新年度に新スタートをきる! 背中を押してくれる映画 vol.2 世界一ジャージの似合う男に学ぶ、『ブロークン・フラワーズ』流変身術

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「ジャージ」=「トレーニングウェア」というのは過去のことなのだそうです。ご記憶の方もいらっしゃるでしょうが、今年の初めに、第1階ベスト・ジャージスト賞というものが発表されました。“2005年でもっともジャージが似合う男女著名人”を一般からの投票と、その結果をもとにベスト・ジャージスト実行委員が選び出すというものです。結果は…若手のタレントに加え、モー娘系の女子で作ったフットサルチームGatasBrihantesH.P.の皆さん、格闘家の武蔵、そしてサッカー選手の宮本恒靖が受賞! でも、しっかりスポーツ選手が絡んでいるあたりに、「やっぱりジャージって、トレーニングウェアだよね」という認識を強くしてしまった私。なんだか不思議な賞なのです。





でも、私が投票していたならば、間違いなく、海外部門で選んでいたであろう人。それは、『ブロークン・フラワーズ』にも素敵なジャージ姿で登場したビル・マーレイでしょう。最近見たジャージ姿の中では、ピカいち。哀愁が漂っていて、スポーツ=元気という構図をはらんだジャージのイメージを、全く無視した感じがなんともいえません。若作りがよけい老いを感じさせてしまうように、男の無気力さがよけい浮き彫りに。スタイリッシュな家に住んでいるのに、着ているのはいつもジャージの上下。この無頓着な感じも、主人公の“人生どーでもいいよ”的な投げやり感がじんわり。監督はジム・ジャームッシュ。そのファッションセンスに、オフビートな感性が鋭く反映されているのです。

ちなみに、ビルの役どころは、ITで大稼ぎし生活には困らないながらも、どこか情けない元プレイボーイ。そんな彼の元に、「実は19年前にあなたの子供を生みました」などという、差出人不明の手紙が届くわけです。おせっかいな隣人にあおられて、彼はしぶしぶジャージを脱ぎ捨て、人生の忘れ物を探す旅へと出かけます。でも、後ろ向きのようなその旅が、実は人生のあたらな可能性を感じさせてくれたりして…。





過去に忘れ物をしてきた!という人は意外と多いはず。でも、それを整理してみることで、実は新しい一歩を踏み出せるのかもしれません。世界一ジャージの似合う男が演じる寂しい叔父さんの変化を見ながら、あなたも心のジャージを脱ぎ捨てたくなるのかも。


『ブロークン・フラワーズ』
配給:キネティック
劇場情報:4月29日よりシネマライズ、シャンテ シネほか全国にて公開
《text:June Makiguchi》
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