『カーズ』ダーラ・K・アンダーソン来日インタビュー

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『Mr.インクレディブル』から1年半。満を持して、ディズニー/ピクサーから最新作がやってきた。その主人公はなんと“クルマ”。『カーズ』はクルマが人間のように生活する世界を舞台に、都会育ちの人気レーサーが迷い込んだ田舎町で、忘れていた思いやりや優しさを取り戻していく様子を描いた、心あたたまるファンタジーだ。なぜピクサーアニメがこれほど世界中の人に愛されているのか? 今回もヒットとなることまちがいない本作の製作をつとめたカーラ・K・アンダーソンに話を伺い、そのヒントを探った。



そもそも、ニモ(『ファインディグ・ニモ』)やサリー(『モンスターズ・インク』)など、過去の人気キャラクターと比べて、命のない“クルマ”を最新作に選んだことを意外に思った人も少なくないだろう。実は、ラセター監督の父は自動車販売員で、これまでアニメと同じくらい車に情熱を傾けてきたそうだ。しかし、本作は車好きのための映画ではないと、アンダーソンは語る。

「考えてみれば、おもちゃだって命があるわけではないですよね。でもおもちゃのように車は『かわいい!かわいい!!』って抱きしめることはできない。やっぱりそこが違うと思います。私は車好きな方ではないし、男の子でもそこまで車に興味がない人が結構いるわけです。実は監督の奥様、ナンシーさんがこの企画を聞いたとき、『他の人達も楽しめる作品を作ってね』とおっしゃったんです。つまり、世の中は、車好きだけじゃない、私達のように車が好きでない“その他大勢”も楽しめる映画を作ってね、と。それ以来、スタッフはこの課題のことを“ナンシーファクター”と呼び、常に念頭に入れて何度も打ち合わせを繰り返しました。」

このように時間とスタッフの愛情がそそがれ、生まれた『カーズ』。アンダーソン自身本作をつくる上では、クルマに感情を持たせ、観ている観客も感情移入できるキャラクターにすることに最もこだわりを持っていた、という。

「映画が始まって10分、ないし20分たつと、車ということを忘れ、まるで人間のように見えてくると思います。外見は車かもしれませんが、それがこの映画の魔法。演技の良さかもしれないし、キャラクターデザインや表現豊かな目の動きかもしれない。理由はともあれ、映画を見ていると、車とかいう認識はなくなり、物語に入り込めると思います。」



もちろんピクサーアニメはストーリーのオリジナリティや、絵のクオリティ抜きには語れないが、ボイス・キャストも毎回楽しみのひとつ。今回、主人公のライトニング・マックィーン役に起用されたのは、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』の個性派俳優、オーウェン・ウィルソンだ。

「彼の声には独特のニュアンスがあります。普通の若手人気俳優とはちょっと違う要素を持っている。彼はライターでもありますし、とても頭のいい方です。彼の声の質は、このキャラクターにとても合っていると思いました。すごく自信に満ちていて、時々ちょっと自信過剰かなと思わせますが、それが決してネガティブではない。自信過剰で嫌気がさす人もたくさんいますが、中にはそれが1つの魅力で、女の子が『かわいいな』って思うような人もいますよね。オーウェンはまさにそうなんです。ちょっとかわいい。愛嬌があるんですね(笑)」

最後に、アンダーソンが思うピクサーの魅力について伺った。

「先ずピクサーは監督主導のスタジオなんです。監督が脚本を書いて、自分が伝えたい物語を伝える。だからこそ、監督自身がすごく思い入れや情熱を持って映画を作っているわけです。ですから、本当に作りたい映画だけを作っている。仕事として作らなければならない作品というのは1つもないんです。そこがとても重要なことだと思います。同時に、アーティストを常に応援している体制作りを大切にしています。」

作品を本当に愛している人が作っているからこそ、いい映画が生まれる。アンダーソンの言葉ひとつひとつの中から、作り手の愛情をしっかりと感じた。『カーズ』を観て、ぜひその想いを改めて体感してほしい。



『カーズ』
監督:ジョン・ラセター
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
劇場情報:7月1日より日比谷スカラ座ほか全国にて公開
(C)Disney / Pixar
《text:cinemacafe.net》
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