【インタビュー】『るろうに剣心』佐藤健×武井咲 戦う覚悟と歩き続ける理由

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佐藤健×武井咲『るろうに剣心 京都大火編』/Photo:Naoki Kurozu
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「だって、ありがたいことに走る道があるから。問題は道がなくなった時、道さえも自分で探さないといけなくなった時ですよね」。

ここ数年、歩みを…いや、疾走を止めることなく、むしろ、年々スピードを上げ続ける佐藤健に「正直、しんどくないのか?」と尋ねた際の答えである。

同じ問いに、武井咲も笑みを絶やさず平然と言う。

「同じ感覚ですね。(道があるのは)ありがたいことですし。やっていく中で考えることもあるし、自分の意思も出てくるんですけど、やっぱり、目の前のことを一つ一つクリアしていかないと未来もないし、楽しくない。表現者としてこの世界にいさせてもらっている以上、何かを表現したいと思って、それを続けているだけですね」。

前作がヒットしたから。原作漫画にまだ続きがあるから。いや、そんなことよりも何より、こうしたマインドを持った俳優陣が集結したからこそ『るろうに剣心』は続編の製作が可能だったのだ。日本映画の可能性を大きく広げる作品として、多くのファンが待ち続けた二部作におよぶ『るろうに剣心 京都大火編伝説の最期編』の公開を前に、佐藤健と武井咲が作品への思いを語った。

“人斬り抜刀斎”として幕末の京の街を震え上がらせ、維新後は“不殺(ころさず)”を誓い、逆刃刀を手に全国を巡っていた緋村剣心(佐藤さん)。前作では彼が明治の東京で、神谷薫(武井さん)が営む道場に身を寄せることになるまでを描いたが、今回、剣心から人斬りの座を継いだ志々雄真実(藤原竜也)が明治政府転覆を企てていることが判明。薫の制止を振り切って、剣心は再び京へと赴くことに…。

2年ぶりの続編にして完結編二部作となるが、そもそも前作の時点で、佐藤さんを始めとするキャスト陣のアクションは、日本映画を新たな次元、高みへと押し上げたと称賛された。続編となれば、その限界をさらに超えるクオリティが求められる。佐藤さんは決定の報を耳にし「前作を観て、もっと観たいと思う人がいてこそできることなので、光栄だし率直に嬉しい」と喜びを感じるのも束の間、視線と思考はすぐに本作のあるべき完成形へと飛んだ。

「何でもかんでも続編をやればいいと思ってるわけじゃないから、むやみやたらと作るのではなく、ハードルを越えていかなくてはいけない。原作ファンをも納得させるものを作らなきゃいけないし、そのためにどうすべきか? 考え始めました」。

一方で2人とも、現場で剣心と薫に戻ることに関しては何ら支障はなかったようだ。佐藤さんが「クランクインの3か月ほど前からアクション練習や準備期間があり、衣裳合わせも何度かできたので、そうした時間を経て、わりとすんなりと戻れました」と言えば、武井さんもこの作品ならでは空気に助けられたと明かす。

「そこは私も不安はありませんでした。衣裳もそうですし、現場の雰囲気も『るろうに剣心』は独特なので、そのおかげもあってスッと薫ちゃんに戻れました」。

激しいアクション――特に前作と比較してももちろんのこと、今回の二編の中でも物語が進むにつれてレベルアップしていく凄まじい剣術シーンについては「見どころは全部」という佐藤さんの言葉を信じて、予備知識なしで体感してほしい。

一方で、志々雄を討つべく薫たちとの平穏の日々に別れを告げ、再び京へと戻っていく剣心の内面については今回、佐藤さんはどのようにアプローチしていったのか? 特に二部作になっているとはいえ、膨大な原作漫画の全てを描くのは物理的に不可能。いわば、映画で表に出てこない部分をも己の中に“宿す”作業が必要だった。

