど、時代の変遷を見るのに服装や建築物の変化を見ることが有効であるように、言葉の変化でも時代の趨勢を読むことができるというもので、ああ、もう一度見たい。自分の人生であと何本映画を作ることができるだろうかと思った時に本作の構想を得た、とグーピル監督は語るけど、1本でも多く作ってトウキョウに来て欲しい!

職場戻り、弁当食べて、パソコン叩いて、日本橋へ。タクシーに乗って、瞬時に爆睡。

14時15分から、TOHOシネマズ日本橋にてPFFとの提携上映の前説。今年からPFFとの連携をさらに深め、PFFでの受賞作5作品を上映することになったので、その主旨を5分ほど説明。

終わって、コレド室町の中に無印が入っていたので、Tシャツとパンツを購入。って、こんなことまで書かなくていいか。

六本木に戻り、吉田大八監督をお迎えして、『紙の月』の2度目のQ&A。今回は小さめのスクリーンでの上映だったので、リラックスした雰囲気の中でのトークでいい感じ。『紙の月』は原作と異なる部分が多く、原作にはないキャラクターが重要な役割を果たすので、その変更に至るプロセスの話は何度聞いても面白い。原作がそのまま映画になるか、ならないか、それは映画とは何かを考えることでもあり、まさにクリエイティブな作業なのだということがよくわかる。原作があると映画作家のオリジナリティーがないなんてとんでもない。

Q&A終わり、控え室で吉田監督と少しおしゃべり。監督に「コンペの作品見ました?」とお尋ねしたら、『ザ・レッスン/授業の代償』を見たばかりだったとのこと。おお、『ザ・レッスン』。ここで、僕は懺悔。

というのも、『ザ・レッスン』と『紙の月』は、30代の女性が金銭トラブルの当事者になって負のスパイラルに陥っていくという大枠な部分が共通していて、選定作業中に僕は全く気付かず、全作品が決定したしばらく後に「これってカブったのか?」と思って卒倒しそうになったのでした。

吉田監督はすぐに気付いていて「これはヤタベさんが意図的にやったことでしょう?」と笑いながら突っ込まれ、僕はもうタジタジ。ただ、もちろん両作の共通点はそれだけで、後は似ても似つかない作品だし、逆に現代の経済社会にがんじがらめになることが洋の東西で共通していて面白いとも言える。ともかく、この件について監督と笑いながら話せてよかった!

作品選定でどこまで何を気にするかというのはキリがなくて、テーマが少し共通することを理由に選ぶのを躊躇していたら、本当に行き詰ってしまうし、かといって全く気にしないわけにもいかないし…、ということで、何年やっても難しい。

吉田監督はとても話しやすい方で、カッコいい。映画祭でご縁が出来て、本当に良かった。

続いて、17時から『メルボルン』の記者会見の司会。本作は明日もQ&Aがあるので、今日は割愛。

18時から、1件WEB媒体の取材を受ける。コンペ作品の選定プロセスや、選考基準などについて聞かれたので、改めて話してみる。いろいろ思い出すと懐かしくも複雑な思いになる…。

あれだけしんどい夏を過ごして、悩みに悩んで決断して、そしていつまでもウジウジと優柔不断な気持ちを抱えたままの日々を経てきたと思いきや、もう映画祭の終盤だ。もはや、コンペ15本の作品は、完全に僕の体の1部になっているような気さえする。そんな作品とも、もうすぐお別れかと思うと寂しい。そして、彼らの中に受賞結果という「優劣」がもうすぐついてしまう。ああ、いやだ。クロージングなんて無ければいいのに。全員受賞でいいじゃないか、と本気で思う。

夜の弁当を飲みこみ、19時に『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』の2度目の上映のQ&Aを見に行く。今回は僕が司会ではないので、劇場通路から首を伸ばして見学する。小さ目のスクリーン6に、溢れんばかりのプレスが入っている!そう、オーウェン・ウィルソンがやってくるのだ!

