【インタビュー】桐谷健太×新井浩文×皆川猿時 俳優よりも!? 漫画家はつらいよ…

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『バクマン。』皆川猿時、桐谷健太、新井浩文/photo:Naoki Kurozu
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  • 『バクマン。』桐谷健太/photo:Naoki Kurozu
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計20巻、約4年にわたり連載された「バクマン。」の面白さの秘密はいくつもあるが、そのひとつは魅力的な脇役たちの存在! 主人公のサイコー&シュージン、ヒロイン・亜豆や宿敵・エイジのみならず、多彩な登場人物たちがドラマを織りなし物語を盛り上げてきた。

中でも個性的なキャラで高い人気を誇っていたのがサイコー&シュージンにとって、仲間であり、互いを刺激するライバルでもある漫画家たち。実写映画『バクマン。』では幾人かの登場人物たちは泣く泣くカットされたが、そんな中でもジャンプ連載さながらサバイバルを勝ち抜き、映画の中で原作に負けない個性をのぞかせているのが福田、平丸、中井の3人! 彼らを魅力的に体現した桐谷健太、新井浩文、皆川猿時が語り合う!!

――新井さんは、大根仁監督作には必ず出演すると決めていて、平丸役も“逆指名”で手にしたと聞いてますが…?

新井:正確には最初「モテキ」の頃に大根さんが『バクマン。』をやると聞いて「平丸がやりたい」と伝えたんですよ。原作の中で一番好きなキャラだったので。でも「平丸は新井くんじゃないよ」と言われて「じゃあ台本を読んで決めさせてください」ってお願いしたんです。で、台本を読んだら川口たろう(※サイコーの亡くなった叔父で漫画家)が一番おいしかったので「これがいい!」と伝えたんです。でも2~3か月後に「宮藤官九郎さんになった」って(苦笑)。「は? じゃあ何?」って聞いたら結局、平丸だったんです(笑)。

――桐谷さんは最初、福田役が決まった時の印象はいかがでした?

桐谷:僕は原作を読んだことがなくて、読んでみたら台本と原作でやや福田の印象が違ったんですよね。だから原作を真似るのではなく、台本をベースに自分なりの福田を作れたらと思ってました。

――皆川さんの演じた中井はアシスタントでの下積みを経て連載を勝ち獲る苦労人ですが、あの性格を含め、実は原作者の小畑健先生が最も感情移入した登場人物だったそうです。

皆川:僕も出演が決まってから原作を読んだんですが、ヒドい男ですよね(笑)。まあ、ある意味、一番人間味があるというか…。

――ただ映画ではそういった部分ではなく、苦労人の漫画家としての側面が描かれています。パンツ一丁でないとペン入れができないというのも映画オリジナルの設定ですね。かわいらしい裸を見せていますね!

皆川:ありがとうございます(笑)。脱ぐのは抵抗ないんですけど、鏡で見える自分の裸の範囲って限られてるでしょ。完成した映画を見たら、普段は見ることがない背中とかも、普通に映ってて「気持ち悪い」って思いました。こんな裸で家の中をウロウロしてたのかと…。家族に謝りたいですね(笑)。

――読者アンケートの順位が悪いと容赦なく連載が打ち切られる様子も描かれますが、ある意味で俳優の世界も同じシビアさがあり、共感したり重なる部分もあったのでは?

新井:俳優も人気商売なのは事実ですが、自分がリアルに「いま何位」ってのは分かんないですからね。その意味ではジャンプのアンケート主義の方がずっとシビアですよ。

桐谷:視聴率だって作品に対するもので、みんなで作ってるわけですからね。歌手のようにランキング何位とか何枚売れたとか、ライヴに何人来たってのもないしね。

新井:「大人計画」ではないんですか? 「いま、劇団内で何位くらいだな」とか?

桐谷:明らかにセリフが多くなったり?

皆川:うーん…まあ舞台はダイレクトにお客さんの反応が返ってくるからね。順位かあ…。今回はオレ、特にウケてるなとか思ったりすることもあるけど。ま、でも、全然ウケない時もあるし(笑)。ただ、卑屈になったらダメだから「オレは今、たぶんモテてるはずだ!」って気持ちは常に持ってるね(笑)。どこかで自分を誤魔化さないとやってられないというか。

桐谷:でも俳優やってて、結果がリアルな数字で出てきたら…

新井&皆川:キツイ(苦笑)!

桐谷:そうすると今度はそっちに芝居を寄せるようになって、つまんなくなりそう。

――同世代の俳優に対してライバル心はありますか?

新井:うちは瑛太と(松田)龍平にはあるよ。まあ同世代ではないかもしれないけど、デビューが一緒だったから(『青い春』)。あの2人が出てる作品は刺激になるしね。

桐谷:いい映画見たら、そこに出たかったという気持ちは生まれるけど、ライバル心は持たんようにしてるかな、おれは。さっきの話と同じで、意識したら面白くなくなると思うんですよ。だから漫画家さんの「今週、順位が一つ下がった…」みたいな生活はキツイ! そればかり気にする生活になりそうで…。この映画を見て、果たして漫画家に憧れる人がいるのか…(苦笑)?

