【インタビュー】竹内結子&橋本愛、対照的な美しきヒロインが語る『残穢』の魅力

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『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』橋本愛、竹内結子/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』橋本愛、竹内結子/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』竹内結子/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』橋本愛/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋-』(C)2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』橋本愛/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』竹内結子/photo:Nahoko Suzuki
  • 『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋-』(C)2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
  • (c) 2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
怪談雑誌に連載を持つ作家に読者から寄せられた体験談から、ある物件にまつわる奇妙な謎に迫っていく『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』。小野不由美のドキュメンタリー・ホラー小説を『予告犯』の中村義洋監督が映画化。美しきヒロイン2人――心霊現象に対してはドライな小説家「私」を演じる竹内結子と、「住んでいる部屋で、奇妙な“音”がする」と投書し、「私」と一緒に調査を始める女子大生の「久保さん」を演じた橋本愛に話を聞いた。

怪談やホラーが苦手な竹内さんは、出演を決めたものの台本を読み込めなくなったほど。「自分がこういうたぐいのものが苦手だということに気づかないぐらい避けていたみたいで」と苦笑する彼女が本作を引き受けたのは、これまで『チーム・バチスタの栄光』『ゴールデンスランバー』などで組んだ中村監督の新作だというのが大きな理由だった。それでも「台本を読み始めると、想像してしまって怖いんですよ」と言う。「縁の下であんなことやこんなことが…とか、もう想像がどんどん膨らむし、その中に自分が入って行けるだろうかと。読む前に1か月ぐらいかかりました」。一方、橋本さんは「台本で具体的に描写されてはいるんですけれど、CGの部分については決定的な想像ができなかったので、映像化されたときにどうなるんだろうっていう楽しみが大きくて」と対照的。

橋本さんは「衣装合わせのとき、監督から『いじわるな映画にしたい』と言われたのは面白いなと思いました」と振り返る。「ホラー作品だからでしょうけど、すごく細かい演出が多くて。間だったり、セリフのスピード、抑揚だったり、細かく指示されるんですが、それも一言で全体のバランスがすごくつかみやすいことを仰ってくれるんです。どういうふうな見え方をしているのか、一瞬で分かるような言い方をしてくれるので、そこはすごくありがたかったです」。

その言葉に「確かに」とうなずく竹内さんは中村監督作品への出演はこれが5作目。ホラーの演出は、やはりこれまでとは違う感覚があったのだろうか。「監督自身がいつになく何かいじわるだなっていう感じはしました。怖がっている私をちょっと楽しんでいるというか。ただ、いつもに増して撮影合間は全く関係ない話で監督が和ませてくださってました。『ゴキブリとか見つけたら、どういう声だすわけ?』とか言われて『うぁーっ!』って声出して遊んだり(笑)。気分転換をさせてくださる。でも、肝心なところでは本番前ぼそぼそっとささやくように、肝なことを吹き込んでくださる」。そして「監督の作品に独特の何気ない一言が、後々覚えてたら効いてくるみたいなのはありますね」とも。「『ある絵があるんです。それを見たものは…』とか、『ここが終の棲家だ』という台詞を覚えておくと、とんでもない怖い思いをするんじゃないかな」。

完成作は、ショックを与えて怖がらせるというより、じわじわと広がっていくような浸透性のある恐怖感が印象的だ。特に竹内さんは淡々とした雰囲気を求められたという。「これは棒じゃないの? っていうぐらい、淡々と言ってくださいと言われました。ナレーションだけの部分に関してもそうですけど、とにかく静かに淡々と低く、とにかく低くって言われてやっていました。今まで中村監督の作品だと、自分がリアクションを取るほうが多かったんですけど、一切ないと言うか、すごいフラットな感じでした」。橋本さんは逆に「時々ちょっと軽く浅くなったりすると、ちょっとそれ軽くない? と指摘されました」と言う。「ずっと重く、重くっていうのは継続していました」。

「私と比べてそうだよね、怖がる係だったもんね」と言う竹内さんに橋本さんはうなずきながら、「怖がり係。怖がり担当」と付け加える。「だから普段と逆だなと思って。そのままの私だったら『ひゃあ』ってやってると思う」と竹内さんは笑う。

女優として先輩、後輩の関係ではあるが、2人の間に流れる空気はとても和やかで心地いい。今回が初共演だが、竹内さんは橋本さんについて、会う前は「物静かで、深い湖のようなブルーのイメージ」を持っていたという。「お会いしてもそこは変わらなかったんですけど、実はその湖の中にとっても温かくて、一人で面白いこと考えてにやにやしてそうなところがあって。たぶん突っついたら、そこに何かいろんな宝物がある感じがするんです。それをどう掘り出したらいいのか、一番今興味のある女優さんです」。橋本さんは「すごく自然な方だと思います」と竹内さんについて語る。「現場で監督の横に行って、隣りに座って話をされてる光景だったり、普通の佇まい、存在自体がとても自然体で、こちらが緊張することもなく、すごく肩の力を抜いていられるので、とてもありがたいです」。その言葉に「あざーっす!」と照れ隠しのように応えた竹内さんは「監督がそういう人だからだと思います。変に気負わなくていいようにいさせてくれるというか」と言う。

最後に、本作の魅力について尋ねると、橋本さんは「『いじわるな映画にしたい』と仰っていた意味が、そのまま結末に表れていると思うんです」と言う。「ああいう感覚はなかなか最近ではなかったなと思って。自分の心にも何か残って終わるというのをホラー作品で体感できるというのが、またすごく自分にとって新鮮だったので、皆さんにもぜひと思います」。竹内さんは「私は言葉どおり、“穢れが残る”だと思うので、映画館で感じなかったことが、家に戻ってからまた2度おいしいというか、持ち帰る怖さですね。そこが私はこの作品の一番の魅力だと思います」と語る。そして最後にこう付け加えてくれた。「映画館で観てすぐに『大したことなかった。大丈夫』なんて、つぶやかないでください。そんなはずないですって。私は胸を張って言えます(笑)。家に帰って眠るくらいに、本当の怖さが来ますから」。
《text:Yuki Tominaga/photo:Nahoko Suzuki》

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