【インタビュー】山田孝之×菅田将暉 “育てた男と新参者”で語る『闇金ウシジマくん』

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山田孝之×菅田将暉『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 山田孝之×菅田将暉『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 山田孝之『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 菅田将暉『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 『闇金ウシジマくん Part2』- (C)2014 真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん2」製作委員会・MBS  (C)2014 真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会
  • 山田孝之×菅田将暉『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 山田孝之『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
  • 山田孝之/『闇金ウシジマくん Part2』- (C)2014真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会
  • 菅田将暉『闇金ウシジマくん Part2』/PHOTO:Naoki Kurozu
襟足が少し長めのなでつけられた黒髪の黒いスーツの男と金髪に黒シャツ&黒ネクタイの男。映画の撮影が行われたのはもう半年以上前で、現在の風貌はこの作品とは無関係なのだが、このままでも十分、債務者のところに取り立てに行けそうなオーラを醸し出している。

山田孝之と菅田将暉。主演としてこの「闇金ウシジマくん」シリーズを育て上げてきた張本人にして、多くの同世代の俳優が活躍する中にあっても、頭ひとつ抜けて先頭集団を走っていることは誰もが認める30歳と、「仮面ライダーW」に始まり、連続ドラマに朝ドラ(「ごちそうさん」)、映画とデビューしてわずか5年ほどの間に目覚ましい躍進を遂げた21歳。どこか似た匂いを持つ2人の道が映画『闇金ウシジマくん Part2』で初めて交錯した。

深夜ドラマに始まり、映画、連ドラ「Season2」に「dビデオ」配信のオリジナルドラマ、そして今回の映画と約4年にわたってシリーズを重ねてきた。山田さんが違法な金貸し“闇金”を経営する主人公・ウシジマへと“変身”する過程は変わらない。

「ドラマの『Season2』を撮影したのが去年の春で、少し空いて、映画の撮影は秋だったんですが、一番最近のドラマを見直して、詰めるところを詰めて、より細部に至るまでウシジマを完成に近づけていきました」。

「ウシジマを磨き上げていく」作業が出来るのは、ここまで継続してきたからこそであり、ほかの役柄にはない楽しさでもある。

「ウシジマという役は、ほかの役と違って“物体”という気がします。“人”として中身を作ろうとしないし、過去を探ることもしない。『スタート』の声がかかるときに、外側(=外見、佇まい、歩き方など)だけ作り上げたものを、服を着るようにスポッと被るような感覚ですね。中身は空洞で、新しいシリーズのたびに無駄を削ぎ落として、新たな要素を足していく。この映画が終わっても、また次があればもう一度見直して『ここの詰めが甘いな』とか探して、また完成に近づけていくんでしょうね」。

菅田さんは、今回の映画からの出演で、無職のヤンキーでひょんなことからウシジマの経営する「カウカウファイナンス」で働き始めるマサルを演じたが、先述のような山田さんの役作りを現場で目の当たりにした。

「マサルが初めてウシジマと顔を合わせるシーンで、ウシジマが砂利道を歩くんですけど、上半身が止まっているかのようにスーッと来るんです。威圧感があるし、つい目で動きを追ってしまう。マサルはウシジマと対極の男で、その姿を見てビビるんですが、僕自身も素直に驚いてました」。

山田さんはウシジマとして「砂利道を歩く」ということをこれまでにない初めての経験として、ウシジマならばどう歩くか? を丹念に研究して臨んだという。菅田さんは「そこまで意識するのか…」とその隙のないアプローチに畏敬の念さえ抱いたという。

一方で「元々、原作も読んでいたし、ドラマも見ていた」という菅田さんも、山田さんとはアプローチは違えど、強い思いを持ってマサル役に臨んだ。本作に限らず、シリーズを通じて老若男女を問わず、様々な“転落者”が描かれるが、菅田さんが目指したマサル像は「グッと来ないクズ」だった。

「マサルは暴走族の愛沢(中尾明慶)のバイクを盗んだことをきっかけに堕ちていくんですが、すごく悪いヤツでもなければ良いヤツでもない――もっとビッグになってやる! くらいの適当な野望しか持ってない、割と一般人に近い男なんですよ。残念なクズで、ちょっと笑えて…でも、こうはなりたくないなというタイプ。本人は必死なんだけど、傍から見たら滑稽で、いるでしょ? 後先考えずに、その場で話術で何とかするようなヤツ(笑)。愛沢にも『こうしましょう!』ってその場逃れの提案をするけど、愛沢も『それいいな』って何がいいのかさえも分かってない感じ(笑)。演じてて楽しかったですね」。

シリーズの“本丸”と言える、ウシジマ、柄崎(やべきょうすけ)、高田(崎本大海)のいるカウカウファイナンスに“新入社員”として乗り込んでいったときの気持ちは?