――サイコーとシュージンが編集部に漫画を持ち込んだりするのは、俳優の世界で言うならオーディションみたいなものですか? お三方とも若い頃はオーディションを受けたことも多かったのでは?

新井:うちはかなり特殊だと思います。デビュー前にオーディションの途中で2回くらい帰ったことあるし。

桐谷:え? オーディションの最中に?

新井:●×監督の作品だったんだけど、これから一緒に作品を作るかもしれない俳優たちに対してあまりに態度がひどいんですよ。だから「なんか質問あるヤツいるか?」と聞かれて「はい」って手を挙げて「んー? 新井? 何だ?」、「なんで監督、さっきからそんなにエラそうなんですか?」って。「あ? 文句あるなら帰れ」と言われて「失礼します」と帰った(笑)。うちもデビュー前で何も知らなかったけど、この態度はあまりにもないなって思ったから。

皆川:これぜひ記事にしましょう(笑)。

桐谷:名前だけ「●×監督」にして(笑)。おれはそんな感じの人に会ったことなかったなぁ。でも若い時は空回りしてましたよ。特技をやれと言われて、みんながバック宙とかダンスやってるのに、おれだけ「セブン」のブラピのマネしてシーンとしたり…(苦笑)。それこそ100以上受けたけど、最初は本当に受かんなかったな。

新井:大人計画も入団はオーディションですか?

皆川:そう。自己PRしたり。結構、面白い人がいましたよ。ずっと泣いてる情緒不安定な人とか、高熱を出してフラフラのSMの女王様とかいろいろ…まあ、その中でわりと普通っぽい人が残った感じなのかな?

新井:いやいや、受かってる人も相当みなさん、変わってるでしょ(笑)!

――今回、漫画家役をやってみて、改めて感じた漫画家のすごさや面白さなどはありましたか?

新井:薄々感じてたけど、漫画家の印税ってすごいですよね。

皆川:これ、平丸役(※金が大好き)は完全に大根さん、新井くんにあて書きでしょ(笑)!

桐谷:まだ役作りが抜けてないんちゃう(笑)?

新井:いやこれね、すごいんですよ。ミュージシャンとは%が違うらしいですから。アニメ化とかされてグッズにもなったりしたら凄まじいですよ。

桐谷:でも週刊連載だとお金を遣う時間もあるのかなって感じですよね。小さい頃から漫画読んでても、作ってる側の世界を想像したことなかったから、今回、そっちの世界をのぞき見てハンパないなって思いましたね。自分がジャンプとか買って読んでる時に「今週の『○○』は休載です」とか出てると「おい、またかよ」とか怒ってたけど、いやいや、毎週の連載なんてすごいことなんだなと。

皆川:漫画家役ということで漫画描く練習までさせられて(笑)、改めて自分には向いてないって思ったし、選ばれた才能を持つ人が描いてるんだなと思うと、それくらいの大金を手にするのも当然なのかなって気がしてきますね。


【連載企画 漫画の思い出#08】

――みなさんのこれまでの漫画体験や好きな漫画について聞かせてください。

新井:うちは小2からジャンプを毎週、欠かしたことないし、中でも好きなのは「ジョジョの奇妙な冒険」ですね。ジャンプ以外では古谷実! 最初の頃のギャグマンガも好きだし「ヒミズ」以降のシリアスな作品も好きですね。

桐谷:あのどんどん「陰」に入っていく感じね。

新井:古谷さんの作品が好き過ぎて映画の『ヒミズ』の時は園子温監督の助監督に連絡して「エキストラでいいから出してくれ」って。

桐谷:僕は子供の頃から家にあったのが手塚治虫の「ブッダ」と「火の鳥」、「ブラックジャック」。子供ながらに読んでぶっ飛んでましたね。入り込み過ぎてヤバかったです。いま読んでもかなり壮大だけど。だから、自分では覚えてないんですけど、オカンが言うには手塚治虫のことだけは「手塚先生」って呼んでたらしいです(笑)。何か教えを受け取ってたんでしょうね。

皆川:僕は自分で漫画のためにお金を出す文化がなかったんですよ、お小遣いもなかったし。友達のお兄ちゃんが、小さなプレハブの離れの小屋に住んでて、友達にそこに連れられて行ったんだけど、それが悪そうな部屋なの。「KISS」のポスターが貼ってあって、ジャンプが積んであるの。なんかそれでジャンプが怖くてね(笑)、デカいし。「キン肉マン」は好きだったんだけど、アニメの方だったからなぁ…。高校に上がって、男子校だったけど、そこで少女漫画が流行ってて、それは読んでましたね。たいてい、彼氏が死んじゃって、それを慰めてくれる男子が「おれがあいつを忘れさせるから」みたいな(笑)。今回、この映画が決まって漫画喫茶に行って「バクマン。」読んだんですけど、久々に漫画読んで、いまの漫画ってすごいなって思いましたね。

『バクマン。』特集:http://www.cinemacafe.net/special/5926/recent/
《photo / text:Naoki Kurozu》

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