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【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day10 & 11

31日、土曜日。映画祭最終日! 天気は曇りだけど、明るくなりそうな気配。10日間のお天気を神様に感謝! 睡眠時間2時間で、これまた全宇宙の気合いを総動員して起床。何とか起きられるものだな。

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『ニーゼ』監督と審査委員長 【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day10 & 11
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31日、土曜日。映画祭最終日! 天気は曇りだけど、明るくなりそうな気配。10日間のお天気を神様に感謝! 睡眠時間2時間で、これまた全宇宙の気合いを総動員して起床。何とか起きられるものだな。

眠いだけで、体調はすこぶる好調。作品選定業務が本格化した7月から4か月にわたって、今年も一瞬も体調を崩すことがなかったことを、再び神様に感謝しつつ、そのまま劇場へ。9時集合で、観客賞受賞式のリハーサル。昨夜の深夜(というか数時間前)に結果が出た観客賞、『神様の思し召し』だった!

いやあ、イタリアのコメディ、見事に国境越えた! ファルコーネ監督も嬉しそうだし、僕も嬉しい。イタリア映画の受賞は本当に久しぶり。10時20分にセレモニーが始まり、僕は司会でお手伝い。昨年までは、観客賞受賞式と上映が金曜の朝だったので、なかなか満席にはならなかったのだけど、さすが土曜日、見事にいっぱいだ! 港区長から賞状(と賞金とトロフィーと花束)を贈られ、ファルコーネ監督の受賞スピーチ。滞りなく進行し、観客賞受賞作の上映へ。

本日の最初の受賞が済んだことに安堵しつつ、やはりクロージングは嫌だなあとの気持ちに、今年も襲われる。毎年書いていることだけど、受賞者がいれば、受賞しない人もいる。僕にとっては全員グランプリなので、受賞しない人が出るのがイヤだ。クロージングセレモニーなんてなければいいのにと、本気で思う。

と嘆いてもしょうがないので、事務局へ戻り、セレモニーの準備作業。とはいえ、僕がやるべきことはほぼ済んだので、お弁当を楽しみにしていると、来た! 最終日にして、津多屋! さすがのクオリティー。大詰めのところで津多屋を持ってくる運営担当Yさんのセレクション、ナイス。

ところで、昨夜、最終上映が終わり、劇場の外で多くのお客さんに声をかけてもらった。作品についての感想を頂いたり、労をねぎらってもらったり、来年への励ましをもらったりした。本当に、本当にありがたい。観客の方と直接お話しするのは、来日監督と話をするのと同じくらい楽しく刺激的なことなので、声をかけてもらえるのは本当に嬉しい(さすがに自分から声をかけるのはウザがられるからできない)。来年も期待しています、と言われ、毎度1年を乗り越えるのが精いっぱいの身としては、何もまだ考えられないけれど、もし少しでもお客さんにセレクションが面白いと思ってもらえているのであれば、これ以上のモチベーションはない。本当に、本当に、心の底から感謝です。

ここまで書いて、13時。空き時間終了。この続きを書くのはいつになるだろう?ということで、クロージングセレモニーの本番に行ってきます。

(上を書いてから、約27時間経過)

いやあ、終わった! 過去27時間をダダっと振り返ってみる。31日の午後から。

・13時半、ゲストが劇場に到着。バックパネルの前で、作品チームごとに記念撮影。僕はその仕切りのお手伝い。

・14時、デンマーク大使へご挨拶。『地雷と少年兵』が受賞をしたものの、監督や役者たちは既に帰国をしていたので、デンマーク大使館へ代理受賞をご相談したところ、大使自らお見えになってびっくり。同僚とともにお迎えし、段取り説明。

・14時半、クロージングセレモニー開始。僕は劇場の通路で傍聴。

・16時半、セレモニー終了。劇場の外に出て、残念ながら受賞が叶わなかった作品の監督や関係者にご挨拶。とはいえ、かける言葉はあまりないのだけど、「残念でしたっ! でも参加してくれて本当にありがとうございます」と何度もご挨拶。

・17時、セレモニー後に受賞者は記者会見や個別の取材で拘束される。彼らが待機している場所に行き、おめでとうと祝福する。グランプリを受賞した『ニーゼ』のホベルト・ベリネール監督は本当に優しい人格者の固まりのような人で、そして長らく映画と格闘してきた人なので、受賞はとても嬉しい。喜んでいるのを見ているだけで幸せになれる。

