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【MOVIEブログ】2017ベルリン映画祭 Day2

10日、金曜日。5時45分起床(時差ぼけ継続中でまだ早く目が覚めてしまう)、パソコン少し開いて、7時朝食、8時に会場に行って明日の一般上映のチケットを数枚確保して、9時からの上映へ。気温はマイナス5度くらいで晴れ。突き刺さる冷気で目が覚める!

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10日、金曜日。5時45分起床(時差ぼけ継続中でまだ早く目が覚めてしまう)、パソコン少し開いて、7時朝食、8時に会場に行って明日の一般上映のチケットを数枚確保して、9時からの上映へ。気温はマイナス5度くらいで晴れ。突き刺さる冷気で目が覚める!

メイン会場で行われるコンペのプレス試写で(マスコミ優先だけど僕のようなマーケット登録者も入れる)、ハンガリーのイルディコ・エンエディ監督『On Body and Soul』(写真)からスタート。エンエディ監督は89年にカンヌのカメラドール(新人賞)を受賞しているベテランで、僕は過去作を未見だけれどもハンガリーの実力派監督と呼んでいいのではないかな。ちなみに女性監督。

牛の屠殺所長の初老の男性と、新たに着任した若い品質検査官の女性との奇妙な交流の物語。動物の生死というデリケートな背景に、孤独な男女が共通の夢を見るという不思議な設定を絡めた一種のファンタジーで、端正な画面と繊細な感情描写がうまく馴染んでなかなか悪くない。もうひとひねり欲しかった気はするけれど、全体の世界観は好き。

続けて同じ会場で列に並んで、12時からまたコンペのプレス試写で『The Diner』というアメリカ映画。監督のオーレン・ムーヴァマンって誰だっけと調べてみたら、『メッセンジャー』(’09)や『ランパート』(’11)などが日本でも紹介されていた。ああ、なるほどそうだったか。99年の『Jesus’ Son』の脚本も手掛けていて、当時とても好きな作品であったことを久しぶりに思い出す。

今作は、リチャード・ギア、ローラ・リニー、スティーヴ・クーガン、クロエ・セヴィニーなどが出演していて、事件を起こしてしまった息子たちをかばうかどうかで議論する親たちのシリアスなディスカッションドラマ。メンタルな問題を抱えるスティーヴ・クーガン、子どもの未来のためなら正義を曲げることも厭わないローラ・リニー、スキャンダルを恐れる政治家のリチャード・ギア、それぞれの演技は見ごたえあり。でも個々の演技が映画全体の面白さまにまで届いていないかな…。僕はローラ・リニーを見ているだけで幸せなのだけど。

会場を移動して、「パノラマ部門」で『From the Balcony』というノルウェーのセルフ・ドキュメンタリー作品へ。妻と二人の子どもに恵まれて幸せに過ごす30代後半の男性が、かつてスター俳優になりたかった夢を思い出し、人生とは何かを考察していく映像エッセイ。まっとうな撮影機材を用いていることと、様々な思考の過程をアニメで表現するパートを挿入するなどの構成も面白く、とても小さい作品ながらもどこかスケールを感じさせる作品で、これはなかなかの良作ではないかな。

続いて「フォーラム部門」で『For Ahkeem』というアメリカの作品。セントルイスの黒人コミュニティーに暮らす17歳の少女の日々を追ったドキュメンタリー。素行不良で高校を退学になり、児童裁判所の指導で特別学校に通いながら卒業を目指すものの、本人の性格の問題に加えて環境の悪さも手伝い、ままならない青春を送ることを余儀なくされる厳しい現実が描かれる。まっとうな作品なのだけど、黒人英語(という言葉が適切かどうか自信がないけど)が全く聞き取れず、ストレスを感じてしまう。英語が得意な人でもなかなか聞き取れないはずで、こういうときは英語映画であっても英語字幕を付けてくれないものかなあと強く思う…。

18時20分からまた「フォーラム部門」で『Animals』というスイス映画へ。タイトルから自然ものかと勝手に想像していたら、ホラー風味(というか心理スリラー風味)の奇妙な愛憎劇で、ツイストが効いた展開がなかなか面白い。

終わって20時。さすがに空腹で、ショッピングモールのインド料理スタンドでサフランライスのビーフカレーを食べて大満足。

22時から、コンペ部門だけど賞の対象にはならない「アウト・オブ・コンペティション」扱いの『T2 トレインスポッティング』へ。出張で見るには少し気が引けてしまうのだけど、ちょっと自分に許してしまう…。

ユアンが来ていなくて少し残念だったのだけど(ロンドンで大規模なワールド・プレミアを実施済みで、今日のベルリンの上映はインターナショナル・プレミア)、ダニー・ボイル監督、ジョニー・リー・ミラー(カッコいい)など来場で盛り上がる。前作のファンにはたまらない内容なのではないかな。これまたコックニー訛りの英語が全然聞き取れなくて悲しいのだけど、それが気にならないくらい楽しい。ユアンの魅力もさることながら、ロバート・カーライルのキレっぷりも健在でサイコー。日本でも4月公開なので、余計なことは書かないようにしよう。

上映開始が20分押したこともあり、終映が0時半。それから監督たちが登壇して、あらためて挨拶。舞台挨拶が0時半なんて、同じことを東京でやったら僕は職を失いかねないので羨ましい。東京は終電問題があるからしょうがないけれど…。

ふうー。ホテルに戻って1時。ブログをバタバタと書いて2時。おお、いつもの映画祭ペースになってきた!
《矢田部吉彦》

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