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三浦友和、『その夜の侍』監督最新作で主演! 殺人犯の父親役に『葛城事件』

2016年、『64 -ロクヨン-』前後編の公開も控える三浦友和が、堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛共演で話題を呼んだ『その夜の侍』(’12)の赤堀雅秋監督・脚本の最新作『葛城事件』

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『葛城事件』 (C)2016「葛城事件」製作委員会
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  • 『葛城事件』 (C)2016「葛城事件」製作委員会
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  • 赤堀雅秋監督/『その夜の侍』トークショーにて
2016年、『64 -ロクヨン-』前後編の公開も控える三浦友和が、堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛共演で話題を呼んだ『その夜の侍』(’12)の赤堀雅秋監督・脚本の最新作『葛城事件』に主演。無差別殺人事件を起こした加害者の父親を演じることが分かった。

劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演を担当してきた赤堀雅秋が、『その夜の侍』に続いてメガホンをとるのは、人が持つ心の闇を照らし出す意欲作。無差別殺人事件を起こした加害者、その父、母、兄、そして加害者と獄中結婚をした女という、衝撃の家族模様を描く。

父親の代からの小さな金物屋を営み、がむしゃらに働いてマイホームを持ち、理想の家族を作れたと思っていた葛城清(三浦友和)。だが、21歳になった次男・稔(若葉竜也)は無差別殺人事件を起こし、8人を殺傷した罪で死刑囚となった。次第に粗暴になっていく清。会社をリストラされ孤立する長男・保(新井浩文)。妻・伸子(南果歩)は次第に精神のバランスを崩し、廃人のようになっていく。さらに、死刑制度反対の立場から稔と獄中結婚をする女・星野が登場するが…。

俳優でもある赤堀監督が描く世界観は「赤堀ワールド」と呼ばれ、人間の本質ともいえる無様さや滑稽さ、残酷さや狂気までをあぶり出し、観る者に突きつける。2012年には「THE SHAMPOO HAT」の舞台を映画化した『その夜の侍』で監督デビューを果たし、同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭「森田芳光メモリアル新人監督賞」を受賞した。

本作『葛城事件』もまた、2013年にで公演された同名舞台であり、今回の映画化にあたり、新たに改稿。死刑囚・稔の父親で主人公の葛城清を演じるのは、青春スターを経て、善人から悪役、コミカルな役など硬軟幅広くこなせる日本を代表する俳優の三浦さん。「清役は三浦さん以外に考えられない」という監督からの熱望を受け、今回の主演が決まった。

清の妻で徐々に精神を病んでいく稔の母親・伸子役に南果歩、兄の保役には、舞台版で稔役を演じた新井さん、通り魔的に8人を殺傷してしまう稔役はオーディションで選ばれた新鋭、若葉竜也と実力派俳優が集結し、それぞれが問題を抱えながらいつの間にか歯車が狂ってしまった家族を演じている。

「この役をほかの人が演じるということを想像したくなかった」という三浦さんは、「(清という人物は)ありがちな父親像ですね、特別な人格でもない。ちょっと間違えるとこういうかたちになるだろうし、少しだけ歯車が狂ってしまった、そういう家庭です」と自身の役柄を説明。「赤堀監督はものすごく想いが強いです。貪欲ですし、現場でも何度もテイクを重ねて、後で『何回もすみません』と謝りに来てくれましたが、現場で躊躇しない監督の姿が好きでした。それに答えられたかどうかは分かりませんが、素敵な監督でした」とふり返ってコメント。

一方の赤堀監督は、「この物語は、対岸の火事ではなく、我々の地続きにある。ある家族の話。無様に、愚かに、それでも必死に生きる人間の姿。観客の心を強く揺さぶる作品になるという自負があります。極めておこがましい言い草ですが、これは三浦友和さんの代表作になると、僕自身は勝手にそう思ってます。強くそう思ってます」と言葉に力を込めた。

また、南さんも「葛城家のなかで過ごす時間は、息をするのも辛くなる場面が沢山ありました。“家族”という、一番身近な人間関係をどう作っていくかという部分では、家族の危うさや、恐ろしさ、やるせなさ、そしてそこにある人肌を感じながら、『身近にいる家族とは一体何なのか』ということをずっと考え続けた」という。

そして、舞台版では稔役、映画ではその兄を演じることになった新井さんは、「舞台とは別の役をもらって演じる。俳優っぽいなーと思ってました」とコメント。

無差別殺人の加害者という難役に抜擢された若葉さんは、「こんなにも不器用で、目を背けたくなるほど生々しく、笑ってしまうほどカッコ悪い人間達。圧倒的な脚本の面白さに興奮しました。『OK!』と監督が声をあげるテイクは必ず、“記憶がすっ飛んでいる”という不思議体験もしました」と明かしている。

壮絶でありながら、もしかしたら私たちの隣に存在するかもしれない、ある家族の物語。人間の本質を突きつける本作を見逃さないで。

『葛城事件』は2016年、全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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