深すぎる愛で結ばれた母子に人間の本質を見る『美しすぎる母』トム・ケイリン監督来日

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『美しすぎる母』来日会見にて ケイティ・ルーメル氏(左)とトム・ケイリン監督(右)
  • 『美しすぎる母』来日会見にて ケイティ・ルーメル氏(左)とトム・ケイリン監督(右)
  • 『美しすぎる母』 -(C) Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production
  • 『美しすぎる母』トム・ケイリン監督
大富豪ブルックスと結婚し、富と名声、そして理想の家族を手に入れたバーバラ・ベークランド。だが、彼女は最愛の息子の手によって命を絶たれた——。実在の事件を基に、母と息子の悲劇を繊細に描き、昨年のカンヌに賛否両論をもたらした衝撃作『美しすぎる母』。5月に控える公開に先立ち、トム・ケイリン監督とプロデューサーのケイティ・ルーメルが来日、4月18日(金)に行われた記者会見に出席した。

本作が監督2作目となるケイリン監督。元々ビジュアル・アーティストとして活躍する監督ならではのこだわりが、本作では、とりわけ主人公・バーバラが着る色とりどりの衣裳に見られる。「登場人物の内側にあるものを表現するのに、衣裳は重要な存在です。今回は、バーバラの感情を表現するだけでなく、彼女がたどった“過程”を見せるためにも意識的に使いました」と語る監督。「“色”によって物語を伝えることが作品づくりの根本にあるんです。また、スペインでオペラの衣裳をデザインしているガブリエラ・サラヴェッリに衣裳を手がけてもらっていますが、オペラ的なものも感じられるのではないかと思います」だそうだ。

監督曰くスペイン・バルセロナでの撮影ロケは挑戦だったという本作。ルーメル氏が築1,000年の城での撮影を「ここで撮影できたことは本当に素晴らしい体験でした。幽霊からの訪問もありました(笑)」とふり返ると、ケイリン監督も海でのシーンを挙げ「(設定上の)1966年には存在しえないヌーディスト・ビーチでして…とにかく裸の人が画の中に入らないようにどいてもらいました」と、異国でのエピソード話は尽きない様子だった。その仕上がりはいかに?

母子を怪演した2人、監督をして「この人しかいない」と言わしめたジュリアンと、彼女の息子・アントニーに成りきったイギリスの新鋭エディ・レッドメインについては「本能のままに自然な演技を見せるジュリアンと、演技に対する分析を重ねるエディ。2人の間には素晴らしい化学反応が発生しました」と絶賛した。劇中では、そんな2人の極端なまでの家族の愛が描かれるが、ストーリーの深部にある「なぜ、母は息子に殺されたのか?」という点については「不幸なことにアントニーは、ナルシスティックな性格をもつ母に巣立つことを許されなかった。それゆえに母と子の愛情深い関係が、時を経て破滅的な関係に変わってしまったのだと思います。だから、母の死をもって2人は解放されたのでは…」と分析する監督。これから映画を観る人々へ「母は息子に殺されたのか、それとも母が息子を道具にして自殺したのか、考えていただければ」と問いを残した。

『美しすぎる母』は5月下旬、Bunkamuraル・シネマにて公開。
《text:cinemacafe.net》
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