【シネマVOYAGE】大自然に触れ気持ちをリセット…“過酷”の先にあるものとは?

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『わたしに会うまでの1600キロ』(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
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『わたしに会うまでの1600キロ』は、リース・ウィザースプーンの演じる主人公シェリルがたった1人で3か月かけて1600キロを歩く旅──映画を観る前は「ああ、女性版『イントゥ・ザ・ワイルド』なのかな」と思ったのですが、少し違いました。どちらも自分の足で歩いて旅をすることに変わりはありません。でも、本当の自由とは何かを探す旅が『イントゥ・ザ・ワイルド』であるのに対し、『わたしに会うまでの1600キロ』は今抱えている悲しみや苦しみを乗り越えるための旅、リセットするための旅であって、似ているようで違うんです。

シェリルが旅するのはパシフィック・クレスト・トレイル(通称PCT)。アメリカ西海岸をメキシコの国境からカナダの国境まで南北に横断する自然歩道をひたすらゴールに向かって歩きます。歩道といっても砂漠や岩山を突き進めなければならない過酷な道ですが、その途中にはモハーベ砂漠、セコイア国立公園、ヨセミテ国立公園のトゥオルミ・メドウズ、フッド山、クレーター湖の森林地帯、レーニア山の火山地帯など25の国有森林と7つの国立公園があって、その圧倒的な自然の美しさに感動します。

そして、ゴールである神の橋を目指してただひたすら歩き続けるシェリル。このシェリルは実在する女性で、彼女の無謀な旅を綴った自伝を読んだリース・ウィザースプーンが映画化を熱望。実話をもとにしていることもありドキュメンタリーに近いと言えますが、要所要所で過去の出来事が映像として差し込まれることで、なぜシェリルが過酷な旅をしようと思ったのか、その理由と苦しみと“自分を取り戻したい”という切なる叫びが伝わってきます。

人間は弱いけれど強い、悲しみは想い出になる、愛情や優しさは消えることはない──シェリルの旅を通じて気づかされることはとても多いはずです。
《text:Rie Shintani》

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