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【インタビュー】『ルパンvsコナン』内野聖陽×夏菜 泥棒の美学、探偵の流儀

大河ドラマや朝ドラにも主演し、これまで名だたる豪華俳優陣とも共演してきた内野聖陽と夏菜だが、スクリーンに映る自分、いや、自分の声で命を吹き込んだキャラクターがアニメとして動くのを見て、子どものように感激したという。

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内野聖陽×夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
内野聖陽×夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • 内野聖陽×夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • 内野聖陽×夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • アラン・スミシー(声:内野聖陽役)『ルパン三世 vs 名探偵コナン THE MOVIE』 -(C) モンキー・パンチ/TMS・NTV (C) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS1996 (C) 2013映画「ルパン三世・名探偵コナン」製作委員会
  • クラウディア(声:夏菜)『ルパン三世 vs 名探偵コナン THE MOVIE』 -(C) モンキー・パンチ/TMS・NTV (C) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS1996 (C) 2013映画「ルパン三世・名探偵コナン」製作委員会
  • 夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • 内野聖陽『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • 内野聖陽『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
  • 夏菜『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』/Photo:Naoki Kurozu
大河ドラマや朝ドラにも主演し、これまで名だたる豪華俳優陣とも共演してきた内野聖陽と夏菜だが、スクリーンに映る自分、いや、自分の声で命を吹き込んだキャラクターがアニメとして動くのを見て、子どものように感激したという。「ずっと外から見ていて、そこには入る手段はないと思ってた世界だからね」と内野さんは笑う。やはり、子どもの頃から好きだった作品に携わるというのは特別な体験なのだ。

2人が初めて声優に挑戦した『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』がまもなく公開となる。世代は異なれど、日本中の少年少女たちを虜にしてきた“大泥棒”と“名探偵”がスクリーンで激突する。

内野さんが演じたのは、今回のお宝“チェリーサファイア”を手に入れようとする謎めいた男アラン・スミシー。改めて、完成した作品で自分が命を宿したアランの姿を見た感想は?

「アランがいるじゃないか! って思いましたね(笑)。僕自身、演じながらアランという男に魅力を感じていたので、すごく幸せです。アニメというのはセリフに合わせてキャラクターの口が忠実に動くわけじゃないでしょう? でもそこにちゃんと、心を持った声を乗せれば本当に喋ってるように聞こえるものなんだなあと思いましたね。『アランがルパンと交渉してる! 不二子ちゃんに嫌味言われてるよ!』って(笑)」。

事件に巻き込まれる人気歌手・エミリオの敏腕マネージャー・クラウディアの声を担当した夏菜さんも「悶絶ものですよ! あの蘭ちゃんと会話のキャッチボールしてる! すごい! 嬉しい! って思いました」と興奮を口にする。

アニメの声優初挑戦ということで、やってみると2人とも試行錯誤の連続だった。夏菜さんは収録の少し前まで舞台「ぬるい毒」に立っていたが、舞台で声のみならず表情、全身を使って、目の前の観客に感情や言葉を届けていたのから一転、スタジオでモニターと向き合ってひたすら声だけでキャラクターを作り上げていかなくてはならなくなった。

「酸欠になりました。腹式呼吸がいままでちゃんとできていなかった証拠ですね(苦笑)。クラウディアは26歳という設定と聞いて、脚本を読んでも大人の女性の印象を受けたので、その第一印象とインスピレーションを大事にして、落ち着いたミステリアスで品のある声を意識しました。でも、やってみるとイントネーションもアクセントも難しくて、なかなか伝わらない(苦笑)! 『あっちじゃない…いや、こっちか』『頭じゃなくて語尾にイントネーションを持っていく感じか!』とかやりながら感覚を掴んでいきましたね」。

内野さんは「プロの声優さんの声というのは、声だけでTVの画面を見てなくてもキャラクターが分かる」と言うが、今回の2人の演技はお世辞抜きに、まさに声だけで感情やキャラクターの個性をしっかりと伝えてくれる。ここ最近、実写作品では武骨で男らしい役柄が多かった内野さんだが、今回のアランは色気やいやらしさが画面を通じて匂い立つように感じられる。

「最初はね、それを意識して強めにやってみたんです。そうしたら監督から『あまりやり過ぎずに、できる限り普段の演技と変わらない感じでやってみてください』と言われたんです。アニメの魔力? そうかもしれません(笑)。やり過ぎないくらいでやると、実際に絵を重ねてみると丁度いいのかも…。『声だけで芝居をするな』というのはよく俳優が言われることだけど、声優は声だけが心情を伝えるツール。そこに僕が思うアランのハート――テンション、エロティックなムードなどをいかに集中して乗せるか? 改めて、声というのが普段、芝居をする上でも非常に大きな武器になるんだというのを感じました」。

