瑛太×松田龍平インタビュー 沈黙さえも心地いい空間に変える2人

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『まほろ駅前多田便利軒』瑛太×松田龍平 photo:Yoshio Kumagai
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真面目でしっかり者の多田と、飄々としてつかみどころのない行天。水と油のような2人の同居生活と便利屋稼業は、やがて思いも寄らない方向に…。三浦しをんの直木賞受賞小説を、瑛太&松田龍平主演で映画化した『まほろ駅前多田便利軒』。本作が『青い春』、『ナイン・ソウルズ』、『アヒルと鴨のコインロッカー』に続く4度目の共演作であり、すでに10年以上の付き合いになるという瑛太さんと松田さんは、まるで映画の中の多田と行天そのもので…。

「2人でコンビニ寄ったり、当たり前のような時間が楽しかった」(瑛太さん)

駅前のビルで便利屋を営む多田と、そんな彼のもとに転がり込んでくる中学時代の同級生・行天。仲良しオーラが分かりやすく放たれているわけではないものの、どこか分かり合っている風の佇まいが素敵な多田と行天の関係を、多田を演じた瑛太さんはこう分析する。
「男女間の感覚にちょっと近いのかなと思いました。多田が行天に振り回されるというか、翻弄されるあたりなんて特にそう。行天の影響で多田が変わった部分は少なからずあると思います。もちろん、根っこから変わってしまうということではないし、良い変化なんですけど」。

続けて、翻弄する男・行天を演じた松田さんの意見はこう。
「恥ずかしい気もしますけどね。男同士ではっきりしないというか…(笑)。ただ、あの2人は常にああいった関係性でいるわけではないとも思うんです。一緒に生活していれば男同士の付き合いにおける男っぽさだけじゃない面も出てくるだろうし、その微妙な関係性を端的に切り取った映画の2人なんだろうなと思いました」。

絶妙なコンビネーション、などという言葉で片付けるのは安易過ぎるが、多田と行天がひとつ屋根の下で何気ない時間を過ごすさまも、便利屋と化して様々な依頼に奔走する様も妙にしっくりくる。沈黙さえも心地良い2人の時間・空間を、瑛太さんは「自然に生まれた間」と言い表す。
「出来上がった映画を実際に見てみたら、“会話に結構間があるな…”と思ったりもしたんですけど(笑)。でも、多田と行天だった僕たち2人のあのときの関係性が、そういう間を生んだんだと思います。撮影中の龍平と僕は、ずっと同じ時間軸で生活していましたね。過去3回の共演では、そこまで一緒にいることはなかった。2人で同じ現場に行き、同じときにカメラの前に立ち、同じ時間に帰る…。2人で一緒に帰ったり、帰る途中でコンビニに寄ったり、そういう当たり前のような時間が楽しかったです」。

瑛太を見て「“俺も行天にならなきゃ”という気持ちになった」(松田さん)

松田さん曰く、瑛太さんとの付き合いは「こんなに長く付き合っていて、いまだにご飯に一緒に行ったりする仲」。さらには、「お互いに変化している部分もたぶんあるんだろうけど、僕は瑛太の真ん中にある変わらないものを見ながら付き合ってるんだろうなって」とも語る。

そんな2人だけに、役者としての互いに対する賛辞も惜しみない。
「役に対してのアプローチもすごいし、役のムードを映画の中に出す力がすごい。例えば行天独特の佇まいみたいなものが、龍平の力によって映画の中に出てくるんです」と瑛太さんが賞賛すれば、「『アヒルと鴨のコインロッカー』のときもそうだったんですけど、僕は瑛太がどんなふうに現場にいるのかなっていうのを楽しみにして撮影に行くんです。そしたら今回も、瑛太はすんなり役になっていたというか、“ああ、多田がいるな”と思えた。だから、“俺も行天にならなきゃ”という気持ちになったし、今回も助かったなって」と松田さんが返す。

ちなみに、長い付き合いだけに、気になるお互いの欠点はあるかと聞くと、「どうですか?」と顔を見合わせながら、「ないですねえ…」と口を揃える2人。そして、「もしあったとしても、“まあいいや”と思うようなことなんでしょうね」と松田さん。やはりこの2人、素敵だ。

“俳優”に対しての意識

映画の中では、口にはしない過去をそれぞれ抱える多田と行天の葛藤、さらには再生も描かれる。人は人生をやり直せるものだろうか? の問いには、こんな答えが返ってきた。
「やり直すのもありですけど、やっぱりゼロにはならないんじゃないかという気がしています。多田もやり直す作業はしたんでしょうけど、ゼロに戻そうとしているわけじゃなくて、そのときいた地点で区切りをつけただけ。全部を無くすことなんてできないし、積み重ねた上で次の方向に向かっていく。人はそういう可能性をずっと持っているんじゃないかなと思いますね」と瑛太さん。

しばらく考え込んだ松田さんも「瑛太の言う通りですよね」と続ける。
「たとえやり直したとしてもゼロにもマイナスにもならない。何かを持って次に行けるっていうことを前向きにとらえなきゃなと考えています。生きてる以上、何かしらできるだろうって。それでも前に進む力っていうのを持っていたいですね」。

俳優として、男性として魅力全開の時期を迎え、「でも、ちょっとずつ肉体の衰えも感じ始めています(笑)。健康管理のために筋トレしなきゃなって(瑛太さん)」と話す一方、「俳優をしていない自分は考えられない(瑛太さん)」、「昔から“俺は俳優だ”みたいな意識があまりなくて、自分は何なんだろう? と思ったりもしたんですけど、最近、“俳優って何だろう?”の答えが前よりは分かってきた気がします(松田さん)」とも語り合う2人。そんな彼らだけに、今後も共演する姿を見続けたいところ。まずは、原作の続編を再び2人で映画化するのはいかが?

《photo:Yoshio Kumagai / text:Hikaru Watanabe》

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