ミュージカル「ハートの国のアリス」開幕!

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ミュージカル『ハートの国のアリス』(C) QuinRose/ミュージカル「ハートの国のアリス」製作委員会
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連載第104回 高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義 
[取材・構成: 高浩美]

■ 『不思議の国のアリス』をモチーフにした乙女ゲーム作品『ハートの国のアリス』は本家以上にシュール、かつバイオレンスな世界

『ハートの国のアリス』が舞台化。2007年2月14日にQuinRoseから発売されたパソコン用恋愛アドベンチャーゲームだ。『不思議の国のアリス』をモチーフにした乙女ゲーム作品シリーズの第1作目である。マンガ、小説、アニメ映画、ドラマCDとマルチ展開しているコンテンツだ。

よく知られているキャラクター・アリスが主人公。”本家”の物語、アリスはうさぎを追いかけて不思議の国に迷い込み冒険をする。この名作をモチーフにしたゲーム、古くは1984年のマイクロキャビンの『不思議の国のアリス』、ナムコの『メルヘンメイズ』(1988年)、フェイスの『不思議の国のアリス』等、かなりのゲームが発売された。そして、この『ハートの国のアリス』である。
基本的に女性向けのゲームなので、おなじみの帽子屋、チェシャ猫、三日月ウサギ等、皆イケメンキャラに。その上、本家の『不思議の国のアリス』よりさらにシュール。
昼寝をしていたアリスはペーター・ホワイトによって不思議な国、ハートの国に連れられてしまう。住人は皆、何かしら武器を携帯、すぐに銃撃戦にあるというなんとも物騒。しかもおも立った登場人物は皆、すぐに乱闘騒ぎを起こす、殺し合いをする……。それに領地争いもしており、帽子屋(マフィア)・ハートの女王・遊園地が対立、もう”戦国時代”な不思議、かつ危険きわまりない世界だ。
ペーターからハートの小瓶に入った謎の薬を飲まされて、元の世界に帰れなくなってしまうアリス。ゲームのルールに従い、行動を開始する、というかするしかない、という状況。ハートの国の住人と交流するうちにある感情が起こる。それは果たして……、というもの。

ヒロインのアリスを演じるのは松本妃代。ミュージカル『AMNESIA 』で健闘、今回の舞台の主人公に抜擢された期待の星だ。そして相手役に合わせた7つのマルチエンディングを用意する。
その相手役7人、演じるは吉岡佑(ブラッド=デュプレ (Blood Dupre))、磯貝龍虎(エリオット=マーチ (Elliot March))、尾関陸(ペーター=ホワイト (Peter White))、碕理人(エース (Ace))、小西成弥(ボリス=エレイ (Boris Airay))、成松慶彦(ユリウス=モンレー (Julius Monrey))、高崎俊吾(ナイトメア=ゴットシャルク (Nightmare Gottschalk))。さて、どんな物語になるのか、7つのストーリー、なんとも欲張りな企画である。

■ 強引な不思議キャラが次々と現れ、困難につぐ困難、意外と打たれ強いアリス、冒険の先に見つけたものは……

舞台セットはシンプルだ。中央には深紅のカーテン。あとはパネルと段差がある台。照明等の変化で見せるやり方である。中央に眠っているアリス、その回りをこれからアリスに絡んでくるキャラクター達が取り囲む。登場人物の関係が一目でわかるように提示する。
客席から白いうさぎ、ペーター=ホワイト (Peter White)が登場する。「君の笑顔が見たいんだ」と言う。それからアリスのお姉さんが中央から登場し「アリス、寝てるの?ゲームをしましょう」「ゲーム?」「トランプはどう?」「トランプ……」そしてアリスはうさぎに連れられてどこかへ……。そして小さい瓶に入った薬を無理矢理飲まされてしまう。その薬は”ハートの薬”といい、飲んだからにはゲームに参加せざるを得ないと言われ、アリスは困惑する……。
このプロローグ、”本家”通りに見えるが、そうではない。原作の『不思議の国のアリス』はアリスがうさぎを追いかけるが、ここでは”連れていかれる”のである。小さい瓶に入った薬は”本家”では自分で飲んでしまう。つまり、”本家”のアリスは自発的に行動し、普通でない様々なトラブルに見舞われるが、なんとか自分で切り抜けている。この『ハートの国のアリス』は他者からのアクションによって様々なトラブルに巻き込まれる。ここがキーポイント。
アリスは”災難巻き込まれ型”ヒロインなのである。自分の意思とは関係なく、ゲームに参加させられる。しかもここでは3つの勢力が領地争い、登場人物は個性的で、しかも武器を所持。しかも「この世界は君を望んでいる」とか「みんな君が好き」と言われてもさっぱり意味がわからず、なアリス。この”困惑状態”のまま強引な登場人物たちによってヒロイン・アリスはこの奇妙な国の冒険の旅に出るのである。

