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『ビニー/信じる男』のマイルズ・テラー、自信と努力でできた正直者な男の素顔とは?

交通事故で瀕死の重傷を負いながら、奇跡のカムバックを果たしたボクサー、ビニー・パジェンサを描いた『ビニー/信じる男』。80年代に活躍した実在の世界ジュニアミドル級チャンピオンを演じているのはマイルズ・テラーだ。

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マイルズ・テラー-(C)Getty Images
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交通事故で瀕死の重傷を負いながら、奇跡のカムバックを果たしたボクサー、ビニー・パジェンサを描いた『ビニー/信じる男』。80年代に活躍した実在の世界ジュニアミドル級チャンピオンを演じているのはマイルズ・テラーだ。

マイルズは『ラ・ラ・ランド』のダミアン・チャゼル監督の出世作『セッション』(’14)に主演、一流ジャズ・ミュージシャンになりたい一心で、スパルタ音楽教師のパワハラ指導に必死で食らいつく青年を演じて一躍脚光を浴びたが、今回も“再起”という厳しい目標に取り憑かれた男を熱演。首を骨折し、選手生命はもちろん、日常生活さえままならない状態から、文字どおり血のにじむ(原題はBleed for This)努力でリングを目指す。

かなりナルシシストが入った性格だが、思い込んだら人並み外れた努力を厭わない。ビニーや『セッション』で演じたニーマンに共通する資質は、マイルズ自身にも当てはまる。「みんなが想像するより、自分の外見はいいと思ってるんじゃないかな」(「Esquire」誌2015年9月号にて)と自らイケメン宣言をしたこともある。そして役作りでは『セッション』でのドラム演奏、『ビニー/信じる男』のボクシング・トレーニングや減量など、どれも短期間で結果を出さなければならなかったが、立派にクリア。ハードルが高いほど燃える性格なのは明らかだ。

今年30歳のマイルズは名門ニューヨーク大学のティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツを卒業後、『ラビット・ホール』(’10)でニコール・キッドマンの相手役に抜擢されて映画デビュー。子どもの頃から俳優を目指していたわけではなく、高校の演劇クラスの先生が美人だったのが全ての始まりというのだから、思わぬきっかけで隠れた才能が花開いたタイプ。

あまりに恵まれたスタートを切ったおかげで、怖いもの知らずなのか、大胆な発言が誤解を呼ぶこともしばしば。「みんな、いい映画に出演するときにすごく頑張るものだと思うようだけど、それは違う。駄作だったときに頑張るんだ。なんとかその映画がうまくいくようにするためにね」(ポッドキャスト「Happy Sad Confused」2016年3月16日出演時にて)と、誰も口にしない映画作りの本音をぶちまけたり、率直すぎる発言の数々でしょっちゅう物議を醸している。『ダイバージェント』シリーズのシャイリーン・ウッドリーや『ファンタスティック・フォー』のケイト・マーラやマイケル・B・ジョーダンなど、同世代の共演者たちとも友人だが、基本的には同業者よりも有名になる前からの関係を優先していて、華やかな交流はあまりない。

SNSはツイッターの公式アカウントが主たる発信の場。長年交際中のモデル、ケリー・スペリーとのラブラブなツーショットを中心に、家族や友人と過ごすプライベートの様子も垣間見える。6月には友人たちとパーティで泥酔、そのまま路上を千鳥足で歩き回り、警察に逮捕されたことも。当人はすぐにツイッターで「逮捕はされてない。犯罪で告発される証拠がなかったから」と主張、「読んだものを全部信じないで。特に第三者によるエンターテインメントのニュース・ソースはクリックを稼ごうとするだけだから。心配してくれて感謝します」と胸中をツイートした。


ちなみに『ビニー/信じる男』でビニーの再起を助けるトレーナー役のアーロン・エッカートとは、『ラビットホール』で共演している。マイルズは、交通事故でアーロン演じる男性の幼い息子を殺してしまう少年を演じた。5年ぶりの再会に、「vanityfair」のインタビューでアーロンは「彼はすっかり変わった。自信に満ちて、意見をはっきり言うし、コントロールできている」と評する。「当時から彼は技術をどう磨いていくかを追究し、いい人たちと仕事をすることを考えていた。彼はちゃんと実行している。うれしいよ。誇りに思う」。

仕事への情熱と信念を曲げない意志の強さは、まさにビニーそっくり。あちこちに衝突しながらも、まっすぐで正直な心はそのままにキャリアを築いていってほしい。多くの経験を重ねた10年後、20年後の風貌を見るのが楽しみな俳優なのだ。
《冨永由紀》

好きな場所は映画館 冨永由紀

東京都生まれ。幼稚園の頃に映画館で「ロバと王女」やバスター・キートンを見て、映画が好きになり、学生時代に映画祭で通訳アルバイトをきっかけに映画雑誌編集部に入り、その後フリーランスでライター業に。雑誌やウェブ媒体で作品紹介、インタビュー、コラムを執筆。/ 執筆協力「日本映画作品大事典」三省堂 など。

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