(写真は、『ニーゼ』のホベルト・ベリネール監督とブライアン・シンガー審査委員長)

監督賞を受賞した『カランダールの雪』のムスタファ・カラ監督も、人が変わったように喜んで笑顔を爆発させて、とても嬉しい。実は、上映素材(DCP)の仕上がり具合に納得がいっていなかったようで、上映後は落ち込んでいたらしいのだ。数日前のスクリーン7でのQ&Aの時も、表情が暗かったのはそのせいだったみたい。観客の反応がとてもよかったことから、その後の気分は回復してきたようなのだけど、受賞ということで全ての苦労が報われた結果になり、本当によかった! あの映画を見た人であれば、撮影と製作の苦労が容易に想像できるはず。

受賞した『スリー・オブ・アス』には来日がなく、同じく『地雷と少年兵』でゲストが帰国してしまっていたため、クロージングに作品関係者がいなかったのは残念。作品招聘とゲスト招聘というのは本当に難しく、オープニングからクロージングまで12日間ずっと来日してもらえたらそれが一番ラクなのだけど、さすがに12日間空いている監督やゲストというのはそう多いわけではない。ここは毎年の課題だ。それでも、観客賞、監督賞、グランプリ、の監督が出席できたというのはとても大きい。ああ、でも『ニーゼ』の主演のグロリア・ペレスさんには会いたかったなあ。一日も早く公開が決まり、取材来日しますように。

・18時、空腹に耐えきれなくなり、事務局にもどり、最後のお弁当をペロリ。酢豚弁当美味なり。

・18時半、会見場周辺でゲストやスタッフと立ち話。

・19時、猛烈に眠くなったので、一般導線から死角になっている劇場内のベンチで一瞬仮眠を取る。5分後か10分後か分からないけど、意識がもどったら、見違えるように元気復活。睡眠の仕組みは不思議だ。

・19時半、WOWOWさんの取材を受ける。カメラが廻るのだけど、顔が死んでるだろうなあと思いつつ、別に顔で商売しているわけじゃないからいいか…、と開き直って映画祭の総括的なコメントをしゃべる。とはいえ、まだまだ総括できるわけもなく、あまり面白い話ができた気がしない。使ってもらえるだろうか。

・20時、クロージングのパーティーに出席。ここではまだウーロン茶。あっちウロウロ、こっちウロウロで45分くらい滞在。

・場所を移動し、作品ゲストでプライベートな打ち上げパーティーへ。これは映画祭に作品を出品した関係者のみの打ち上げで、映画祭の感想や受賞の感想などを語り合っていくうちにあっという間に時間が過ぎてしまう。もちろん、映画祭の裏のハイライトとなる時間。

僕はついにパーティーでビールを解禁! ああ、五臓六腑に染みわたるうまさ。でも、あっという間に酔っ払ってしまうので、セーブしながらちびちび。審査員の大森一樹監督や大森立嗣監督、トラン・アン・ユン監督、渡辺真起子さん、ベント・ハーメル監督などと、作品の感想について話す。ハーメル監督には、作品選定の全体の傾向についてどう思ったか聞いてみる。

ブライアン・シンガーさんは、取材で、「過去に審査員で参加した映画祭の中で、最もバラエティに富んだセレクションだった。リンゴとオレンジを比べる難しさがあった」と発言している。コメントの前半は褒めているようでいて、後半は苦言とも取れる。いや、僕だって『フル・コンタクト』と『神様の思し召し』を比べろと言われたら困る。でも、作品のタイプは違うけれど、監督の才能や技量や野心や気合いは比べられるはず。どうだろう。

で、ベント・ハーメル監督は概ね好意的だった、気がする。この方向でいいのかな。と酔いの回り始めた頭で考える。

・23時、お開き。海外ゲストのみんな、そして日本映画スプラッシュの監督たちと別れを惜しむ。今泉力哉監督、渡辺紘文監督、吉野竜平監督らと別れる頃には、かなり僕はヘロヘロになっており、まともなご挨拶も出来なかったかもしれない。ごめんなさい…。打ち上げ、必ずやりましょう。

