『ヘヴンズ ストーリー』忍成修吾インタビュー 「この仕事が好きなんだなと実感した」

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『ヘブンズストーリー』 忍成修吾
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  • 『ヘブンズストーリー』 -(C) 2010ヘヴンズ プロジェクト
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全9章で4時間38分。現代の邦画としては異例の長さで完成した、瀬々敬久監督の『ヘヴンズ ストーリー』。少年によるある殺人事件と、この事件で運命を大きく変えることになった人々の姿を描き出す。忍成修吾が演じたのは、物語の全ての始まりと言える、理由なき殺人事件を犯す青年。どのような思いでこの作品に臨んだのか? その胸の内を尋ねた。

映画を観て気づく人も多いと思うが、忍成さん演じるミツオが犯す殺人事件は実際に起こった、少年によるある殺人事件をモチーフにしている。映画では実際の事件と同じ部分も異なる部分もあるが、その点も踏まえミツオという役をどのように作り上げていったのだろうか?
「僕自身、最初に読んで『ああ、あの事件か』と思いました。演じるに当たって、ミツオが犯すこの事件に対して『なぜ?』を考えようとしたけど理解できる範囲でもなく、共感できる部分もなくて…。何より、最初は“犯罪者”としてこのミツオという人物を見ていましたね」。

映画ではミツオが出所し、ひとりの女性の元に引き取られてからの姿が描かれる。山崎ハコ演じるこの恭子の存在が、ミツオという人物を手繰り寄せる上で大きかったという。
「まずこの作品が、1週間ほど集中的に撮ったらその後、数か月空いて、忘れた頃に監督から山のように脚本が送られてくる(笑)、というスタイルで…。その脚本のト書きに、人物の心情が小説のように細かく綴られているんです。そこから少しずつ、ミツオの人間性を感じるようになっていきましたね。それから恭子さんとのやり取りの中で人物について考えたとき、少しずつ見えてくるものがありました。ミツオは恭子さんに対して不思議な愛情を抱いている。それが恋愛なのか? 家族のようなものなのか? 母親に対する愛情なのか? 最後まで分からなかったけど、確かに愛していることは分かった。恭子さんが彼に向ける目線と、世間が向ける目線の違いもあって、そこで彼の気持ちは確実に揺れたと思うんです。そういう他人との接触の中で生じる気持ちの揺れなどから、彼の人間っぽさを出せればいいな、と思いました」。

作り手の強いメッセージが込められた作品としては、忍成さんの名を一躍、有名にした『リリイ・シュシュのすべて』('01)ともどこか似た空気を感じさせる本作。そう伝えると「僕も『リリイ…』と似た雰囲気は感じました」と語りこう続ける。
「こういう作品に出ると、この仕事が好きなんだな、と感じますね。監督さんが、心の底から作りたい作品に参加するのってやはり面白いです。すごい前向きなパワーと努力があって、やっている方も達成感や充実感を強く感じるんです。楽しいという思いが仕事とは別に生まれてくる感じ…その点もこの2作で共通しているところですね」。

『リリイ・シュシュのすべて』からおよそ10年。来年の春で30歳を迎える。心境は?
「二十歳のときもそうだったんですが、あまり自分としては変わったという感じはないんです。まあ、年をとったというのはさすがに感じますが…(笑)。ただ、10年前に姉に言われたのが『周囲があなたを見る目が変わる』ということで本当にその通りでした。それは30歳でも一緒かもしれないですね、周囲の見る目は確実に変わってくるだろうと。でも、楽しみでもあります。20代の経験をどう活かせるのか? 40代に向けて何ができるのか? いろんなことにチャレンジしていきたいですね」。
《text:cinemacafe.net》

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