『皇帝ペンギン』リュック・ジャケ監督来日インタビュー

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昨夏の『ディープ・ブルー』の大ヒットから1年、フランスから新たな幸せと感動を届けてくれるネイチャー・ドキュメンタリー『皇帝ペンギン』がやってきた。動物園や図鑑でしか見たことのなかった皇帝ペンギンの知られざる生態に初めて映像のメスを入れたリュック・ジャケ監督が映画よりひと足先に来日。作品に込めた思いを語ってくれた。

190cmを超える大男のジャケ監督。そのたくましい体躯には厳しい自然と向き合ってきた経験が刻まれている。動物生物学の博士号も持つ監督はこれまで数々の動物ドキュメンタリーを手掛けてきた。今回テーマとしてペンギンを選んだ理由は、「彼らの人生そのものに感動したからだ」と言う。「ペンギンにとって最も大切なことは種の存続だ。そのために危険を冒す彼らの行動を通して生命の脆さと貴重さを感じとってほしかったんだ」。

本作は映像としてはドキュメンタリーでありながら、語り口は物語の形式をとっている。そのねらいについて監督はこう語る。「僕が学者から映画監督になったのは、語り手としての立場にいたかったからなんだ。僕は映画を通じて人々に夢を見てもらいたいと思っている。それを叶えるためにはまずストーリーありきなんだ」。

南極ではフランス基地に滞在した監督は、結果的に約5か月の期間をかけてペンギンたちの出産・育児をカメラに収めたという。過酷な状況下での撮影では事前にスケジュールを立てることすら困難だったそうだ。「気候の変化に柔軟かつ実践的に対応しなければならないから、常にスタンバイ状態でいなければならなかった。相手が自然と動物となると、撮影方法をタイプ化することは不可能だね」。

実は本作の撮影中に次女が生まれた監督。そのことは映画づくりにどのように影響したのだろうか。「確かに、もし子供がいなければこのような作風にはしていなかったかもしれない。子供は残虐性に敏感だからね。次女が生まれてからはよりストレートに物語を語ろうと思うようになったよ」。

劇中には数多くのペンギンたちが登場する。熾烈な生存競争を生きぬいた母ペンギン、父ペンギン、子ペンギンはその中からたった1羽の相手を見つけ、再会を果たす。親ペンギンが次の年も同じ相手とカップルになる確率は50〜60%だという。この数字を高いと見るか、低いと見るかは個人差があるかもしれない。しかしながら、さすがの監督も全てのペンギンの判別はできなかったとのこと。我こそは、という方は劇場の大スクリーンでぜひ挑戦してみては?
《text:cinemacafe.net》
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