■「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」とは?
本作は、遠藤さん扮する刑事・諸井情が連続殺人犯を追うサスペンスドラマの撮影現場が舞台。ドラマの撮影は滞りなく終わったと思いきや、トラブル発生で撮り直しに!? だが、共演者はすでに現場にいない…。そんな中、急場でオファーするのはたまたま現場の近くにいた名俳優たち。
同じ物語の同じ役を、違う役者が演じたらどう変わるのか。サスペンスドラマとして撮影されたテイク1と、名俳優たちが暴走しまくり、コメディドラマへと様変わりしてしまうテイク2が展開される。
■遠藤憲一×宮藤官九郎のタッグについて――
今回WOWOWオリジナルドラマ初脚本となる宮藤さんは、この2テイク展開について「テイク1は壮大な前振りのつもりだったんですけど、遠藤さんはテイク1も本気で芝居をされていて。こっちもちゃんとやるんだ、と思ってビックリしました」と明かし、「遠藤さんもゲストの方々も、普段はテイク1の方を真面目にやられている方たちなんですけど、テイク2では、本気でふざけたことをやっているからすごいなと思いますよね」とふり返る。
また今回なぜ主演を遠藤さんにしたのかを聞いてみると、「やはり“勉強させていただきます”という姿勢は大切だなと思うんです。遠藤さんなら僕と一緒に“勉強になりました”と言ってくれそうだなと思ったんです。遠藤さんはどんなバカなことを書いても全力でやってくれる」とその人柄にあったようで、「最初に打ち合わせをした時に、刑事もので情にもろい、という設定でいこう、となったんですが、わりとその段階で完成形が見えていたのかもしれません。そういう設定さえあれば、ゲストに誰が出ても遠藤さんは受けとめてくれるんだろうなと思いました」とコメントした。
そんな宮藤さんの脚本を面白いと絶賛する遠藤さんは、「俺はまず台本の段階でゲラゲラ笑っていたから。そういうことってあまりないんです。ただ台本がこれだけ面白いと、このクオリティーは落としちゃいけないと思う。これは本当にプレッシャーでしたね」と面白すぎるが故、不安もあったのだとか。
■「一緒にやったことがない人がいい」――豪華ゲストのキャスティング理由
本作には、小栗旬、仲里依紗、加藤諒、高畑淳子、野村周平、水野美紀、高嶋政伸、桃井かおりと豪華ゲストたちが登場するのも大きな見どころの一つ。
そんなゲスト陣に関して宮藤さんは、「できればこれまであまり一緒にやったことがない人がいいですと。これも勉強だと思って、だからいろいろな人の名前をあげてオファーをしました」とその経緯を語る。
また、出演ゲストが決まってから台本を書き始めたと言い、「その人のイメージに合わせて書いたんですが、あまり知らない方だからこそ自由に書くことができたというのがありますね」とも。
■とにかく面白い! 実際の撮影の様子は…
基本的に受け芝居だと語る遠藤さんは、「ゲストの方々がものすごいところから台本にプラスアルファしたエネルギーをブッこんでくる。ただでさえ台本の段階でゲラゲラ笑っているのに、それが実際に音になると本当に面白くて。笑いを耐え抜いたところもあれば、もうどうしようもなくてノックアウトされて吹き出してしまったところもありますね。これはもう泣いたり、笑い転げたりとか、俺がゲストに振り回されるような作品でもいいのかなと思いました」とゲストのまさかの演技がさらに笑いを増長させたようだ。
また、「今までは、ワーッと来たものに(同じように)ワーッと返していたんですけど、今回は相手から来たままの状態で、ということをテーマにやった。そういう台本にもなっていましたからね。それは難しかったですけど、すごく勉強になりました。この年になってそういうことを学ぶとは思わなかった。俺にもまだ伸びしろがあったんだなと思い、新しいチャレンジをさせてもらいました」と新鮮な体験だった様子。
一方で、「普通のドラマと違った緊張感がありました」と現場の様子を語る宮藤さんは、「何かがあった時の遠藤さんのリアクションが、他では見たことがない感じだったんですよ。台本に『……』と書いてある時は、本当に『……』という芝居になっているなと。今は本当に言い返せなくて、言葉が出ない『……』なんだろうなと」と明かし、「遠藤さんもいい人なら、諸井もいい人だから。その場では言えないんだろうけど、たぶん家に帰ってから荒れるんだろうなというようなことが想像できる。そういう遠藤さんは新鮮でした」と話しており、今作ではまた新たな遠藤さんが見られるようだ。
「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」は11月12日より毎週月曜日深夜0時~WOWOWプライムにて放送(全7話/第1話無料放送)。