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園子温にラブコール!? 注目俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ インタビュー

カナダを代表する鬼才デイヴィッド・クローネンバーグを父親に持つ、ブランドン・クローネンバーグの長編デビュー作となる映画『アンチ・ヴァイラル』。セレブリティと呼ばれる有名人をめぐる

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ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『アンチヴァイラル』/Photo:Ai Iwane
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『アンチヴァイラル』/Photo:Ai Iwane
  • ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『アンチヴァイラル』/Photo:Ai Iwane
  • ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ『アンチヴァイラル』/Photo:Ai Iwane
  • 『アンチヴァイラル』 -(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
  • 『アンチヴァイラル』 -(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
  • 『アンチヴァイラル』 -(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
  • 『アンチヴァイラル』 -(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
  • 『アンチヴァイラル』 -(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
カナダを代表する鬼才デイヴィッド・クローネンバーグ監督を父親に持つ、ブランドン・クローネンバーグの長編デビュー作となる映画『アンチヴァイラル』。セレブリティと呼ばれる有名人をめぐるメディアと大衆の狂騒を痛烈に風刺した本作で、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは見事主演を務めあげた。「この作品で人生救われたと思っているよ」と笑う彼に、撮影のこと、さらにはセレブリティの世界について話を聞いた。

近未来、セレブリティのウイルスをマニアに注射するクリニックの若き注射技師・シド(ケイレブ)は、希少価値の高いウイルスを外部に持ち出し、闇マーケットに横流しするという違法行為に手を染めていた。ある日、究極の美の持ち主・ハンナが原因不明の重病に冒されて突然死亡。その直前、ハンナから直接採取したウイルスを自らの肉体に注射していたシドも、異様な幻覚症状に見舞われる。ハンナを死に至らしめた特殊なウイルスの唯一の宿主となったシドは、何者かに追われ始める…。

そもそもデヴィッド・クローネンバーグ監督の『裸のランチ』('91)が大好きだというケイレブ。親子の血は争えないと言うべきか、本作にはデヴィッド・クローネンバーグ監督の初期作品を連想させるエッセンスが散りばめられている。そんな本作の脚本を読んだときのことを「SF作品の中で傑作だと思った」とふり返る。

「ちょうどその頃、別の作品の撮影がうまい具合に進まなくて精神的にも追い込まれていた時期だったんだ。何かしらやっていないとストレスが溜まって壊れそうだったんで丁度いい時期にやってきてくれたから、僕はこの作品で人生救われたと思っているよ(笑)」。

そして、本作で描かれるセレブリティの世界をケイレブは「おかしな世界だと思う」と形容する。
「アメリカでいま流行っている、4、5歳くらいのハニーブーブーちゃんという女の子がいるんだけれど、面白い子だから彼女のことを追うリアリティ番組ができたんだよ。とある質問で彼女が答えるんだけど、そのときに鼻水が出ちゃって拭うこともできずに本当に恥ずかしそうにしているシーンがあるんだ。それを見て、この子の先が心配になったよ。それに絶対影響を受けないわけがないからね。やっぱり世界に向けて自分の懐を開いちゃうとか、マーケティングされちゃうということはすごく危険なことだと思う。こういう世界に入って出て行けないみんながとっても心配だよ」と苦言を呈する。

まさに自身もそんなショービズの世界に生きているわけだが、「境遇であったり、周りの環境が人を作ると思っているんだ。このシドも然りで、世の中がセレブばかりで彼がそういう環境の産物であるというところには共感できるよ」と語る。

実は本作には『時計じかけのオレンジ』('72)で知られる伝説のカリスマ怪優マルコム・マクダウェルが出演しているのだが、彼との共演について尋ねると「神様がやってきたと思ってすごく緊張した!」と撮影当時をふり返る。

「『時計じかけのオレンジ』と『If もしも…』に出ている名優だからね。マルコムが演じたような大胆でひょうきんでハチャメチャなキャラクターは映画で観たことはそれまでになかったから、僕にとってインパクトが強かったんだ」。

しかし本作でマルコム以上に、強烈な演技を要されたのはケイレブの方。精神的にも肉体的にもどんどん追い詰められていく役どころを見事に演じきった彼だが、どのように役へと寄り添っていったのだろうか?
「杖は撮影中もカメラが回っていなくても持っていたね。やっぱり仕草や動作は繰り返し筋肉に覚えさせることがとても大事なことだと思うから、そういうアプローチをとったんだ」。

まだ23歳と若いながらも真摯に役柄や作品と向かい合うケイレブ。好きな監督について尋ねると、スタンリー・キューブリック、オーソン・ウェルズという往年の名監督と共に園子温監督の名が挙がった。
「彼の作品は大好きだよ! ここ1年くらいの間、観ているんだ。彼の作品の中ではまだ3本しか観ていないけど、『ヒミズ』が最高だね! 観るのは精神的にくるものがあるけれど、本当に美しくてすごく良い映画だと思う」。

ということは今後、日本映画に出演することも期待できる? 「ぜひ! 黒澤明監督の作品を観てから三船敏郎に夢中なんだ。彼のような俳優に憧れるよ」と微笑む。日本映画作品にも意欲を見せるケイレブ、いつか日本人監督が手がける作品の中で彼が活躍する姿を見てみたい。
《シネマカフェ編集部》

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