【文豪を演る】インタビューvol.3 塚本高史 as 芥川龍之介 天才肌の軽妙な“魔術”

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「魔術」 塚本高史
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文学史に名を刻む巨匠たちの作品群の中から、作家の“素”の部分が最も顕著に表れると言われる短編作品にスポットを当てて映像化。旬の俳優陣が主人公≒作家を演じる注目のドラマシリーズ「BUNGO-日本文学シネマ-」がTBSでの放送に続き、現在BS-TBSにて放送されている。知らぬ者のいない文豪・芥川龍之介の作品の中から映像化されたのは、その文章からヒタヒタと奇妙な空気感が伝わってくる「魔術」。塚本高史が“芥川の怪作”とも称されるこの作品の主人公、すなわち芥川本人に扮し、その微妙に揺れ動く内面を見事に抽出している。放送を前に塚本さんに話を聞いた。

文豪・芥川龍之介を演じるということはどのようなものだったのか? こちらのそんな問いに対し、塚本さんからは「芥川と聞いても、芥川を演じようとは思わなかった」という何とも興味深い答えが返ってきた。
「僕は、演じる上でその人が誰であれ、あまり意識はしないんです。演じるのは自分。“誰を”演じるということよりも、台本の中に生きているものや共演者との掛け合い、監督との話し合いの中で生まれてくるもの、現場の空気を大事に演じたい。言葉ではうまく言えないんですが、台本から得たインスピレーションを基に現場で膨らませていく感じですね。文字で書かれているものを『実際に生身の人間として動くならこんな感じかな?』といった具合に、役柄と自分が半分ずつくらいのところから少しずつ役に近づいていく。役の方も僕に近づいてきて、現場でそれが100%、120%になるイメージかな」。

主人公はあるインド人から魔術を習うのだが、その魔術を使うには“欲”を捨て去らねばならない。無心と物欲のはざまで揺れ、欲深さをある種、正当化さえしようとする人間の一面が軽妙に描かれるが、塚本さん自身、共感する部分は?
「まず、この主人公にある種の純粋さを感じましたね。奥手で、言葉では思いを表現できない人間が何かひとつを——ここでは魔術ですが——習得することで、やっと自らの心の内を表に出そうとする。それこそが人間なんじゃないか? と共感する部分はありましたね」。

人間の内面をえぐり出す——。そう聞くと何やら重苦しさを感じるが、先にも述べたようにこの作品におけるその表現は“軽妙”という言葉に尽きる。特に、主人公と村上淳扮するインド人の魔術師が対峙するシーンはほぼ、コメディである。
「そもそも、あのインド人がムラジュンさんだって分かんないでしょ! 本人にそう言ったら『分かんないからいいんだ』って言ってて、やっぱかっこいいな、この人って思いましたね(笑)。芝居に関しても、台本読んでもワケ分かんなかったし、どういう意味でこの言葉があって、どう返せばいいのかさっぱりだった。いきなり『おっぴろげです』(※魔術師=村上さんのセリフ)とかね(笑)。やっぱり、現場に入ったら意味とか関係なくて、分かってないのにあのやり取りの中で、自分の中から自然に言葉が出てくるような不思議な感じでした」。

数年前まで“若手俳優”として、「木更津キャッツアイ」に代表されるような青春群像劇への出演のイメージが強かった塚本さんだが、近年では役柄も作品のジャンルもぐっと幅広さを増したようにも思える…。こちらのそんな言葉にうなずきつつ、今後やってみたいことについて口を開いた。
「逆に“いま”だからできる男たちの群像劇をやってみたいですね。『木更津…』が青春だったとしたら、もうすぐ28になろうとしている僕や同世代の奴ら、これ(『BUNGO』シリーズ)にも出てる成宮(寛貴)や(佐藤)隆太と一緒に、いまの僕たちにしかできなものが作りたいですね」。

最後に「BUNGO」シリーズに因んで、塚本さんの最も印象的な“読書体験”を教えて!
「僕、基本的に小説って読まないです。なぜなら、台本からインスピレーションを受けて映像化するのが僕の仕事なので。僕にとって小説を読むということは文章を自分の頭の中で想像を膨らませて映像化するということ。プライベートで同じことをしようとは思わないです。あえて挙げるなら漫画かな。男なのでヒーローものが好きです。中でも『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社刊)は“絶対的”な存在ですね」。

飄々と、自らのペースで役柄に身を重ねていく塚本さん。これまでの芥川のイメージとはひと味違っており、それでいて見ていて妙に納得してしまう…まさに魔術のような“怪演”に注目してほしい。

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<BS-TBS>
毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定
「魔術」は2月27日(土)18:30より放送

BUNGO-日本文学シネマ- 魔術
価格:2,993円(税込)

BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX
価格:13,125円(税込)
発売日:6月19日(土)

公式サイト:http://www.bungo.jp
《text:cinemacafe.net》

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