“あの香り”を嗅いでみたい『パフューム ある人殺しの物語』レビュー

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生まれながらにして天才的な嗅覚を持つ主人公グルヌイユは、ある日、運命の香りと出会う。全ての香りを形にしたいと願い、パリ随一の香水調合師のもとにも弟子入りするグルヌイユ。そして、“あの香り”を香水にするために恐ろしい事件を巻き起こしてしまうのだった。愛を知らずに生まれ、香りに取り憑かれ、少女たちの命を摘み取る男──しかし、純粋な動機であるがゆえに憎めない、究極を求める情熱がゆえに憎めない…この『パフューム ある人殺しの物語』はそんな不思議な感情をもたらす映画である。

原作はスピルバーグ、スコセッシという名だたる監督が映画化を望んだベストセラー。その面白さを今さら語る必要はないのだが、観終わった後に“あの香り”を嗅いでみたいという執着にも似た感情を抱くことに驚くだろう。おいしそうな料理を食べてみたい!と思うことは多々あっても、どうしても匂いを感じたいと切望してしまう映画はそうめったにないもの。嗅覚の味わえないスクリーンを通して描かれているからこそ、なおのことそそられてしまうのだ。

また、共演のダスティン・ホフマンに「10万人に1人の才能」と絶賛されたグルヌイユ役のベン・ウィショーがたまらなく色っぽい! 異常な殺人鬼に芸術性を感じ、愛を注いでしまうのは彼の魅力あってこそ。危険すぎる香りと新鋭ベン・ウィショーの魅力に酔いしれる──まさに“香り高き”作品である。

《text:Rie Shintani》

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