それぞれ“ルパン世代”代表、“コナン世代代表”として今回、声優に抜擢された2人だが、子どもの頃からそれぞれの作品をTVにかじりついてアニメを見ていたという。内野さんは言う。

「『ルパン』と『天才バカボン』は必ず見てましたね。『ルパン』は初期の頃で、まだジャケットは緑色だったかもしれない。泥棒なんだけど、何でも余裕でやり遂げてしまう姿が子ども心にもすごくカッコよかった」。

ちなみに、好きなキャラクターは「飄々としたルパンよりも銭形のとっつぁん」とのこと。普通、ルパンか五ェ門、次元の3人に男の子の憧れは集まりそうにも思えるが…。

「これは大人になってからの感情なのかな? カッコいいんじゃなくて、マヌケだし、見てる側は逮捕できないと分かってるんだけど、とっつぁんは誰よりもルパンを愛してるんですよね。だから『あいつはそんなことしませんよ』なんて断言できる。アナログ的な人間味が好きですね」。

一方の夏菜さんは、コナン世代代表。「小学1年生でアニメの放送が始まって、毎週必ず見て犯人当てゲームをしてた」とのことで文字通り、コナンと共に育ってきた世代。一方で、「ルパン」も大好きだという。

「ルパンて普段はコミカルだけど、時々すごくカッコいいんですよね。女の子から見て、あのコミカルな感じって実はよく分からないんですよ(笑)。それを次元や五ェ門の存在が補ってるとも言えるんだけど、時々、ルパンがすごくカッコいいときがあって、その時だけはコロッといっちゃうんです」。

“不二子ちゃん”こと峰不二子の存在もポイント! 日本における“セックス・シンボル”とも言えるほど広い世代に認知された、文字通り「永遠のマドンナ」だが、女性から見た不二子の存在は?

「子どもながらにあんな女性になれたらステキだなって思ってましたね。キレイで可愛くてスタイルが良くて、声も可愛いし、全てを兼ね備えた女性ってイメージですね」。

およそ20年の時を隔てて、原作漫画の連載、TVシリーズの開始、そして劇場版の公開がされてきた『ルパン』と『コナン』だが、内野さんと夏菜さんの年齢差も21歳。実は2人はアフレコ収録を一緒に行なってはおらず、こうして直接顔を合わせるのもまだ数回目。それでも年齢差や顔を合わせた回数の少なさなど全く感じさせないが、内野さんはそれをこんな言葉で説明する。

「キャリアの差ってのはこの世界、あまり関係ないんですよ。長くこの世界にいれば後輩は『先輩!』って崇めてくれるけど、実はこっち(先輩)は『年がこんなに離れてるのに、こいつはこんな才能持ってるのか!』ってどこかで嫉妬やコンプレックスを感じてる瞬間が必ずある(笑)。『こいつの若さの頃、オレにこんな芝居ができてたか? いや…』って。だから先輩だからって『教えてやるぜ』なんて気持ちはなくて、むしろこっちが『ちくしょうめ! こいつ、いいな。盗んでやろう』って気持ちの方が強かったりする。今回、夏菜のクランディアはまさにそんな感じで、こっちがこれまで積み上げたキャリアなんて関係なく『素晴らしいな…』って思ったよ」。

夏菜さんはそんな内野さんの言葉に恐縮しつつ、「でも、そんな気持ちまで20歳も離れてる後輩に言って下さる先輩ってなかなかいらっしゃらないですよ。だからこそ次は、声優ではないお芝居の方でぜひ共演させていただきたいです!」と笑顔を見せる。

改めて今年をふり返り、来年に向けた抱負を! まずは内野さん。

「やはり最近、男臭い役が多い中で(笑)、こうやって色気を持った中年のキャラをいただけたのが嬉しい。こういう役をこれからももっと、やっていきたいなと思う今日この頃です(笑)」。

一方、夏菜さんは「朝ドラが終わって、自分を見つめる1年だった」と述懐。

「そこから少しずつですが、冷静に周りも見られるようになってきたのかな? 舞台もやって、クラウディアという大人の役もやれて…大人の階段を上っている最中なんだなと(笑)。充実してます!」。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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