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マーティン・スコセッシ、祝・誕生日!完成間近『沈黙-サイレンス-』への思い

主演のアンドリュー・ガーフィールドをはじめ、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈らが参戦する『沈黙-サイレンス-』。『タクシードライバー』や『ディパーテッド』などで知られる巨匠監督マーティン・スコセッシが挑んだ渾身作

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マーティン・スコセッシ/『沈黙-サイレンス-』
マーティン・スコセッシ/『沈黙-サイレンス-』
  • マーティン・スコセッシ/『沈黙-サイレンス-』
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  • マーティン・スコセッシ/『沈黙-サイレンス-』
  • 『沈黙-サイレンス-』メイキング Photo Credit Kerry Brown
  • 『沈黙-サイレンス-』 Photo Credit Kerry Brown
  • 『沈黙-サイレンス-』 Photo Credit Kerry Brown
  • 窪塚洋介/『沈黙-サイレンス-』 Photo Credit Kerry Brown
  • 浅野忠信/『沈黙-サイレンス-』 Photo Credit Kerry Brown
主演のアンドリュー・ガーフィールドをはじめ、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈らが参戦する『沈黙-サイレンス-』。『タクシードライバー』や『ディパーテッド』などで知られる巨匠監督マーティン・スコセッシが挑んだ渾身作として注目を集めているが、11月17日、スコセッシ74回目の誕生日に、先日の来日時に語った本作に込めた想いが明らかとなった。

本作は、17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描いた歴史大作。

スコセッシ監督は、遠藤周作による戦後日本文学の金字塔「沈黙」(新潮文庫刊) を、28年におよぶ構想の末、米日の実力派キャストをそろえて映画化を実現させた。

1976年、ロバート・デ・ニーロ主演『タクシードライバー』で全世界に衝撃を与え、80年には盟友デ・ニーロにアカデミー賞主演男優賞をもたらした『レイジング・ブル』、88年にはイエス・キリストを描いて大センセーションを巻き起こした『最後の誘惑』を世に送り出した。7度目のノミネートとなった『ディパーテッド』(’07)でついにアカデミー賞監督賞を受賞。その後も、映画創生期を描いた『ヒューゴの不思議な発明』(’12)、新たな盟友レオナルド・ディカプリオとの5度目のタッグとなった『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(’13)と、精力的に映画を創り続けてきた。

その一方、音楽映画にも定評があり、1978年の『ラスト・ワルツ』、ノーベル文学賞授賞で話題のボブ・ディランを追った『ボブ・ディラン ノー・デイレクション・ホーム』『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』など、抜群のセンスでアーティストたちの新たな魅力を映画に定着させている。

そんなスコセッシ監督が遠藤周作の「沈黙」に出会ったのは、いまを遡ること28年前、1988年のこと、キリスト教をモチーフにした『最後の誘惑』の撮影中で、読んだ瞬間に映画化を希望したという。「宗教というのは私の人生を色濃く色づけてきたものです。私は、たびたび作品の中で裏社会を描いてきましたが、さらにいろんなテーマを深堀りしていかなければならない、言葉ではなんとも表現できない領域に到達しなければならないと感じていました。それは“信じることとは何なのか”というテーマです」と、その当時の思いを語る。

やがて、「数年後から脚本の執筆が始まり、2006年にようやく執筆が終わりました。20年という歳月を経ていますので、その間、父になり、夫になり、そしてフィルムの修復、保存活動などを通じて、私自身もこの小説と共に成長を遂げたと思っています。そういう思いがあってやっと今回作るに至ったのです」。

原作にある深遠で複雑なテーマや、権利関係をめぐる調整など、映画化にはとにかく時間がかかったという。また、その撮影の中では、「山中や海など、さまざまなロケ地を巡りました。これが一種のキリスト教への巡礼のような体験になりました」とスコセッシ監督。「それでも、信じるということは、いまでも、劇中のロドリゴ(アンドリュー)やフェレイラ(リーアム・ニーソン)のように試練と感じるときもありますし、自然と享受できるものではない。自らが欲して勝ち取らなければならないものだと思います。人は日々考えたり、書いたり、映画を作ったりして、人間とは何なのか、人間とは良い存在か、悪しき存在なのかということを考えていますが、その過程が、信ずるとは何なのかを探る過程なのだと思います」と、本作の製作過程こそ巡礼の旅路のようだったと語る。

さらに、「『沈黙』のストーリーが私の心をつかんでやまないのは、異文化の衝突を描いているからです。信ずるという信仰を心底分かるためには、ありとあらゆる衝撃を通過しなければならないのです。そしてこの物語において、やはり(日本という)異文化の中にキリスト教を持ち込むわけですから、少しずつ削っていかなければならないわけです。そして削っていく行為こそ、その神髄に至る過程なのだと思っています」とも語っている。

「こんな想いで作った私の最新作を、早く皆さんにご覧いただきたいと願っています」と、メッセージを贈るスコセッシ監督。人間にとって本当に大切なものは何か、というテーマに挑み、28年の時を経た本作の完成は、間近に迫っている。

なお、本作の前売券は11月19日(土)より全国の公開劇場ほかにて発売開始。劇場窓口購入特典は、劇中写真がデザインされたオリジナルしおり(4枚セット)となっている。

『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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