音楽界のトップスターを影で支えてきたバックシンガーたちに初めてスポットライトを当てたドキュメンタリー『バックコーラスの歌姫たち』。貴重な映像や大物ミュージシャンたちが多数出演するパワフルな予告編が、いち早くシネマカフェに届いた。全米で『シュガーマン 奇跡に愛された男』同様、数スクリーンで公開をスタートするも、クチコミで評判が広がり現在150スクリーンまで拡大し、興収420万ドルを突破した本作。世界映画評No1サイトの「ロッテン・トマト」では、98%がフレッシュ(絶賛)という驚異的評価を得ている。今回解禁された予告編では、小林克也によるナレーションとともに、次々と映し出される大物ミュージシャンたち。ブルース・スプリンスグスティーン、スティーヴィー・ワンダー、ミック・ジャガー、スティング、ベット・ミドラー…。そんなレジェンドと呼ばれるミュージシャンたちの証言だけでなく、時には傷つけられて涙を流しながらも、歌うことに喜びを見出し、音楽を愛し続けた“名もなき歌姫たち”の並々ならぬ波乱な人生が伝わってくる。本作には、10名を越えるバックシンガー達が登場するが、なかでも最も知られた存在がダーレン・ラヴだ。60年代、黒人コーラス・グループ「ブロッサムズ」のメンバーとしてデビューした彼女は、伝説的プロデューサー、フィル・スペクターが生み出した数々のヒット曲のバックコーラスを務めた。しかし、彼女をあくまでバックシンガーとして利用しようとするフィル・スぺクターとソロデビューを目指す彼女との間に深い軋轢が生まれ、彼女は失意のなかで音楽業界を離れ、家政婦として働いていた不遇な時期もあったという。才能に恵まれていても、誰もが頂点に立てるわけではないし、誰もがスポットライトを浴びられるわけではない。それでも自分の愛することを仕事にし、そのことに誇りを持って生きる“名もなき歌姫たち”の姿を、本作は賞賛する。『バックコーラスの歌姫たち』は、12月14日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。