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【ゆうばり国際映画祭】さよならビュッフェと「いってらっしゃい!」でお別れ

2月25日(月)の正午過ぎ、ちょうど「第85回アカデミー賞」の授賞式が佳境に入っていた頃――「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の最後のイベント“さよなら・ビュッフェ”が始まった。

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「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」雪上フォト・セッション
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  • 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」雪上フォト・セッション
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  • 「バナナvsピーチ まつり」に参加したキャスト&監督
  • 渡辺真起子 in 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」
  • 長谷川初範 in 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」
  • 塚本晋也監督 in 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」
  • 神楽坂恵 in 「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」
  • 『じんじん』のキャスト&スタッフ
2月25日(月)の正午過ぎ、ちょうど「第85回アカデミー賞」の授賞式が佳境に入っていた頃――「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の最後のイベント“さよなら・ビュッフェ”が始まった。

前日の24日(日)にすでにクロージング・セレモニーは開催され、オフシアター・コンペティション部門のグランプリを始め各賞は発表されており、最終日の25日は午前中にグランプリ作品『暗闇から手をのばせ』がメイン会場のアディーレ会館ゆうばりの建物の正面に建てられた円形ドーム型の特設会場にて上映。その後、最後の最後のイベントとして毎年、行われているのがこの市民のみなさんの手によるビュッフェ形式の昼食会なのだ。

ここでは、前日に発表された各賞とは別に全作品を対象に各上映に足を運んだ観客の投票による“観客賞”に位置づけられる「ゆうばりファンタランド大賞」の各賞が発表され、炭鉱の街・夕張にちなんで石炭のトロフィーが贈呈される。

また、「人物賞」に輝いたのは“絵本の里”として知られる北海道剣淵町を舞台にした招待作品『じんじん』に主演した大地康雄。「市民賞」は『鬼平外伝 正月四日の客』、「イベント賞」は、男性監督と女性監督により同一のテーマ、主演俳優、上映時間で作品を撮影して“対決”し、男女の視点や描き方の違いを楽しむという『バナナvsピーチ まつり』に贈られた。『バナナvsピーチ』の作品に出演した長谷川初範、渡辺真起子、玄里らも壇上へ。自前のカメラで撮影をする長谷川さんに「撮られる側でしょ!」とツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。

そして、栄誉ある今年の「ゆうばりファンタランド大賞」に選ばれた作品は『じんじん』。先述の大地さんと合わせ、2冠に輝いた。残念ながら大地さんはすでに夕張を後にしており、同ビュッフェには出席できなかったが、共演の井上正大、小松美咲、山田大樹監督が登壇。石炭トロフィーと賞状を受け取った山田大樹監督は「監督になってから賞をいただいたのはこれが初めてです!」と感激した面持ちで語り、会場からは歓声と温かい拍手が沸き起こった。

その後も、篠原哲雄監督、長谷川さん、渡辺さん、審査委員長の塚本晋也監督などが次々とステージに呼ばれトークを展開。「インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門」で審査員を務めた女優の神楽坂恵は「次は(夫の)園子音監督と」と請われ、「はい、次は一緒に来ます」と笑顔を見せていた。

最後には5日間、いやそれ以前の準備も含めずっと同映画祭を支えてきたボランティア・スタッフたちがステージへ上がり、全員での万歳三唱でお開きとなった。

さよなら・ビュッフェが終わるといよいよ、夕張の街ともさよなら。夕張を舞台にした映画『幸福の黄色いハンカチ』にちなんで、空港へと向かうバスをボランティアの人々が黄色いハンカチを手に見送ってくれる。またここで会うことを約束し、合言葉は「いってらっしゃい」、「行ってきます」。雪が降り積もり一面真っ白の中で、黄色いハンカチが映える。ゆっくりとバスが動き出し、5日間にわたる映画祭は幕を閉じた。

最終的な観客動員数は5日間で12,484人。昨年の12,567人より微減となったが、交通機関に支障まで出た初日の大雪がなければ昨年を上回っていたことが予想される。

なお、オープニングを飾った『ジャンゴ 繋がれざる者』のクエンティン・タランティーノ監督がアカデミー賞で「脚本賞」を受賞(「助演男優賞」ではクリストフ・ヴァルツが受賞)。同監督のデビュー作『レザボア・ドッグス』が本映画祭で上映され、高い評価を得たのは周知の事実。ほかにも『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督は同作で2009年の「オフシアター・コンペティション部門」グランプリを受賞しているが、それ以前にも2度にわたって同部門で入選を果たすなど、まさにゆうばりでステップアップを遂げた存在。今年の受賞者、および出品者の中からも多くの才能が巣立ち、メジャーへの階段を駆け上がっていくことを願いたい。
《シネマカフェ編集部》

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