『世界』ジャ・ジャンクー監督来日インタビュー

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弱冠30歳過ぎにして、ベルリン、ベネチア、カンヌの世界3大映画祭を制した監督がいる。その名は賈樟柯(ジャ・ジャンクー)。あの巨匠マーティン・スコセッシまでも「君の映画は素晴らしい。私はみんなに君の映画を見るように薦めている」と絶賛する、中国の新世代を担う監督だ。

“北京を出ないで世界を回ろう”、そう謳う北京郊外の「世界公園」が映画『世界』の舞台だ。実在するこのアミューズメント・パークにはエッフェル塔やピラミッド、タージ・マハールなど、世界各地のモニュメントがミニチュアサイズで並ぶ。主人公タオは世界公園で働くダンサー。華やかな舞台とは裏腹に、将来に対して漠然とした不安を抱えている。

「最初はとにかくオリンピックに向けて邁進する北京を撮ろうと思いました。特に僕の出身地のような辺鄙な田舎から都会に出てきた人たちが、建設ラッシュの中でどのように生きているかに興味あった。ちょうどその時、タオ演じるチャオ・タオが深センの世界公園でダンサーとして働いてたという話を聞き、映画の舞台を世界公園に決めました」。

「世界公園はまるで今の中国の社会を予言したかのような世界に見えました。そこは閉じられた世界であり、パスポート無しでどこの国にでも行ける。一種とても開放された世界なのですが、実際その閉じられた空間に世界が集中してるわけです。それは今の閉塞感溢れる中国に似ていると思いました」。

主演のチャオ・タオはデビュー作である『プラットホーム』を始め、賈樟柯作品には欠かせない存在だ。「前の作品でもそうでしたが、今回はダンスをする役柄だったので、ダンスの経験のあるチャオ・タオを起用しました。彼女の魅力はイメージが“普通の中国の女性”というところ。また毎回役柄に向けて、全身全霊で取り組んでくれるというところも素晴らしい。彼女の才能はちょうど花開きだしていて、将来性をとても買っています。次回作でも70年代の看護婦役を演じてもらいます」。

「ずっと映画を撮るにあたって頭においていることは、世界には差異よりも共通点の方が多いということ。今中国で起きていることは30年、40年前日本で起きたことかもしれない。北京でも日本でもパリでも同じことが起きて、同じ気持ちの人がいる。だからこそ僕の作品はいろいろな国で受け入れられていると思います」。1作ごとに国際的評価が高まる賈樟柯監督。いろいろな国に行くようになって、この思いをますます確信するようになったという。

美しく、切ない余韻が残る『世界』』。監督の独特な世界を本作で堪能してほしい。
《text:cinemacafe.net》
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