「映画と音楽の結婚が成された」ケネス・ブラナーがオペラ「魔笛」を映画化

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『魔笛』のケネス・ブラナー監督が来日
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モーツァルトにとって生涯最後の、そして最高傑作ともいわれるオペラ「魔笛」。完成以来200年にわたって受け継がれてきたこの不朽の名作を、早くから英国演劇界の至宝と期待を集め、衝撃の映画監督デビュー作『ヘンリー五世』など古典の映画化も手がけてきたケネス・ブラナーが満を持して映画化。5月14日(月)、来日したブラナー監督の記者会見が開かれた。久々の来日となるブラナーだが、開口一番日本語で「こんにちは」。前回の来日時のエピソードを織り交ぜながら「大好きな日本に戻って来れてうれしいです」と笑顔で語ってくれた。

俳優・演出家として数多くの演劇に参加してきたブラナーだがオペラ作品を手がけるのは今回が初めて。「決してオペラの大ファンだったというわけではなく、(オペラに対し)実はちょっとした距離がありました」という。また本作では主要なキャストはオペラ歌手であり、映画での演技は初めて。監督、キャストそれぞれにとって初挑戦という点の難しさについて「お互いに『何か怖いなぁ』という気持ちを持っていました。この“畏れ”の存在が自分とキャストをひとつの絆にまとめてくれたと思います。お互いに謙虚であったからこそ、非常に誠実な映画作りがすることができたんです」とそれがプラスに作用したと語る。普段の舞台にはないCGも使った映像世界と楽曲の融合は、オペラ作品の映画化として非常に楽しみなところだが「序章のオープニングのシーンで、自分にとっても映画と音楽の結婚・融合というのが成されたのではないか、そこで『魔笛』の持つ複数のテーマを表現することが出来たのではないか、と自負しております」と自信をのぞかせた。

会見を通してブラナーは、「魔笛」が元来持っている誰もが楽しめる“大衆性”といつの時代も受け入れられる“普遍性”を強調。物語の舞台を、第一次世界大戦の最中としたことについても「そもそも『魔笛』の持ってる世界観というのが、どんな設定でもできる、あるいは作り手にそういったものを委ねる、そういう作品なんですね。物語の中心に軋轢、摩擦、抗争があり、ハーモニー——もちろん“調和”という意味のある言葉ですが——文字通り音楽的なハーモニーを通してその解決をみる。第一次世界大戦の時代というのは非常に叙事詩的でスケール感も大きいですし、ロマンスやアドベンチャーの要素もあります。これが、『魔笛』の持つ本格的な物語とマッチするのではないか? ということで選んだんです」と説明した。

戦争を題材とすることについては、現在進行中の戦争を意識した点があるのでは、との質問も出た。「こうした質問が出ること自体、『魔笛』が200年もの間、多くの方に舞台化され、様々な解釈を持って描こうと思いたくなる要素を持っているということの証明」と語り、「軋轢、戦争というものが描かれていますが、同時にその戦争をどのように解決するかが描かれている。愛が憎しみに、光が暗闇に、平和が戦争に打ち勝つ、という面を持っている」とその思いを説明してくれた。

近年、俳優よりも監督としてのウェイトが大きくなってきたブラナーだが、監督と俳優業の兼任については「監督業だけをしている方には『他の監督の仕事も見てみたい』とよく言われますし、自分の作品の俳優からは『監督が俳優としての洞察力を持っていることがとてもありがたい』と言われます。ほかの監督が仕事をしている姿を見て、そこから学ぶことができる、それは両方やっている特権の一つだと思っています」。そして「そろそろ、(現在の監督業と俳優業の)バランスを崩そうかな…」とも。最後に、友人が語ってくれたという感想を引き合いに「みなさん、意識はしてなくても『魔笛』の楽曲、ご存知だと思います。シリアスな部分はあるけど笑って泣ける作品です。主人公たちが大人になっていく様子を楽しんでくれたら」と日本の観客へメッセージを贈ってくれた。

『魔笛』は7月、日比谷シャンテシネ、テアトルタイムズスクエアほか全国にて公開される。
《text:cinemacafe.net》
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