中村勘三郎「一発勝負なのにセリフ忘れまして」 『研辰の討たれ』シネマ歌舞伎に登場

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『野田版 研辰の討たれ』の舞台挨拶に登壇した中村勘三郎
  • 『野田版 研辰の討たれ』の舞台挨拶に登壇した中村勘三郎
  • 一発勝負の撮影による本作の自身の出来には苦笑い
  • シネマ歌舞伎の新たな可能性について強い期待を口にした
舞台上で公演中の歌舞伎をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するという試みで、新たな歌舞伎の楽しみ方として注目を集める「シネマ歌舞伎」。演劇界の天才・野田秀樹を演出に迎えて2001年と2005年に上演され、大好評を博した「野田版 研辰の討たれ」がこの「シネマ歌舞伎」で東劇ほか全国にて公開中である。1月16日(水)には主演の中村勘三郎が上映前の舞台挨拶に登壇した。

2001年の初演時には、歌舞伎座で史上初というスタンディングオベーションが起こった「野田版 研辰の討たれ」。勘三郎さんは本作が出来上がった経緯をこう語る。「野田とは同い年ということもあって前から仲良くしてまして、以前からずっと『歌舞伎を書いてくれ』と言ってたんです。そうして『研辰』をやることになり、脚本が届いたのは二日酔いの朝だったんですが(笑)、読んでみると面白くて面白くて。つくづく幸せだな、と思いました」。野田さんの演出について勘三郎さんは「シンプルであり、ひとつのセットで全てを表現してしまうんですね。野田のアイディアで幻燈を使ったんですけど、あれを稽古で見たときに『この公演はいける』と確信しましたね」と称賛する。公演の場所を伝統ある歌舞伎座としたことについても「最初はどこでもいいと言ってたんですが、野田と銀座で飲んだときに、深夜に歌舞伎座に守衛さんのところから忍び込みまして(笑)。舞台上からの景色を見せてやったら野田が感動しましてぜひ歌舞伎座で、と決まったんです」と明かしてくれた。

「シネマ歌舞伎」という新しい試みについて勘三郎さんは「まだまだやり始めたばかりで、これからもどんどん変わっていくと思います。いろいろと工夫して、普段の劇場では見えないようなアングルからも見られるようになったら面白いですね。歌舞伎を見たことがない人にも楽しんでいただき、決して歌舞伎の敷居は高くないということをわかってもらえたら嬉しいです」と期待を口にした。

もっとも、本作における自身の出来に関しては満足していない様子の勘三郎さん。「撮影は一発勝負だったんですけど、セリフを忘れたりして最後の方はグチャグチャになってまして、ちょっとひどいんです」と苦笑い。本作に続いて山田洋次監督の演出による「連獅子」、「文七元結」も撮影が行われ、同じく「シネマ歌舞伎」として秋の公開が予定されているが「こちらの方はありがたいことに4回ほどカメラを回していただいてますので、よいものがお見せできると思います」と笑顔で語った。勘三郎さんに今年の公演の予定を尋ねてみると「4月には(坂東)玉三郎、(片岡)仁左衛門と一緒に歌舞伎座で、5月にはベルリン、それからルーマニアで歌舞伎をやらせていただきます。8月には再び野田と歌舞伎をやりまして、10月と11月には浅草寺に“平成中村座”を立てて『忠臣蔵』とN.Y.でもやった『法界坊』をやろうと思ってます」とまさに目が回るような忙しさ。それでも勘三郎さんは「まだ詳しいことは言えませんけど面白いものが出来ますよ」と目を輝かせながら語ってくれた。

シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』は東劇ほか全国にて公開中。
《text:cinemacafe.net》
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