「もちろん、原作にありながら時間的に描けない部分はありますが、そこで僕が剣心を変えたということはありません。あくまで全て、剣心に起きたこととして演じています。まず剣心は何より、過去への贖罪の意識を常に抱えた人物。そこは一貫して大事にしたところですね。志々雄が出てきても剣心はぶれないんです。僕の中でも剣心というのは完成された人物としてあったので、それは変わりませんでした。ただ、今回はそのままじゃ志々雄どころか、その手下にさえも勝てないんです。それは剣心にとっても初めての状況。そこでどうするのか? というのが『伝説の最期編』で描かれますが、ある意味で“NEW”剣心になります。何に気づいて剣心が変わっていくのか? そこはぜひ見てほしいところです」。

こうした剣心の心情に関して、大友啓史監督とどのような話し合いがあったのかと尋ねると「基本的には、僕に任してくれる部分が多かったので、監督が信頼してくれた分、好きにやらせていただきました」と明かしてくれた。

いまや政府内務卿にまでなった大久保利通との対峙。京への道の途中、新月村で出会った志々雄一派に親を殺された少年にある言葉をかける剣心――その表情やまなざし、声のトーン、細部に至るまで突き詰め、作り上げられた精緻な表現は見逃さないでほしい。

薫を始め、恵(蒼井優)、志々雄の傍に仕える由美(高橋メアリージュン)、不思議な巡り合わせで剣心と道中を共にする操(土屋太鳳)など男たちの剣による戦いを描いた作品にもかかわらず、魅力的な女性キャラクターが多いのも本作の特徴。武井さんに聞きたいのは、女性の目線で観ての本作や剣心の魅力について。

「なぜ、そこまで戦わなくちゃいけないのか? というのは私も(薫と同様に)最初に思ったことです。でも、映画を観ていただければ、そこについてのしっかりとした気持ちが描かれているし、ただ意味もなく戦っているわけじゃないので、そこは女性の目線で見てもカッコいいと感じてもらえると思います。アクションの動きや見せ方がカッコいいのはもちろんですが、そこにあるそれぞれの感情が見えるのが、私がこの作品の好きな部分です。ただのアクション映画ではなく剣心にも、そして志々雄にも気持ちがある――その部分をくみ取って観てもらえたら嬉しいです」。

そして、気になるのが完結編を迎えるにあたって剣心と薫の関係性がどうなるのか? 『京都大火編』では、京での戦いへ赴くにあたり剣心はあえて、薫たちとの関係を断ち切ろうとするのだが…。佐藤さんは、先ほど口にした「NEW剣心」という言葉をもう一度引っ張り出しつつ、なんとも言いづらそうにこう語る。

「剣心が変わる、そのきっかけとして、薫ちゃんが関わってくるのは間違いないです。薫ちゃんがいるからこそ、志々雄に立ち向かえるわけで…ただ、そこは『見てください』としか言いようがないです(苦笑)」。

武井さんは、薫の心情に寄り添いつつ、補足する。

「薫はいままでずっと一人でやってきた分、剣心たちと一緒に生活するようになって、その幸せやありがたみを実感していたと思います。それが失われるってすごく悲しいことで、だからこそ薫は剣心を追って京都まで行けたんだと思います。『京都大火編』だけを観ると『薫ちゃん、なんで京都まで来ちゃったの?』という感じがあって…(苦笑)、だからこそ最後まで観ていただかないと、薫ちゃんの立場がない(笑)! 演じる側としては二作に分けて演じるのではなく、ずっと気持ちが繋がった状態で最後まで臨んでます。いまの時点では答えづらいですが、剣心に対する思い、気持ちが繋がっているということを見ていただければ!」。

冒頭に挙げた2人の言葉――目の前に道ある限り突き進むという“覚悟”は、剣心や薫の生きる姿とも重なる。佐藤さんは最後まで目をそらすことなく言い切った。

「いまはまだ、道を与えてもらえているから走る。道さえも自分で探さないといけなくなったら、大変だろうと思うけど――とりあえず、ぶつかるまでは走ります。早いか遅いかは分からないけれど」。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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