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演技未経験のヤンキーがシンデレラボーイに!? 『バーバリアンズ』

世界情勢から孤立し、混沌とした空気が蔓延する現代のセルビアで生きる若者の姿を描いた『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』。

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世界情勢から孤立し、混沌とした空気が蔓延する現代のセルビアで生きる若者の姿を描いた『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』。現地の不良をそのままキャストに起用し、話題となっている本作だが、その中でも、国際映画祭で大絶賛を浴びた主演のジェリコ・マルコヴィッチからコメントが到着した。

かつての工業地域に住む青年・ルカは、仮釈放中でやることもなく毎日街をうろついてばかり。仕事も目標もなく鬱屈した日々の中で唯一発散できるのは、地元のサッカーチームを仲間と応援しては騒ぐこと。ある日、自宅を訪問した社会福祉士によって、ルカは家族の秘密を知る。コソボ紛争で失踪したと思われていた父が生きているというのだ。しかし、母はその事実をひた隠しにしていた。しばらくして首都ベオグラードでコソボ独立反対のデモに参加したルカは、帰り道に父と再会することになり…。

監督には、本作が長編映画デビュー作となるイヴァン・イキッチ。彼は現在弱冠33歳で、自身もコソボ紛争中のセルビアで多感な時期を過ごした監督は、「自分たちのような“忘れられた世代”の憤りを描きたい」と脚本をしたためたという。そして本作のキャストたちには、現地の不良をそのまま起用し、台本を渡さずに演じさせるという演出でドキュメンタリーのようなリアリティを生みだしている。

そして今回、海外の映画祭で特に脚光を浴びたのが、主人公のルカを演じたジェリコ。彼もまた、セルビアの貧しい街でくすぶっていた演技未経験の不良だ。「カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭」や、「ヨーロッパ映画祭」など20以上の映画祭で上映されるや否や、ジェリコを絶賛する声が各方面から寄せられ、一躍シンデレラボーイとなったジェリコ。寂れた街で夢も仕事も持たずに生きてきた彼は、本作の出演がきっかけで映画の仕事を志し、努力を続けている。そんな彼は「もちろん、たくさんのことが変わったよ。でも変わらないことも同じだけある。映画の撮影が終わったとき、正直演技に興味を持ち続けてたわけじゃないんだ。映画祭も含め全てが素晴らしい経験だったけど、だからといって僕を役者と呼ぶにはまだ不十分だよ。だからまだ役者をやりたいかははっきりしていないね。誰にも分からないことさ。日本の女の子たち! もし男版シンデレラが必要なときは、僕はここにいるよ!」と日本の女子に向けてもコメントを残した。

また、20以上の高校でオーディションを繰り返し、その末ジェリコを主役に抜擢した監督は、彼の魅力について「脚本段階では、全然違うキャラクターにする予定だったんだ。でも彼を一目見たときに、『これだ!』と思った。メランコリーさや、センチメンタルな雰囲気、彼の目。どうしても彼に演じて欲しくて、キャラクターを練り直したよ」と明かした。

そのままの現地不良をキャスティングしたということもあり、撮影トラブルは日常茶飯事。主要キャラクターの役者が撮影期間中逮捕され、撮影が6か月ストップ、クランクイン前夜にバイク事故を起こし顔面負傷で撮影1か月のストップ。というほかの映画ではありえない事態も起きていたという。そんなイレギュラーな自体も乗り越えたからこそ完成した本作。イケメン不良少年が演じた等身大の若者たちが描く、大絶賛を受けたその作り込んでいない素のままの魅力に注目してみて。

『バーバリアンズ セルビアの若きまなざし』は2016年1月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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