映画界のサラブレッドが“よくある”物語に果敢に挑戦『ブロークン・イングリッシュ』
大都会に暮らしている。仕事ではそれなりに成功している。周りには既婚者が増えてきた。家族から結婚を心配される。男性と付き合ってもなかなか上手くいかない。年齢は30代に突入している。結婚したくないわけではないけれど(むしろしたいけれど)、人生を共にしたい男性にめぐり合えない…。これらほとんどに当てはまる女性、いや全てに当てはまる女性は世の中に驚くほど多く、だからこそ“結婚適齢期”の女性を題材にした映画やTVドラマがどの国でも頻繁に作られている。しかし、驚くべきは、そんな“よくある”テーマに映画界のスーパーサラブレッド、ゾエ・カサヴェテスが挑んだこと。ジョン・カサヴェテスを父に、ジーナ・ローランズを母に、そしてニック・カサヴェテスを兄に持つゾエが、“よくいる”女性の内面に寄り添ったことに嬉しい驚きを覚えた。