ボグダノビッチ監督が1問目の質問に答えたあたりで、オーウェン・ウィルソンが入場。おお、本当に来たのだ!もともと庶民派で親しみやすいキャラクターのイメージがあるけれど、まさにそのまま。でもやはりスターはスター、華やかな光を放っている。それにしても、配給会社のついていない作品のハリウッド・スターを映画祭予算で呼ぶことに成功したのは、初めてではないかな?これは映画祭事務局にとっては、歴史的な出来事なのだ。

映画祭の終盤にふらっと(という言葉がふさわしい)A級ハリウッド・スターが来るなんて、素敵だ。毎年1人くらいはこういうケースを実現できないものかなあ。

残念ながらタイミングが合わず、僕はオーウェン・ウィルソンに挨拶することは出来ず。無念。まあ、何から何まで思うようには行かないものということですな。

そして、19時30分から、『草原の実験』の1回目の上映後Q&A。『草原の実験』を巨大な7番スクリーンで見ることの出来たお客さんは幸せだ。本当に羨ましい。『ナバット』や『遥かなる家』に続いて、本作も今年の「コンペじっくり映像堪能系」の1本で、7番で見る映像の美しさと、音響の素晴らしさは格別であるはず。んー、羨ましい。

アレクサンドル・コット監督に物語の基本的な背景について話してもらっているうちに、あっという間に予定時間が終了してしまった。さあこれから、という感じだったのに。残りは明日の上映で聞いてみよう。

それにしても、ツイッター(まだ始めて1週間くらい)を見ていると、『草原の実験』の評価が猛烈に高い。滅多に見られるものではないタイプの作品なので、日本公開を切に期待したい!あ、本作の少女役の女優の美しさが尋常でないということも、ツイッターでつぶやかれているみたい。我が意を得たり。

20時半に終わり、劇場を出て、六本木のレストラン・バーへ。海外からの作品ゲストと、日本の映画会社の人たちとの懇親飲み会。日本のバイヤーの方々と久しぶりに情報交換したりして、何だか現実に戻った気分。まだあまり話をしていないゲストとしゃべることも出来たので、なかなか有意義な時間になったのではないかな。1時間半くらいウーロン茶で過ごし、んー、ビール飲みたい!

23時から、『アイス・フォレスト』のQ&A司会へ。クラウディオ・ノーチェ監督は昨日到着、そして出演のアドリアーノ・ジャンニーニは本日到着ということで、ふたりと会うのは壇上が初めて。監督も素敵だけど、ジャンニーニ氏のイタリアのファッション誌から抜け出てきたような渋めのハンサムっぷりがすごい。目の青さも海みたい。役者らしい役者だなあ。

監督、しゃべり過ぎだよ!と止めたかったんだけど、そうもいかず、お客さんから全然質問を受けられなかったのが無念。やっぱり、イタリア語と英語の通訳が入ると時間が足りなくなるということを事前にいくら説明しても、しゃべる人はしゃべるのだよなあ。イタリア人は特にしゃべる!でも、イタリア語はとても耳に心地よいので、僕は理解できなくてもいつまでも聞いていたい気になってしまうのだけど。ともかく、明日のQ&Aはもう少し短めにしゃべれるかどうか、さりげなく聞いてみよう。

23時半過ぎに終了し、劇場の外に出ると、映画を見て下さった女性の方から栄養ドリンクの差し入れを頂いてしまった!ありがとうございます!そして、別の男性の方からは一緒に写真を撮ってほしいと言われ、さらにまた別の女性の方からは、映画祭のセレクションに対してとても有難いお言葉と激励を頂戴した!

前向きなコメントを頂くと、今年のしんどい状況が走馬灯のように蘇り、僕は涙腺が緩んでしまった。何度もお礼を申し上げても足りることがない…。

いかん。祭りの終盤は感傷的になってしまう。まだまだそれは早い。上映はまだ続く。気合いを入れ直す!
《text:Yoshihiko Yatabe》

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