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「贖罪」小池栄子&安藤サクラ&池脇千鶴 3人が語り交わす“相思相愛”

『告白』の原作者としても知られる湊かなえの同名小説を、小泉今日子、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴の豪華キャストで映像化した連続ドラマ「贖罪」。物語の中で描かれるのは、小学生の娘を殺された母親と、事件を目撃した少女4人の姿だ。犯人が見つからないことで苦悩に苛まれ続ける母親が取った行動とは? 事件の記憶を抱えたまま大人になった少女たちの人生とは? 「静かだけど細やかな演出が素晴らしく、女優さんにモテると思います(笑)」(小池さん)、「ものすっごく紳士で優しい監督」(池脇さん)、「紳士だからこそ、どこからそんな発想が!? と驚かされます」(安藤さん)と出演陣が口々に絶賛する黒沢清監督の下、極上のミステリーであり、人間の心の奥深くをえぐる同作に挑んだ小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴に話を聞いた。

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「贖罪」 小池栄子&安藤サクラ&池脇千鶴
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『告白』の原作者としても知られる湊かなえの同名小説を、小泉今日子、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴の豪華キャストで映像化した連続ドラマ「贖罪」。物語の中で描かれるのは、小学生の娘を殺された母親と、事件を目撃した少女4人の姿だ。犯人が見つからないことで苦悩に苛まれ続ける母親が取った行動とは? 事件の記憶を抱えたまま大人になった少女たちの人生とは? 「静かだけど細やかな演出が素晴らしく、女優さんにモテると思います(笑)」(小池さん)、「ものすっごく紳士で優しい監督」(池脇さん)、「紳士だからこそ、どこからそんな発想が!? と驚かされます」(安藤さん)と出演陣が口々に絶賛する黒沢清監督の下、極上のミステリーであり、人間の心の奥深くをえぐる同作に挑んだ小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴に話を聞いた。

小池さんが演じた篠原真紀は、同級生だった少女・エミリの死の目撃者。犯人の顔を思い出せず、エミリの母・麻子(小泉今日子)から「犯人を見つけなさい。でなければ、私が納得できる“償い”をしなさい」と責められる真紀は、その言葉に真っ向から向き合って生きている。
「感情を解放するのではなく内に秘める役というのは、いい感じのストレスが溜まって面白いです。“あなたはしっかりした子”と言われて育った真紀にとっては、事件のときに何もできなかったことが絶望になっているんですよね。真紀の人生は一度あそこで終わったんだろうなって思います」と小池さん。さらに、「真紀は、自分が正しいのか正しくないのかを問うように鏡を時折ふっと見るんですよね。その黒沢監督らしい演出がすごく面白かったし、真紀は他者との距離が一番開いている人かもしれないなとも思わされました」と付け加える。

そんな真紀のことを「ずっと剣道の防具を着ているような、寄り添うものがない雰囲気が切ない。私は小池さんが演じていた真紀のパートのラストシーンが大好きなんです。めちゃめちゃ格好いいですよね」と語るのは安藤さん。安藤さんが演じた高野晶子もまた事件の目撃者であり、麻子から責めの言葉を受けるが、真紀とは異なるスタンスで事件の記憶と向き合っている。
「晶子は麻子さんにギューっとつねられているけど、ギューっとされ過ぎていて麻痺しているような感じ。そして、事件があった子供の頃から精神的にちっとも成長していない。だから楽しそうなことばっかりしているんです。ゲームをしたり、ゴロゴロしたり、でも別に引きこもりというわけではなく。事件を目撃した少女4人の中では、一番友達になれるかもしれないなと思いました(笑)」。

そんな安藤さん入魂のシーンは「晶子が二重跳びをするところ」だそう。小池さんが「超上手かった!」と思わず絶賛し、安藤さん自身も「二重跳びとクロールとマラソンが小学校の頃からとっても苦手で、考えるだけで嫌になっちゃうくらいだったんですけど、すごく練習してマスターしました! あそこまで自分ができるとは…」と語るシーンなので、ぜひ注目を。

そして、小池さんや安藤さんからも共感を集めていたのが、池脇さん演じる小川由佳。真紀や晶子と同様、事件を目撃した由佳だが、彼女は極めてドライに麻子との距離を取っている。
「由佳は麻子さんから言われた“償い”をしているのではなく、自分自身の人生を歩んでいるんです。だから、彼女のパートだけ、事件があまり関係していないんですよね。病気がちのお姉ちゃんとそれを気遣うお母さんの狭間で生まれた苦悩のドラマが由佳にはあり、麻子さんの言葉に縛られている感覚はないんです」と池脇さん。少女時代に始まり、大人になってもなお互いへの嫉妬で結ばれた由佳と姉の物語は心をかき乱されずにはいられないものであり、小池さんと安藤さんから「“お姉ちゃんをやっつけちゃえ!”と思いました(笑)」との声援(?)も。ちなみに、そんな由佳が“ほくそ笑む”シーンが劇中には多く見られるが、演じた池脇さん曰く「由佳がほくそ笑むシーンの黒沢監督は、誰よりも嬉しそうでした(笑)」だそうだ。

小池さん曰く「激しい内容ではありますけど、どこか自分にも思い当たる節があるような、そんな感覚も味わってもらえる作品だと思います」という本作。そこで、最後に“子供の頃の出来事や記憶が現在の自分に影響を及ぼしていると思えること”を3人に聞いてみた。

まずは、「私は両親が商売をしていた関係で、お店のお客さんや地域の人たちに育てられた感覚があります。そのせいか、大人の中で人を見る目が養われていった部分があるんですよね。それが役立つときと役立てないでいいのに発揮してしまうときがあるので良し悪しなんですけど…」と小池さん。このコメントを受け、「私は小池さんのそういった部分の大ファンです!」と告白(?)する安藤さんは、「自分のどこを取っても子供の頃が影響していそうな気がします。例えば、知らない場所に行ってみたい願望が幼い頃からあったけど、いまはお仕事としていろいろな場所に行ける自分を喜んでいますね」と分析。そして、池脇さんの回答はこうだ。
「子供の頃って、何か1つ面白いことをしたら、大人たちは笑ってくれるじゃないですか。だから、それをひたすらやり続けるんですけど、それで最後には面白くなくさせちゃうっていうパターンがいまだに残ってる気がします。“もう分かったから!”って言われがちなんですよね…(笑)」。
少々恥らいながら明かす池脇さんを見て、「でも、池脇さんって、いつも笑っているイメージ。すごく素敵だなあと思います」と返す小池さん。劇中では直接の共演シーンこそないものの、共に作品を作り上げた者同士の“相思相愛”ぶりが微笑ましい3人だ。

「決して後味のいい作品ではないですけど、“この気持ち悪さは何だろう?”と感じてもらえれば」(小池さん)、「各話ごと楽しみ方が全然違う。ぜひ全話観ていただきたい!」(安藤さん)、「月並みな言葉ですけど、本当に見ごたえのあるドラマ。真相を知りたい欲求を満たせると思います」(池脇さん)と口々に語る連続ドラマ「贖罪」。それぞれの熱演、奥深い人間ドラマ、そしてミステリーのゆくえをお見逃しなく!



連続ドラマW「贖罪」

原作:湊かなえ「贖罪」(東京創元社刊) 
脚本・監督:黒沢清
出演:小泉今日子、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴
森山未來、水橋研二、加瀬亮、長谷川朝晴、伊藤歩、新井浩文、田中哲司 ほか

WOWOWにて1月8日(日)より毎週日曜夜10:00〜放送(全5話)

公式サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/shokuzai/
《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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