「天海さんのことをなるべく、嫌なうるさいお母さんだって意識するようにした」林遣都『バッテリー』インタビュー

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総勢3,000人もの子供たちが全国各地から集まった『バッテリー』のオーディション。その中から見事、主人公の原田巧役を射止めたのが林遣都。端正な顔立ちに、どこか凛としたオーラを放つ彼は、すでにスターの輝きに満ちているが…実は「オーディション中もどうして自分がここにいるのか、よく分からない状態でした」と言うから驚く。「この作品の大きさを理解して、プレッシャーを感じ始めたのは共演者の男の子たちと会ってから。みんなの役への思いや、このオーディションに賭けていた意気込みを聞いてる時に、単純に彼らの話に感動してる自分がいたんです(笑)。それから徐々にプレッシャーが大きくなって、いざ撮影に入るといっぱいいっぱいでした。巧って役のせいもあるけど、あえてみんなと距離を置こうとしたし、結構撮影中はピリピリしてたかもしれない。嫌な人だったかも!?」

確かに巧という男の子は、一筋縄ではいかない複雑なキャラクター。病弱な弟を溺愛する母親(天海祐希)との確執、天性の野球の才能を持ちながら、その奥には深い孤独を抱えている…。「巧は実際の僕より年下の役だけど、尊敬できる面がたくさんありました。家の中で、家族とあんまり会話もなく、母親に反抗する巧の気持ちは僕にも分かるんです。僕も彼ほどじゃないけど、反抗期らしきものはありましたし。思わず母親にあたってしまったり、きついことを言ってしまうのはすごく分かる。演じてて、ちょっとスカっとするっていうのはありました(笑)。逆に家の外での巧は、すごいなって尊敬するんです。中1でこれだけ夢中に打ち込めるものを見つけられて、それに向かってものすごい努力をする。こんな出来上がった中1はなかなかいないと思う」
演じていての発見も、日々あったとか。
「巧は、実際弟のことを大好きなんだろうな〜とか、撮影中に日々新しい巧の感情を発見できました。もしかしたら、すごく恥ずかしがり屋の一面もあるんじゃないかなとか。あと後半は展開がシリアスになっていって、セリフが少なくなるんですけど、心の中で台本にないセリフを自分なりに思い描いて演じたりしてました」

同世代の役者はもちろん、大人のベテラン俳優陣との共演も大いに刺激になった様子。
「まだ大人の俳優さんと合流する前だったんですけど、沢口役の米谷真一くんがすごくいい演技をしたんです。普段はふざけまくっているような子なのに、役になるともう別人で! 僕が初めて尊敬した役者は、米谷真一だなって今も思ってます。大人の俳優さんたちは…僕にはまだ分からない領域というか(笑)。ほんとすごいんですよね。天海さんも実際はとてもそんな風には見えないのに、撮影中はうるさいお母さんにしか見えないし、岸谷(五朗)さんも実際はマッチョですごく強そうなのに(笑)、本番中は弱いお父さんそのもの。なんだか、体まで小さく見えたりして。菅原(文太)さんも、地元のおじいさん?ってくらい、はまってました。でも天海さんとは、僕は戦うつもりでやりました! なるべく、嫌なうるさいお母さんだって意識するようにして…」
そんな母親との和解とも取れる、ある感動的なシーンについては「映像が、僕が最初に脚本を読んで想像した通りになっていたので、すごく不思議な気持ちになった」とも。

それにしても本格的映画初出演にして、数ヶ月にも及んだ“地獄の野球特訓”をくぐり抜け(ちなみに彼は野球経験者ではあった)、初主演というプレッシャーと戦い続けた林遣都。撮影中にも「これでいいのかな?」と、常に不安を抱いていた彼を見透かすように、滝田洋二郎監督はこう言葉をかけたと言う。「お前はこのままで大丈夫。俺を信じろ!」——。
「監督にそう言われて、すごくホッとしたのを覚えてます。監督はインする前は、ビシバシしごかれて本当に怖かったけど(笑)、撮影に入ってからは優しかった」
そんな監督とキャストの絶対的な信頼関係のもと、初主演を務め切った林。完成作を観た時は…。「素直に感動しました。最初のグラウンドのシーンを見ただけで、全身に鳥肌がたちました!」
子役たちの曇りのないまっすぐな演技、そしてそれを支え、受け止めるベテラン陣の安定した存在感。世代を超えた、温かな涙が溢れ出す『バッテリー』。オススメです!

(text:Kaoru Endo/photo:Yoshio Kumagai)
《text:cinemacafe.net》

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