「新参者ですが、意外と現場でそういう感じはなかったですね。まず初日がいきなり、愛沢にガムテープでグルグル巻きにされるシーンで(笑)、基本的に“受け身”でしたので。ウシジマとも直接絡むシーンは実はそんなに多くなくて、遠い存在としている感じだったので…現場でそんなに山田さんと喋ってないんですよね」。

一方、マサルという新参者を迎え入れたことでウシジマやカウカウ側に変化は? という問いに、山田さんからはあっさりと「カウカウの空気は変わらないですね」という答えが返ってきた。

「『ウシジマくん』の現場は、撮影の後に『ご飯行きましょうか?』となることはあるけど、基本的にカウカウのメンバー以外は誘わないんです。ただでさえシリーズ作品で、後から来た人たちは元々のメンバーが『何食べに行く?』なんて話してても入ってきづらいでしょうし、こっちもあえて誘わない。それが、作品の中のカウカウの事務所にいづらい雰囲気をより一層強くしていると思うんです。普段、ほかの作品ではそんなことする必要はないんですけどね。そんな中で菅田くんは、一時期とはいえカウカウのメンバーになったので食事は一緒に行きましたね」。

菅田さんは「ごちそうさん」が終わったかと思えば、すぐに今クールからレギュラー出演する深夜ドラマ「死神くん」がスタート。先日、本作でも共演している綾野剛主演の『そこのみにて光輝く』が公開され、本作の後には人気漫画原作の映画『海月姫』も控えるなど忙しい日々を過ごす。作品ごとに全く異なる風貌となり役に没頭していく姿は山田さんとも重なる。

「いろいろさせていただけるのはありがたいですね。去年の『共喰い』あたりから、“見られ方”といったものが変化していくのが面白いなと感じながらやってます。朝ドラのときは朝ドラのイメージで、それが終わればまたそのイメージを塗り替えていくような役をやって、いつの間にか面白い存在になっていればいいなと思います。『あ、これもあの人なんだ』というのが積み重なっていけば、変な壁やカテゴリーもなく、作品に没頭できるかなと。僕としては単純に、いろんなことをやってみたいです」。

2人の年の差は9歳。山田さんは「21歳? 『電車男』あたりですかね。やっていて楽しいことはあったけど、とにかく必死でしたね。ドラマの台本を渡されて『衣裳合わせ、今週だから』って言われて口を挟む余地もなく(苦笑)、その中で精いっぱいやってました。だから楽しそうで羨ましいですね。いろんな役、いい経験を早くからできてるなって思います」と菅田さんを見やる。だが20代を走り抜け、経験を積み、役者としての楽しみ方も変わってきた。

「ある程度キャリアを積んで、実力やコネクションを身に着けた上で、自分たちから動き出したり、待っているだけでなく、割と早い段階から作品に携わることができるようになったのは楽しいですね」。

「ただ…」と最後にこんな悩みも漏らす。

「最近、ちょっと働き過ぎかなと思うので、本数を減らそうかとは考えますね。会社はそんな話聞きたくないでしょうけど(笑)。いま現在、平均して年に5本くらいあって、掛け持ちすればもっとできるんでしょうけど、それは絶対にしないって自分で決めてるんです。でもそうすると、1本終わったら次がすぐに始まって、詰める時間が足りなかったりするんです。クランクインのときにはある程度、セリフを発せられる状態にはなってますが、それでも2~3シーン撮った後で『あぁ、あのシーンもう1回できないかな…?』ということがあるんですよ。それからもちろん、表現という意味で、ほかにもいろいろ挑戦したいこともある。だから、もうちょっと考えて配分できたらとも…」。

「休みたい」ではなく「やりたいことがある」というのが何ともこの男らしい。ひとつ言えるのは、このペースで作品を重ねれば、2人が再び別の作品で合い間みえる姿を見る日はそう遠くないだろう。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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