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【MOVIEブログ】2019カンヌ映画祭 Day7

20日、月曜日。6時半起床。昨夜1時半就寝だったので、きっちり5時間寝られて、もう気分爽快。そして外に出ると、久しぶりに晴れた!

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"Portrait of a Lady on Fire" (c)Pyramide Distribution
20日、月曜日。6時半起床。昨夜1時半就寝だったので、きっちり5時間寝られて、もう気分爽快。そして外に出ると、久しぶりに晴れた!

気分も上々にメイン会場に向かい、8時半から、コンペでフランスのセリーヌ・シアマ監督新作『Portrait of a Lady on Fire』(写真)へ。

時代は18世紀後半、フランスの島を舞台にした愛の物語。女性画家マリアンヌが、修道院を出ていまは島の屋敷で暮らすエロイーズの結婚用ポートレートをその母親から依頼される。しかしエロイーズは結婚を望んでおらず、画家に描かれることを拒絶している。マリアンヌは身分を隠して友人としてエロイーズに近づき、部屋で記憶を頼りにポートレートを描き始める…。

画家役に新進のノエミ・メルラン、そしてエロイーズ役に売れっ子のアデル・エネル。ふたりが距離を縮めていく様子が非常に丁寧に描かれていく。

とてもシンプルな物語であるけれども、旬の役者の魅力を最大限に引き出すことと、島の自然や空間を最大限に活用することで、小細工なしの堂々たる愛の物語として見る者の胸に迫ってくる。とても、とても胸を揺さぶられた。風格さえ漂う、素晴らしく美しい出来栄えだ。

次のコンペはテレンス・マリックなのだけど、ついにチケットが取れなかった。再上映のチャンスで挽回できますように(とても評判がいいので見なければと焦る)。

予定を組み直し、12時から「批評家週間」のフランス映画で『I Lost My Body』というアニメーション作品へ。

病院から人間の手首が逃げ出し、様々な障害を乗り越えて移動を続ける姿が描かれる一方、もとの持ち主がいかにして手首を失うに至ったかが語られる。

手首の視点というだけであまりにもユニークだけど、元の持ち主の青春/成長物語でもあり、手首が持ち主を探す過程と、持ち主の「自分探し」の過程とが重なる構成で何とも上手い。ビターでありつつ希望も伴う終盤に至る展開も鮮やかだ。日本はアニメ大国だけど、海外のこういうドラマ・アニメが紹介されにくいのがいつも残念でならない。映画祭が頑張らないといけない…!

13時半に上映終わり、簡易タイ料理屋さんでグリーンカレーを頼んだら30分かかると言われて凹む。簡易じゃないじゃないか…。かわりに牛肉炒めとチャーハンを食べて、これでは中華だ。それでも昼食が食べられるのはありがたい。

14時半から18時までミーティング。今日は晴れて気持ちいいと思いきや、いきなり雨が降ってきて、今年は油断がならない!

18時から上映に戻り、「監督週間」のブラジル人監督による作品で『Sick,Sick,Sick』へ。

高校生のシルビアは、最愛の恋人が病死したショックで衰弱してしまう。心配した親が環境を変えようと南部の島でしばらく過ごすことになるが、島でも奇妙な出来事が起こる…。

オカルトホラーものかと思いきや、かなり予想は外れ、より形而上的でコアなアート作品だった。現実と夢の区別がなくなり、時間と場所も混沌とする中で、死者は常に我々とともにいるのだ…。トランス状態を映画に練り込む監督の個性は紛れもなくユニークで、死者との交流を描くことがひとつのトレンドとなっているブラジル映画界で独自の世界を築いていくに違いない。要注目の才能。

外に出ると強い雨。しかし15分後くらいに止む。

会場を移動して、「監督週間」のメイン会場に行き、20時半からの作品に19時30分から並ぶ。昨日に引き続き、長蛇の列だ。去年はこんなことはなかったのだけど、「監督週間」の入場システムを今年は変えたのだろうか…。案の定、1時間並んだけれども入れず。並んだ上映に入れなかったのは何年振りだろう!まあ、しょうがない。映画祭とはそういうものだと割り切って、切り替えるしかないのだ…。

ということなので、本日見た上映は以上の3本のみ。3本だといかにも少ないし、徐々に話題作に追いつけなくなっている…。明日から挽回しなくては。

さて、22時から、毎年恒例の映画祭対抗DJ合戦に今年も参戦!スウェーデンのヨーテボリ映画祭が主催するクラブ・パーティーで、パーティー途中で映画祭対抗DJコンテストがあり、昨年はじめて東京国際映画祭も誘ってもらい、見事準優勝したのだった!今年もめでたく招待されたので、カンヌ中の唯一のお楽しみパーティー企画に参加した次第!

参加するのは、ロッテルダム、カンヌ・マーケット、カルロヴィ・ヴァリ、トーキョー、スカンジナビア映画連合、トライベッカ、サラエボ、ベルリン、カンヌ「批評家週間」、イスタンブール、という顔ぶれ。各チーム、2曲限定で合計6分まで、という縛りで、盛り上がりを競うルール。昨年は3曲だったのに今年から2曲というのはなんとも難しい。

みんな当然EDMが主流だけど、僕はオールドスクールなので、ファンク系とロック系で攻めたい(というかそれしか出来ない)。でも、実は電気で行きたかったのだ。最近スマホを買い替えたこともあって音源が手元になく、ネットでも買えなくなっており、ああ、こんなところに影響するとは…。そして悩みぬいた!

22時に海岸沿いの会場へ向かい、気持ちを高めるべくビールを頂き、23時からDJコンテストスタート。トーキョーは4番目。いよいよ本番で、盛り上がったとは思うのだけど、ちょっと僕の選曲が時代から外れていたかな…。選んだのは、Speedometerの「Return to Palmetto」と、ザ・ジャムの「Heatwave」。ファンク横乗りからのモータウンカバーのパンクロック・バージョン。

今年の優勝はサラエボ映画祭。確かにカッコよかった!トーキョーは残念ながら賞に絡めず、とても悔しい。これから1年かけて準備しよう。やはり、誰もが知っている曲を入れるのがコツだ!自分が好きなだけではいけない、というのは映画祭の作品選定と全く同じだ。反省点が分かったので、来年こそは勝ちに行く!

0時半くらいまで踊って、スカッとしてホテルへ。ブログを書いて、今日は1時過ぎに寝ます!
《矢田部吉彦》

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