・なんだかんだで店の周りでウダウダしていたので、六本木の映画祭事務局に戻ったのは0時過ぎ。海外ゲストの皆さんはサルサ・バーに行ったらしい。一緒に行きたいけど、作業が残っているし断念。ま、行ったところですぐに撃沈は目に見えているけれど。職場に行き、事務局の撤収作業。自分の机を片付け、荷物を段ボールに詰める。当然、動作はのろい。事務局に残っているスタッフたちと、記念写真をパチリ。

・1時、スタッフが集まっているだろう近くの店に行き、軽く打ち上げ。同僚たちと話しつつ、隣のテーブルにはWOWOW審査員のみなさんも飲んでいたので、『カランダールの雪』選定の背景などを伺う。そして、みなさんに、ラインアップに幅があり過ぎて困らなかったか?と聞いてみた。どうやら、そんなに不評ではなかったらしいのだけど、えっと、どういう話になったのだったけかな。ここら辺の記憶が既に曖昧だ…。

・とことん飲みたい気分ではあるものの、翌日が早いので、3時前くらいに店を出る。店ではほとんど何も食べられずとても空腹だったので、深夜営業のソバ屋に入ってソバを食べてみたら史上最強に不味く、死ぬほど後悔。クロージングの夜を不味いソバで締めるというのは、ちょっと悔しい。3時就寝。

<11月1日(Day11)>

・6時15分起床の予定が、6時45分となり、慌てて支度して外へ。酔っ払った上での3時間睡眠は、ほとんど拷問だ。ふらっふらになりながら、海外ゲストが宿泊しているホテルへ。

・7時台から、続々とゲストが帰っていく。そのお見送り。ヴェイコ・オウンプー監督以下『ルクリ』チーム、『ぼくの桃色の夢』のハオ・ジエ監督、『フル・コンタクト』のグレゴワール・コランと、ダビッド・フェルベーク監督、『家族の映画』のオルモ・オメルツ監督たち、『ニーゼ』のホベルト・ベリネール監督夫妻、『神様の思し召し』のエドワルド・ファルコーネ監督、『ガールズ・ハウス』のシャーマン・シャーホセイニ監督たち、などなど。本当に、世界中からこれだけの才能豊かで人間的にも素晴らしい人たちが集結してくれたものだと感動する。今年はゲストの当たり年だったと思う。もちろん、毎年ゲストは素晴らしいけれど、ゲストどうしが仲良くなってくれるかどうかはその年によって違いはある。今年はゲスト間の仲がとてもよかったので、全体の雰囲気もとてもよかったのだ。天気も良かったしね。

・いったん帰国の波が収まったので、13時に見送りスタッフたちと昼食。8名席に座り、久しぶりに温かい食事を前に幸せな気分になるものの、みんな話しながら寝てしまう。8名のランチで6名がその場で寝ている、という異常な光景にお店の人はどう思ったか…。

・最後の身送りは、イランの『ガールズ・ハウス』の主演俳優のハメッド・ベーダッドさん。集合時間の18時半に会ってみると、今日は鎌倉に行って黒澤明と小津安二郎のお墓を参ってきたとのこと。素晴らしい。ちょっと話が出来ないか、というのでカフェでお茶をする。イラン社会にとって難しい問題を扱う『ガールズ・ハウス』が東京で上映されたことがいかに大きな意義を持つか、を直接伝えたかったのだという。感動する。

19時にベーダッドさんが車に乗って去っていく。最後に、車の座席から我々に投げキッス。さすが、絵になる。我々の第28回東京国際映画祭は、イランの大スターによる投げキッスで幕を閉じた!

ということで、ついに、終わりました。劇場に足を運んでくれた観客のみなさまに、本当に心の奥底の、そのまた奥底から感謝します。映画を楽しんでくれたことはひしひしと伝わってきましたし、映画祭を盛り上げてくれたのは間違いなく客席です。見に来て下さっただけでも、本当に感謝です。その上、僕に声をかけて下さったり、FBやツイッターなどで激励や応援のコメントを下さった方々もたくさんいて、本当に感謝の言葉もありません。本当に励みになりました。本当にありがとうございました。

そして、このブログにお付き合い下さったみなさまにも感謝致します。グダグダの文章ばかりで、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、「楽しく読んでますよ」と声をかけて下さる方もいらっしゃり、本当に嬉しかったです。ありがとうございます!

お疲れ様でした!!
《矢田部吉彦》

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