【インタビュー】キアヌ・リーブス、俳優として幸せを感じる瞬間

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『ジョン・ウィック』キアヌ・リーブス/Photo by Kasahara Shuichi
  • 『ジョン・ウィック』キアヌ・リーブス/Photo by Kasahara Shuichi
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  • キアヌ・リーブス/『ジョン・ウィック』 Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (c) David Lee
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  • 『ジョン・ウィック』キアヌ・リーブス/Photo by Kasahara Shuichi
  • 『ジョン・ウィック』 -  (C) 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (C) David Lee
  • 『ジョン・ウィック』Motion Picture Artwork (C) 2015 Summit Entertainment, LLC.  All Rights Reserved. (C) David Lee
本当に映画が好きな人なのだ。作ることも、見ることも。言葉の端々から映画に対する深い愛が伝わってくる。そして、はっきりと手応えを感じた作品について語る時、こんなにも雄弁になる。スタイリッシュなアクションとストーリーで魅せる主演作『ジョン・ウィック』を引っさげて、キアヌ・リーブスが来日した。

全米ではすでに1年前に公開され、大ヒット。久々の本格アクション作に“キアヌ復活”の声が上がり、続編の製作も決定している。「そうだね。アメリカではとても気に入ってもらえたと思う。日本でも気に入ってもらえたらうれしいね。作品については自分の視点からしか語れないけど、僕自身、この映画のアクションと情熱、リスクを含んだトーンが好きだ。現実世界と闇社会、暴力があって。でもコメディっぽいところもある。仮想空間っぽくもあり、レトロであってハイパーモダンで」と、作品の魅力を表す言葉が次々と口をついて出てくる。9月に51歳になったばかりだが、楽しそうに語る表情は、青年というよりも少年と言った方がぴったりくるように明るい。

キアヌが演じるジョン・ウィックは元殺し屋。静かな引退生活を送っていたが、愛妻と死別し、自宅を襲撃したロシアン・マフィアに愛犬を殺され、復讐に立ち上がる。たった1人で組織と戦うジョンだが、すぐに気づくのは、彼は超人的であっても、超人ではないこと。攻撃を受けて一瞬怯む姿など、リアルな描写が多い。

「監督はそこにこだわっていたんだ。アクションには必然が伴うものだから。そしてジョン・ウィックは痛めつけられて、傷だらけ、血だらけにならなきゃならない。実は僕もそこが気に入ってるんだけど(笑)。観客に全てが目の前で起きているように感じてもらうために、あまりカットを割らない撮影になった。演じる側としては大変だったけど、できるだけのことはしたよ」。

柔術をベースに、射撃もまじえた“ガン・フー”など、斬新なアクションはやはり本作の大きな見どころだ。「今まで見たことないようなクールな要素が……」と言いかけて、「いや、見たことないってわけでもないだろうけど、何て言うか、撮り方だね。違って見えるんだ」と言う。「なぜかはわからないけど、見ていて『ん? 今何やった?』と思わせるみたいな、そういう映画になったと思う」。

ジョンについては「誰かの邪魔をしに来るようなキャラクターなんだよね」と独特な見解を示す。「ジョンが登場するシーンは、いつも他のキャラクターが何かをしている最中なんだ。彼らは手を止めて『おお、ひさしぶり』と言う。再会を喜んでいると同時に少し怖がってもいるようで、そのあたりも構造的に面白い。映画の冒頭では至って普通の男なんだけどね。でも最愛の妻を亡くし、そのうえ愛犬を殺されて、自宅で半殺しの目にあって、車も盗まれて」とテーブルをドンドンと拳で叩いてみせながら語る。「監督は共感できるアンチヒーロー像にこだわっていたんだと思う。ミフネ(三船敏郎)の伝統っていうかね。寡黙だけど、口にしたことは必ずやる」。

俳優の仕事で幸せを感じる瞬間は「監督が『アクション!』と言うとき」と言う。「その言葉の後から始まる時間のために、準備を重ねてくるわけだからね」。彼は通訳の女性が「アクション」を「はい」と訳していたのに気づいたようだ。「『ハイ』と言われてから、カットがかかるまで、共演者と一緒にストーリーを作っていく。だから『カット!』と言われた後はものすごい充実感があるんだ」。そして、俳優として目指すのは「リアルであること。真実に忠実でありたいし、その真実を探って演じたい」。

そんなキアヌは大作に主演する俳優のみならず、『ファイティング・タイガー』で監督にも挑戦、ドキュメンタリー『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』を製作するなど、映画というメディアへ人一倍深い思いを抱いている。『ジョン・ウィック』でも、これが初監督作となるチャド・スタルエスキとデヴィッド・リーチのコンビに、編集時に大きなスクリーンで確認するようアドバイスをした。「映画館の大スクリーンに映すわけだから、その感触を実際に見ておかないとね。俳優の演技や表情、シーンのリズムをつかむためには、それなりのサイズで確認する必要があると思う」。

だが世間では、今や映画もスマートフォンで楽しむという層が広がりつつある。
「確かにね。でも、劇場の闇の中で20フィートの大スクリーンで見るに勝るものはないと思うんだけど…。まあストーリーによるかな。ここまで小さくならない方がいいと思うけど」とテーブルに置かれたスマートフォンを指差しながら、「今は6秒とか5秒、3秒でストーリーを語る人たちもいるからね。猫がミャオ! とひと鳴きしてカット、それに対して『なに?!』とリアクションしてカット! みたいな。ストーリーを語るには面白い時代になってきているね」。

映画を通して物語ることにこだわるキアヌだからこそ、ぜひここは見てほしいというシーンは? という問いには「全部見なきゃだめだよ!」と笑う。「どれか1つなんて選べない。バースデーケーキみたいなものだよ。1切れもらえなかったとしても、ケーキそのものを見るのがうれしかったりするんだから(笑)」。
《text:Yuki Tominaga/photo:Kasahara Shuichi》

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