世界の映画館vol.29〜アジアの旅〜 ミャンマー・お坊さんが違法DVDを選ぶ?

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様々な映画を観ることができるヤンゴンの街の映画館 photo:Ishiko
  • 様々な映画を観ることができるヤンゴンの街の映画館 photo:Ishiko
  • 映画文化が生活に根付く、ミャンマー photo:Ishiko
世界で映画館が一番多い国はアメリカ、2位がインド…ならば世界で映画館が一番多い街はどこなのだろう。ミャンマーはヤンゴンの街を歩きながら、なぜかそんなことを考えた。自分が予想していたより映画館の数が多かったからかもしれない。ヤンゴン中央駅の近くだけで映画館は4、5館ある。シネコンタイプの映画館もあるが、それぞれが独立したどこか懐かしさの残る映画館もある。大きなイメージポスターが張られている映画館もあれば、手描きの看板で描かれている映画館もあり、ハリウッド映画、インド映画、ミャンマー映画とこの街では様々な映画を観ることができる。中には韓国映画を特集している映画館もあった。

入場料は500チャット(約50円)程度から1,000チャット(約100円)程度と席によって値段が変わる。インドと同じように2階席の方が1階席より値段が高くなる。少しヤンゴンの物価に触れておくと、僕がよく行っていた屋台のコーヒー1杯が300チャット(約30円)、ミャンマービール(モンドセレクションの金賞を受賞したこともあり美味いビールである)1本が1,000チャット(約100円)程度である。

人が流れ込んでいく光景に吸い寄せられるようにインド映画が上映されている映画館に入った。『イージーライダー』のインド版のようなバイク旅のロードムービーだった。そういえば少し前にマレーシアのペナン島で観たインド映画も車旅のロードムービーだった。インド映画に欠かせない歌と踊りはいつものようにあるのだが、そこに「旅」という要素が加わることが主流になりつつあるのかもしれない。 

翌日はミャンマー製作の映画を観ることにした。意外かと思われるかもしれないが、ミャンマーでは映画が結構、製作されており、日本でも2年ほど前からミャンマー映画祭なるものが東京で開催されている。今回観たミャンマー映画は、まるで結婚式の披露宴で流しているホームムービーのようなアットホームな雰囲気が客席に漂わせていた。そして、まさに映画の内容も結婚式に至るまでのラブコメディだった。前日のインド映画とは予算も全く違うのだろうが、客の入りはあまり変わらないように思えた。きっとアットホームな映画もミャンマーの人々にとっては生活に欠かせないのだろう。

映画館を出ると若い太ったお坊さんが露天でハリウッド映画が10作品程度入っているDVDを選んでいた。間違いなく違法コピーのDVDである。入っている作品を一つずつチェックしながら舌打ちしている。「何だよ。これ観た作品ばっかりじゃねぇかよ」とでも吹き出しをつけてあげたかった。お坊さんと違法コピーのDVDと舌打ちというセットに、どこか微笑んでしまう。映画という文化がこの街の生活の中に入り込んでいることだけは間違いなさそうだ。

《photo / text:ishiko》
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