『ハードキャンディ』エレン・ペイジ来日インタビュー

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昨年のサンダンス映画際で、低予算ながらも、その巧妙なストーリーと過激な描写で、観客をあっと驚かせた1本の映画がある。日本で起こった“オヤジ狩り”事件にインスピレーションを受けて作られたという『ハードキャンディ』だ。

14歳の少女は出会い系チャットで知り合ったフォトグラファーとカフェで落ち合う。男はそのキュートな魅力に一目で惹きつけられ、自宅に誘う。これがいつもの手口なのだ。そのことに少女は全く気付く様子もなく、無邪気に振舞っていたが、実はこれは全て少女が仕組んだ罠。薬によって眠ってしまった男が目が覚めたときには、キッチン台に縛り付けられ、むき出しになった股間は氷で冷やされていた。少女は言う、「切る前に消毒しなくちゃ」。赤ずきんのオオカミ狩りが始まったのだ。

密室の男女というシンプルなシチュエーションで繰り広げられるスリリングなやりとりは、観る者の心を掴み、最後まで釘付けにする。少女と男、強者と弱者の立場が逆転していく展開の中で、どちらが善でどちらが悪なのか、本当の事を言っているのは…? 観客の心理は路頭に迷ったままラストを迎える。

その中で最も目が離せないのは、少女、ヘイリーを演じたエレン・ペイジの怪演。17歳(撮影当時)とは思えない表現力で、天使と悪魔の両面や、感情の起伏を見事に演じきっている。公開前に来日した彼女に話を聞いた。

「10代の少女の感情の起伏をここまで描いたものはなかなかないから、脚本を読んだとき、とても心惹かれた」というエレンは、自らビデオテープを作り、オーディションを受けたという。それが監督の目に留まり、直接会って見事この役を獲得。撮影期間たった18日間というハードスケジュールをこなした。複雑な役柄であるため役作りはかなり難しかったのではという質問に対しては、「彼女は賢くって、社会に対しての大きな怒りを抱えている。それを行動に移す対象としてあの男選んだ、という認識で臨んだ」と、意外にもシンプルな考えで取り組んだという。完成した映画を観て「撮影中は完成形をまったく想像できなかったけれど、時には少女に賛同したり、と思ったら男に同情したり。結局観客はどちらにも入り込めないまま、ラストで放置されてしまう。複雑な気分にさせる希少な映画だわ」と満足そうな笑みを浮かべていた。

小細工なしの演技で、怒り、哀れみ、誘惑、共感、という残忍さと妖艶さを備えた表情ができるとは、未来の大女優を予感せざるを得ない。秋には『X-MEN:The Last Stand』も控えており、将来仕事をしてみたい日本人監督を尋ねるとすぐに三池崇史の名前をあげ、『オーディション』の「キリキリキリキリ…」のモノマネをしてくれた。

今回が初来日となった彼女。日本については「すべてが美しく、清潔」と気に入った様子。ハーフベジタリアンなので、野菜と魚を中心に食事をセレクトしていたようだ。エコにも興味があるらしく、「これは古着屋さんで1ドルだったの」というボーイスカウト風のシャツを着てインタビューに応えていた。こういった普段からのスタイルが、彼女の内から滲み出る透明感に繋がっているのかもしれない。

『ハードキャンディ』=赤ずきんが仕掛けるオオカミへのゲーム。男性陣は、心して観るべし。


『ハードキャンディ』
配給:クロックワークス、ファントム・フィルム
劇場情報:8月5日よりシネマライズにて公開
《text:cinemacafe.net》
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