【シネマカフェ的海外ドラマvol.318】ドラマ俳優とブロードウェイvol2/アラン・カミング

海外ドラマ

ミュージカル舞台「キャバレー」に立つアラン・カミング/(C) Getty Images
  • ミュージカル舞台「キャバレー」に立つアラン・カミング/(C) Getty Images
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  • アラン・カミング/(C) Getty Images
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前回に続き、今月は海外ドラマスターとブロードウェイの関係に注目。海外ドラマファンにはおなじみの存在であり、ブロードウェイの舞台でも華麗なパフォーマンスを見せている2人のスターをピックアップし、その舞台レポートをお届けします。

2人目は、「グッド・ワイフ」のイーライ・ゴールドと言えばこの人、アラン・カミング! 「グッド・ワイフ」では抜け目ない政治コンサルタントをチャーミングに演じている彼ですが、最近では主演映画『チョコレートドーナツ』の大ヒットも記憶に新しいところです。

そんなアラン・カミングが現在、ミュージカル「キャバレー」に出演中。演じるのは、ストーリーテラー的キャラクターにして、物語の舞台となるキャバレー“キットカットクラブ”で司会を務める男・エムシー役です。この役は彼の十八番とも言えるもので、1998年からの公演で同役を演じた際にもトニー賞の「主演男優賞」を受賞しました。

前回の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」同様、映画版も広く知られている演目ですから、ストーリーをご存じの方も多いはず。ナチスの影が忍び寄るベルリンを舞台に、“キットカットクラブ”の歌姫・サリーと作家志望の青年が繰り広げるロマンスを軸にした映画版は、アカデミー賞で計8部門を制覇しました。

大まかなストーリーラインは舞台も映画も同じですが、映画版はヒロインのサリーにより寄り添った印象で、演じたライザ・ミネリがアカデミー賞「主演女優賞」に輝いたのも納得。

舞台では、物語を見つめるエムシーの目線がより強調された群像劇になっており、アラン・カミングのトニー賞「主演男優賞」受賞に相応しい構成が特徴です。ちなみに、今回の舞台でサリーを演じるのは、ミシェル・ウィリアムズ。今や映画界のスター女優ですが、彼女の出世作と言えば青春ドラマ「ドーソンズ・クリーク」も思い出されるところです。

この舞台がユニークなのは、上演する劇場全体が“キットカットクラブ”に見立てられていて、1階席はすべて4人掛けのラウンドテーブルになっているところ。舞台の観客はまるで、キャバレーのお客さんになったかのような気分を味わえます。もちろん、テーブルでは飲食のオーダーも可能。アルコールや軽い食事を楽しみながら鑑賞している人がほとんどでした。その中を時に練り歩いたり、かと思えば舞台上で耽美なパフォーマンスを披露したり、キャバレーの司会者らしく客席に語りかけたり、はたまた観客の1人を舞台に上げてダンスをしたり(!)するのがエムシーという存在。

上裸にサスペンダーで妖しさと怪しさを放出し、シニカルな眼差し鋭く、卑猥さもたっぷりに30年代ベルリンの退廃を体現するエムシーは、「アラン・カミング以外の誰が演じられるの?」と言いたくなるほどの役でした。そして、物語の衝撃過ぎる結末もまた、彼の表情と存在感あってこそ。まさに、アラン・カミングの舞台なのだと実感させられました。

『チョコレートドーナツ』でも美声を披露し、観客の心をつかんだアランの生パフォーマンスを体験できるのはブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」だけ。11月11日からはエマ・ストーンがサリー役で出演することも決まっており、引き続き目が離せません。
《text:Hikaru Watanabe》

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