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【カンヌ国際映画祭】パルムドールにジャック・オディアール監督『ディーパン』

24日夜(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、コンペティション部門の最高賞パルムドールはジャック・オディアール(仏)監督の『ディーパン』(原題)に贈られた。

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ジャック・オディアール/第68回カンヌ国際映画祭
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24日夜(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、コンペティション部門の最高賞パルムドールはジャック・オディアール(仏)監督の『ディーパン』(原題)に贈られた。また、日本から妻夫木聡が参加した『黒衣の刺客』の侯孝賢(ホウ・シャオシェン/台湾)監督が、監督賞に輝いた。

侯孝賢監督は壇上で、「監督賞をいただけて感激です。作家映画を作るのは決して簡単なことではありませんし、資金を獲得するのも難しいことです。スタッフに感謝します。また主演のスー・チー、チャン・チェン、そして全ての人に感謝いたします」と喜びを語り、会場にいたスー・チーとチャン・チェンも感激の面持ちだった。

すでに帰国していた妻夫木さんは「侯孝賢監督の作品に参加できたこと、このような素晴らしい賞を受賞したこと、こんな奇跡的な瞬間に立ち会えたことに幸せを感じています。一期一会の心を忘れず、これからも人や作品に出会えていけたらと思います」とコメントした。日本の是枝裕和監督の『海街diary』は無冠に終わったが、「ある視点」部門では黒沢清監督が『岸辺の旅』で監督賞を受賞した。

パルムドール受賞作『ディーパン』(原題)は、スリランカ内戦で全てを失ったタミール族の兵士ディーパンが、偽装家族とフランスで難民として暮らす姿を描く。オディアール監督は『預言者』で2009年にグランプリを受賞しているが、パルムは初となった。下馬評の高かったポール・ソレンティーノ(伊)の『YOUTH』(英題)、ナンニ・モレッティの『MY MOTHER』(私の母)などイタリア勢を破っての受賞に、記者席の一部からはブーイングもあがったが、力強いラブストーリーとなっている。

一方、誰もが納得したのが、男優賞の『MEASURE OF A MAN』(英題)で、失業とモラルの狭間で苦悩する男を演じたフランスの人気俳優ヴァンサン・ランドン。ハンガリーの新鋭ラズロ・ネメスがユダヤ人強制収容所を舞台にした『SON OF SAUL』(英題)のグランプリ受賞も、期待通りの結果となった。審査員の1人である女優シエナ・ミラーは「私は観たときに、圧倒されてしまった。映画祭が始まってすぐに観たのに、最後までその強烈さは忘れられなかった」と明かした。

女優賞は『CAROL』(英・原題)のルーニー・マーラ(米)、『MON ROI』(原題)のエマニュエル・ベスコ(仏)の同時受賞。メキシコの若手監督ミシェル・フランコがティム・ロス主演で終末医療専門の看護師を描いた『CHRONIC』(原題)が脚本賞に、ヨルゴス・ランティモス(ギリシャ)が独身者が禁じられた近未来をコリン・ファレル主演で描く『THE LOBSTER』(原題)が審査員賞に輝いた。2人は前作がいずれも「ある視点」部門のグランプリを受賞しており、まさにカンヌの申し子となった。全体にフランス勢が圧勝という印象であり、現地のテレビではヴァンサン・ランドンの栄冠が大きく報じられている。
《photo / text:Ayako Ishizu》

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