春を待ちながら…幸せになる映画 vol.4 人を愛する幸せを感じて。『リトル・ランナー』

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『リトル・ランナー』 サブ1
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今回の切り口は「からくち」。いつもは、映画にまつわる気になる点を、ちょっと厳しくツツいています。でも、「春を待ちながら…幸せになる映画」というテーマを掲げた今月。このテーマで、どうして辛口のことなど言えるでしょう。幸せな気分にさせてくれる映画なら、ちょっとぐらいの「?」や「!」なんて、どうでもいいや。今回は、そんな姿勢で行きたいと思います。

というわけで、『リトル・ランナー』。父の戦死後、たったひとりの身寄りだった母親が、病で意識不明となってしまったラルフ少年の話です。この少年、かなり悲劇的な状況にいるにもかかわらず、母の容態急変を機に、ボストンマラソン優勝を目指すことに。「母親が病気であることとマラソンをすることに、いったい何の関係があるの?」と思う人もいることでしょう。その秘密は、失意のラルフ少年に、看護婦がかけた言葉に隠されています。看護婦は医者が言った「奇蹟でも生きなければ彼女は目を覚まさないだろう」との言葉をそのままラルフに伝えます。そこで素直な彼は、じゃあ、マラソンに優勝するという奇蹟をぼくが起こしちゃおう!…と思いつくというわけ。「なんでマラソンだったのか、他にも何かあっただろう」、とか、「『リトル・ランナー』だなんて、『リトル・ダンサー』のパクリ?」などとツッコミたくなる気持ちは忘れて、ラルフの健気ながんばりをぜひ見守っていただきたい。最初は、「そんなバカな」と思う人もいるかもしれません。近頃は、マラソンを始める人も多く、その過酷さを肌で実感する人も多くなってきているようですし。

それでもやがて、奇蹟を信じ、どんなに周囲にバカにされようと信念を貫くラルフの強さにぐいぐい引き込まれていくのがわかるはず。そして、いろいろな疑問が心によぎってしまったとしても、最終的には、「いい話じゃないか!」と納得できると思うのです。子が親を思う気持ちをすがすがしく描いた本作で、人を愛する幸せを感じてみてくださいませ。

《text:June Makiguchi》
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