ヒロイン・アリスを演じる松本妃代はキレのよいダンスを見せてくれる。困った状況のまま冒険するが、やがて自分の内なる弱さに気づいていく様子を好演。
アリスを取り巻く男優陣は総じて背が高く、帽子屋、ブラッド=デュプレ (Blood Dupre)を演じる吉岡佑はかぶっている帽子も合わせるとなんと2m近くに。エリオット=マーチ (Elliot March)役の磯貝龍虎も身長186センチ。耳も合わせると、こちらも2m近くなる。ユリウス=モンレー (Julius Monrey)役の成松慶彦も身長186センチ。とにかく”スカイツリー級”が3人、舞台映えはもちろん、アクションシーンになると、迫力満点で舞台が狭く感じる程。

ダンサー陣は皆、激しくも難易度の高い振付をよくこなし、アクションもキレがよく、物語の輪郭を際立たせる。皆、キャラクターをよく考え、原作に沿いつつも、自分たちのオリジナルな部分も発揮し、原作ゲームやアニメとは違う舞台版としての『ハートの国のアリス』を創造する。
ゲームの特性を生かした演出、2幕ものであるが、見せ場はきっちりと見せ、ダンスや歌で凝縮するところは濃密、テンポ良く、かつ疾走する。ゲーム舞台化では定評のある吉谷光太郎、こういったメリハリの効いた見せ方はなかなか。奇妙な国の唯一の女性キャラクター・ビバルディ演じる石井美絵子、舞台映えするルックスと存在感で、ちょっとヒステリックな女王様。アリスには何気に好感を持っている様子を見せつつ(すぐに「死刑」、とか言うわりに意外と優しい)、という役どころを上手く演じており、歌唱力もなかなかのもの。これから様々なミュージカルシーンで活躍してくれそうな予感である。

さて、このアリス、奇妙な国で散々な目に遭う。ダメージどころか、少しずつ、いろいろなことに気づいていく。なかなかに打たれ強い。優しくて美しい姉にどこかコンプレックスがあり、基本的には受け身。自分に自信が持てないアリスに対して「そのままでいい」「アリスが好き」という奇妙な国の住人が言う。誰かを好きになることにどこか臆病なヒロイン、誰しもが持っている不安感や寂しさは共感出来る。殻を破ることへの躊躇、そこから一歩踏み出すことは難しい。
ラスト近く、ここからが分岐点、7つのエンディング、ここは”観てのお楽しみ”。それぞれのキャラクターを生かした構成になっており、お気に入りのキャラクターはもちろん、出来れば、さほどお気に入りでないキャラクターのエンディングも観て欲しい。必ず、新しい発見があるはずである。


ゲネプロ終了後に出演者を囲んでの取材タイムがあった。

アリス役の松本妃代は「歌もダンスも盛りだくさん、エンディングも7パターン、どのエンディングもいい作品です」とアピール。そして7キャラを演じる男優陣はそれぞれ自分のエンディングの日程を”猛アピール”。
ゲネプロはブラッド=デュプレのエンディングであったが、吉岡佑は「9日もあります!」と他の6キャラより”有利な立場”にもかかわらず、さらに猛アピール。思わず、笑いが起こった。
役作りに関しては松本妃代は「アリスの性格を考えて自分とアリスの接点を生かしました」とコメント。小西成弥は「つかみどころのない役ですが、僕なりの解釈で演じました」と語る。尾関陸は「特殊なキャラクターですが、意外と自分との接点があった」と言えば、成松慶彦は「そのまま”自分”だったので、特に何もしていません(笑)」と。碕理人も「石井さんに”そのままだね”といわれました」とコメント、取材陣からまた笑いが起こった。磯貝龍虎は「凄い臆病な役ですね」と冷静に、かつひょうひょうとコメント。石井美絵子は「かっこいい女性です。感情の起伏が激しい役で自分も激しい方なので、何十倍も激しく演じました」と語った。
時折、誰かのコメントにキャスト同士で突っ込み合う場面も見られ、なかなかにチームワークの良いカンパニーぶりが伝わった。

なお、2月10日火曜日と2月11日の千秋楽、この2公演のニコニコ動画放送が決定した。また、都内の「アリスのファンタジーレストラン」の5店舗(「絵本の国のアリス」「魔法の国のアリス」「迷宮の国のアリス」「舞踏の国のアリス」「古城の国のアリス」)にてコラボメニューを注文すると7人のキャストの写真とオリジナルコースターがもらえるとのこと(2月末日まで)。新宿マルイアネックスでは2月11日まで公演を記念してのフェアが開催中。さらにレストラン、マルイ、劇場の3カ所にてスタンプラリーを実施とのこと。ミュージカル以外のお楽しみ企画も満載、合わせて『ハートの国のアリス』を体感したい。


ミュージカル『ハートの国のアリス』
2015年2月4日(水)~11日(水)8日間 全10公演
全労済ホール/スペース・ゼロ
http://www.musical-hatoari.com

ミュージカル『ハートの国のアリス』
(C) QuinRose/ミュージカル「ハートの国のアリス」製作委員会

ミュージカル「ハートの国のアリス」 ヒロイン・アリスの巻き込まれ型アドベンチャー物語

《animeanime》

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