ファッション小噺vol.102 もしかしてコスチューム・プレイ?『罪とか罰とか』

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『罪とか罰とか』 -(C) 「罪とか罰とか」製作委員会
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演劇好きの方にはおなじみの、鬼才として知られる演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチが、成海璃子主演で3作目の映画を監督しました。聞いただけでも脱力しそうなそのタイトルは、『罪とか罰とか』。ロシア文学界の巨匠ドストエフスキーの不朽の名作をおちょくっているのかと思えば、まるで意識すらしていないようなこの作品。ケラ殿自慢のブラックユーモアや微妙なユルネタ、“なんでこんなところにこの人が”的な怖いもの知らずのキャスティング、ふざけているようでいて巧妙に入り組んだ構成、奇想天外なのになぜかしっかり落ち着くエンディングなど、見どころはいっぱい。でも私は、今回ここに注目しました。ずばり、コスチューム・プレイです。

主人公は成海演じる売れないグラビアアイドル、円城寺アヤメ。一緒にスカウトされた冴えない友人は、大変身の末、少し自分より売れていて、かなり焦りを感じています。そんなとき、ひょんなことから一日警察署長に就任することに。挨拶をしてマスコミ対応をしたら午前中で終わりという軽い仕事…だったはずが、その日の夜中の12時まで、しっかり陣頭指揮を執らされることに。アヤメのとんでもない1日は、いったいどんな結末を迎えるのか。そして、彼女のグラドル人生はいかに! というわけで、本編の半分以上は制服姿です。

成長のなせる業なのか、最近ちょっとふっくらし始めた成海璃子が見せる婦人警官姿は、“お好き”な人にはさぞたまらないことでしょう。確かに制服ってなかなかいいもの。誰が着てもそれなりに似合ってしまうし、きりっと引きしまる。制服姿が素敵だけれど、私服になるとダッサダサという人もいるようですので、制服マジックなるものは確かに存在するのでしょう。

アイドルといえば、ある意味ではコスプレするのがお仕事。一日警察署長としての制服も、グラビア撮影の際のビキニも同じなのかもしれません。そう考えると、芸能界そのものがコスプレを生業としている人の集団といえるでしょう。他者になりきる仕事も多いこの業界。制服系のドラマ(警察もの、医療もの)が人気なのも、コスプレのせいなのかもしれませんね。ただ、一日署長の際のコスプレって(この場合、決してプレイではないのだけれど)、ドラマのときと違ってちょっと現実味があって、生々しいのがポイント。タレントや役者としての素の部分を残しながら、コスチュームを着るという恥ずかしさが、役を演じるのとは違った体感をもたらすせいでしょうか。(そんなちぐはぐ感を残して、制服を着て、アヤメを演じている成海璃子がまたすごい!)

それにしても、一日警察署長の仕事は若い女の子ばかりが目立ちます。個人的には、20後半〜40代前半のイケメン俳優あたりにも、もっと署長になってほしい。もっと、生々しい制服姿を見せてほしいのです(って、この願望が、あまりにリアルすぎて自分で書いていて生々しいのですが)。まあ、この映画で描かれる“一日警察署長”と“芸能界”の黒い関係を本気にするなら、お気に入り俳優にはあまりやってほしくないという気持ちも生まれますが。さて、その黒い関係とは? 知りたいならば、ぜひ映画をご覧ください!

《text:June Makiguchi》

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